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緒沢タケル編16 神々の王ゼウス 最終局面

昨日間違って二話まとめて投稿したような・・・。


本日投稿し直しです、

すいません。



普段のタケルが、その化け物じみた筋力をフルに発揮すれば、

100メートル以上離れたサルペドンの場所まで届いたかもしれない。

だが今や、タケルのカラダでは剣を30メートル吹っ飛ばすのでギリギリだろう。

コントロールだって滅茶苦茶だ!

 「おい、タケル、そんな無茶だっ・・・ 」


酒田さんの声が耳に入るが、返事をする余裕などあるわけもないっ!

タケルの狙いはここからだっ!


筋力は発揮できないが、サイキック能力は普通に使える。

そのヘロヘロの投げた剣を、念動力でどんどん加速させ、

それこそ弾丸並みのスピードにまで達した天叢雲剣は、

地べたに倒れこんでいるサルペドンの元へ!!


 ドガァッ!!


 ・・・それは全ての人間の目に映っていた・・・。


タケルの投じた天叢雲剣は、

なんとサルペドンの前方5メートル付近の岩場に、硬く突き刺さっていたのである・・・。


まさかサルペドンに天叢雲剣を使わせようと!?

だが今のサルペドンでは、

その場所まで剣を取りに行くことすら不可能なのではないだろうか?

勿論、首を上げることは出来なくても、

タケルの叫び声や、視界の片隅に天叢雲剣が存在していることはサルペドンも認知できた。

だが・・・今の彼には、そこまでの距離があまりにも遠い・・・!


いったい・・・。


戦場・・・そして傍観者たち・・・、

それら全てがタケルの真意を測りかねていた。

ゼウスやピュロス兵たちは、タケルのサイキック能力を知らない。

故にタケルがここまで剣を届かせたパワーそのものを驚異に感じる。

もっとも、ゼウスが警戒すべきは、サルペドンがその剣を手に入れられるかどうか!


逆に!


サルペドンは短いギリギリの時間の中で思考した。

 何故? タケルはこんなにも遠くに剣を飛ばしたのだっ!?

 今のアイツなら、もっと・・・オレの傍に・・・


当のタケルは天叢雲剣を投げつけた態勢のまま、

あまりの激痛に顔を歪めながら固まっている・・・。

だが、彼の心中は、もはやサルペドンの反応のみに傾けられている。

 サルペドン! 気づいてくれ!!


サルペドンは・・・、

一度だけタケルのほうに視線を送ると、

すぐに首を戻し、

無様とも言われかねない哀れな仕草で、天叢雲剣に向かって這いずり始めた。

その隙にゼウスは雷を落としても良かったのかもしれない。


だが、避雷針の役目を果たすものが増えた、というならば、

ゼウスは別の行動を取る必要があるだろう。

彼は・・・その巨体にありながら、

隼をも思わせる驚異的なスピードで行動を起こしたのである!


 「ああっ!

 アイツ剣を横取りするつもりだっ!?」

悲鳴を上げるような声でミィナが騒ぐ。


どちらが先だっ!?

地べたを這いずるサルペドンか、それとも上空から急降下するゼウスか・・・!

みるみるその差は詰まっていくも、

その天叢雲剣の柄を握り締めるは・・・!



瞬間!

剣の周辺の大地から噴き上がる超高熱の水柱っ!!

地面に激突するかとも思われたゼウスの姿に重なる!!

そしてその水圧を失い、大地に落ちる熱湯は、

そのままサルペドンの頭上にも降り注ぐ・・・!


いったい・・・この十数秒の間に・・・

どれだけの思惑が交錯したのか・・・。


サルペドンは自らの腕が届かないと見るや、

自分の身も省みずに、熱泉を呼び込んだのである。

そしてゼウスが天叢雲剣を掴むその一瞬にかけて勝負を狙ったのだ・・・!

スサの仲間達も、ピュロス兵も予想だにできなかっただろう。

もう、彼らには結果を見届けるだけしか出来ることはない。


そして、その残酷なる結果とは・・・。


 

上空には未だ君臨するゼウスの姿!

その右腕にはあの!

雷を呼び起こす伝説の神剣天叢雲剣!!


付け加えるならば・・・、

ゼウスの左足が完全にびしょ濡れだ。

今もその足から大量のしずくが、遥か下の地面にまで滴り落ちている・・・。

足元はまたもや水ぶくれに腫れ上がっているに違いない。


それでも・・・、

ゼウスは最後の高笑いを・・・。

 「フッ、・・・お互い同じ事を考えたようだなっ!

 これが・・・これがっ!

 我らの同胞を打ち破ってきた地上の恐るべき神具、天叢雲剣とやらかっ!?

 聞いているぞ?

 持ち主の精神力を雷に換えて、放電するのだそうだなっ!

 なるほど、

 確かに、私と同等の精神エネルギーを有する貴様が、この剣を使うというのなら、

 その威力たるや驚異的なものとなるだろう・・・。」


そこでゼウスはさらに声を張り上げた。

 「そして!

 万一、貴様が取りにいけなくても!

 私が掠め取るその一瞬を狙えば、逆転のチャンスはあった!

 確かにそうだったな・・・。

 惜しい・・・あまりにも惜しいっ!

 ポセイドン、貴様の最後の牙は私の足を掠めただけだ!!

 ふ・・・ふふふ!

 そしてこの事態をどう見る?

 感じる・・・感じるぞ、この剣に宿る恐ろしいまでの霊力を!!

 天を支配するこの私がっ!

 今! この剣の力でさらに増幅する精神力を発揮するならば!!

 どれほどの・・・

 この私ですら震え上がるほどの威力を生み出すに違いない!!

 ポセイドンよ!

 そして地上のポセイドンの子孫とやらよ!!

 残念だったな・・・!

 賭けは・・・お前たちの負けだっ!!」


後書き昨日何書いたっけ?


次回決着で良かったんだっけか。


天叢雲剣のその後も書いたような?

あっ、そうそう、

天叢雲剣の特性がありましたね。


そして、

月の天使シリス編では天叢雲剣は登場しないとも。

代りに雷属性に変化した「紋章」が、

その効果を放ち始めると。

従ってフラア編でランディが手にするのは、

ルドラの鎧と紋章のみとなるわけです。



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