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第三話 部員、集めるぞ!

『海に魅入られた者』の話を聞いても、情熱を絶やさない詩衣。

部員を集めれば海に潜れると奔走しますが……?


どうぞお楽しみください。

「ねぇ! スキューバダイビングに興味ない!?」

「え?」


 私は翌日から部員集めに走った。

 五人集めれば部活が再開できる!

 そうすれば私は海に潜れる!

 夢のためには止まれない!


「いや、ちょっと興味ないわ」

「わかった! ありがとう! もし興味ができたら教えて!」


 元々高校生でスキューバに興味のある人が多いとは思ってない。

 断られるのが当たり前。

 だから私は瓶子へいし先生に頼み込んで全校生徒の名簿をもらい、総当たりを決行した。

 この学校の生徒は全部で五百人弱。

 百人に一人見つければ、部活ができる!

 頑張るぞー!




 一週間が経った。

 休み時間全部使って、一年生は全部声かけてみた。

 結果はゼロ……。

 でも希望は二年生以上だ!

 何たってスキューバ部があった時を知ってるんだから、新入生より興味関心はあるはず!

 勝負はここからだ!




 また一週間が経った。

 二年生は全部声をかけた。

 結果はゼロ……。

 かつてスキューバ部にいたという先輩にも声をかけたけど、


「元々スキューバに興味あった訳じゃないし、お前じゃなぁ……」


 と私の胸を見て鼻で笑った。

 あんなのはいらない。

 海への夢を汚されるだけだ。

 残るは三年生……。

 受験や就職もあるし厳しいとは思うけど、やってみないとわからない!

 とにかくやるだけやってみよう!




 ……また一週間が終わってしまった。

 予想はしていたけど、三年生の人も全滅だった……。

 あああどうしよう!

 あのおっぱい星人に頼み込もうかな……?

 こう、少しずつ詰め物を増やして、成長をアピールすればいけるのでは!?

 何はともあれやってみよう!




「……あの、忍庵おしあんさん……? その胸……」

「……何も言わないで」


 クラスメイトの賀井かい陽子ようこさんの遠慮がちな声に、私は顔を背けた。

 仕方ないじゃん!

 私スポーツブラしかないから詰め物すると苦しくて!

 お母さんの借りたけどスッカスカで!

 何とか落ちないようになるだけ詰めたら、不自然なほど大きくなっちゃったの!

 ノーブラになるわけにもいかないから外せないし!

 これも全部おっぱい星人のせいだ!


「あの、忍庵さん、スキューバ部やりたいって言ってるんだよね……」

「う、うん」

「全校生徒に声かけたって、ホント……?」

「……うん。ダメだったけど……」

「……えっと、その……、その胸も、そのため……?」

「……。うん……」


 賀井さんが大きくため息をつく。

 バカなことしてる自覚はあるけど、ちょっと傷つくなぁ……。


「あの、そんなことしたら危ないよ……。男の子って何するかわからないんだから……」

「う……、そう言われると……」


 確かに部員を増やすことばっかり頭にあったけど、胸につられるような奴を入れたら、部室で何されるかわかんないよね……。


「あの、だから私、部員になる」

「え!? ホント!?」

「うん、ほっとけないよ……」


 同情とか心配だとしても嬉しい!


「あの、スキューバのことは何もわからないけど、それでもいい?」

「もちろん! ありがとう賀井さん!」

「……陽子でいいよ」

「じゃあ私も詩衣しいで! よろしくね! 陽子ちゃん!」

「うん、よろしく、詩衣ちゃん!」


 こうしてスキューバ部の部員は二人になった!

 あと三人! 頑張るぞー!

読了ありがとうございます。


ローラー作戦だッ! 無駄無駄無駄ッ!

なお一人確保できた模様。


次話もよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] ふっ! ようやくわたしの『世界(ザ・ワールド)』に入門者が来たか! だが、入門したてでわたしに勝てるとおもっているのか? むにゃ! むにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむにゃむに…
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