だいきゅうわ 「見ツケタ」
出だしに違和感あるかもしれませんが、
だいはちわを作ってからしばらくしての作品です。
「・・・久しぶりやな・・・。」
「ええ、・・・久しぶりっすね・・・?」
「あ~、
ウチが主役の話はいつから止まったままやったっけ?」
「す、すいません、自分もよく・・・、
あ! あのぉ、う、梅八クンはどうなったんで・・・?」
「梅八か・・・!?
かわいそうやが仕方あらへん、
いちいち、死んだモンの家族に気ぃ使っとったら、
最恐のゴスロリ少女は名乗れん、そやろ?」
「あ、ええ、姐さんが気にしてらっしゃらなければ、
それでいいんですけど・・・。」
「あれから、もう3つの村をあとにしとるんや、
さぁ、次いくで?
今晩はこのお屋敷やぁ! 」
二人は目の前の大きな塀を見上げます。
どれぐらい大きなお屋敷なのでしょう、
端が見えません。
「今回のエモノはお武家はんのようやなぁ、
気ぃしめてかからんと・・・!」
「わかりました!
陽動は任せといてください!
おいら達のコンビは無敵ですよ!!」
「頼むでぇ~、いぬぅ!」
夜になりました。
うわぉぉぉぉぉぉん・・・!
いぬが遠吠えをかまします。
景気付けなのか、
仕事開始の合図なのかはわかりませんが、
一応、儀式のようなものなのでしょう。
すでに、
うりぃはお屋敷の中に忍び込んでおり・・・、
いぬは敢えて、暴れて騒ぎを起こして、
お屋敷の人間の注意を引いています。
・・・今回の標的は、
このお屋敷の主人のようです。
廊下には蝋燭の明かりすらなく、
そこには暗闇と静寂しか存在しません・・・。
遠くからは、
いぬが起こす騒ぎの声が聞こえてきますが、
そんな騒音は、
すでにうりぃの殺人領域からは別世界のものとなっています。
ギシッ・・・ ギシッ・・・
廊下の角を曲がると、
・・・そこから先は庭に面した廊下で、
外の月明かりが薄く障子から差し込んでいます。
目的の主の部屋は、このすぐ先なのでしょう、
うりぃの右手が、草刈り鎌を握りしめます・・・。
「・・・お?」
廊下の途中、
壁のくぼみにごっつい姿の鎧兜が鎮座しているのを、
うりぃは見つけました。
「売ったらナンボになるかなぁ?」
それだけ呟くと、
うりぃは更に廊下の次の角を曲がり、
いよいよ主の部屋の前に辿り着いたのです・・・。
・・・その時・・・
鎧兜の目が・・・怪しく光を放ち始めたのを・・・
うりぃは気づかないでおりました・・・。
次回、メインストーリーらしく分量が倍になります。
そして鎧兜の名前も発覚。