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緒沢タケル編16 神々の王ゼウス ゼウス降臨

ぶっくま、ありがとうございます!


各編ごと、主人公ごとにテイストは違うかもしれませんが、

長編お読みいただき感謝です!

 

みんなの視線はサルペドンに向けられる。

タケルやミィナ、マリアに酒田・・・、

彼らは皆、サルペドンが戦闘の最前線に就く姿を初めて見るばかりか、

相手は敵の首魁ゼウスときて、

誰もがサルペドンの勝利する姿を想像できなかったのだ。


まだ傷だらけとは言え、タケルが出て行ったほうが勝ち目があるのでは?

ほぼ全員がそんな考えに陥っていたのだ。

そんな不安を吹き飛ばす為に、

サルペドンはあらかじめ考えていた段取りを実行する。

 「クリシュナ、グログロンガ・・・!

 頼んでいたものを・・・。」


二人の幹部が呼ばれて持ってきたもの・・・、

それは絶縁素材を組み込んだブーツと手袋・・・、

そして2本の槍だ。

重量を軽減するため、柄の部分は木製だが、

穂先と石突の部分を金属でしつらえてある。

これはもしや・・・。

 

 「そう、ヘファイストスやハデスと一緒だ。

 ゼウスの雷撃を防ぐ為にな・・・。」


なるほど、天叢雲剣の弱点を暴かれたのを、逆に利用しようというわけか。

それはいいのだが、タケルは同じ雷撃系の使い手として、計り知れない不安に襲われる・・・。

 こんなもの・・・、

 オレ以上の威力を持っているっつうゼウスを相手に通じるのか?

 気休め程度にしかならないんじゃ・・・。


不安げなタケルの視線をサルペドンは気づいたようだ。

タケルに近づいたかと思うと、

他の誰にも聞こえないような小さな声で、タケルの耳もとでポツリとつぶやいたのだ。

 「・・・黙っていてくれよ、

 これは長い間、お前たちを欺き続けた償いでもある。

 それでも・・・お前たちだけは無事に地上に帰してみせるからな・・・!」


 「サルペドン、おい・・!」

そのままサルペドンは、タケルの呼び止める声に足を止めもせず、

ゆっくりと、硬い意志の元、一歩ずつ決戦の地に向けて歩み始めたのだ・・・。

 

 

すり鉢状の崖をサルペドンは滑るように下ってゆく・・・。

考えてみればサルペドンは高齢だ。

長命のオリオン神群といえど、地上の人間に換算したら、実年齢は50歳過ぎになるのだろうか?

元々、戦いは互いの精神力を使うものとは言え、

サルペドンのカラダにはかなりの負担がかかるはずだ。


いや、それはゼウスも同条件とは思うのだが・・・。



次第に、サルペドンの姿が小さくなってゆく。

その間アンピメデスたちは、周りの地面に何本もの丸太を打ちつけて、

その後、太いロープで自分たちを繋ぎ始めた。

 「もしよろしければあなた方もどうですか?

 ポセイドン様の力に巻き込まれたら、立っていることもできなくなりますぞ?」


一応、アンピメデスは敵方となる。

だが、罠や策略をめぐらせているようにはとても見えない。

タケルは当然とも言うべき質問を投げた。

 「なぁ、アンピメデスさん、

 あんたの見立てでは、この勝負・・・。」

 

アンピメデスは落ち着いて首を振る。

 「ゼウス様が遅れを取ることは有り得ませんな・・・。

 あなた方には残念ですが・・・。」

 「だからアンピメデスさんらはそこまで落ち着いていられるのか?」

 「いかにも、その通りです。

 むしろ、我々は別の意味で心配をしています。

 あなた方は本当に、ポセイドン様の能力で、ゼウス様に勝ち目があるとでも思ってらっしゃるのか?」


 「パワーは互角とあいつは言っていたが・・・。」

 「ええ、それはその通りかもしれません。

 ですがお二人の能力は明確に上下関係を作り上げています。

 いえ・・・私の言葉などより・・・実際を見たほうが早いでしょう。

 おおお、御覧なさい、

 向こうの崖から・・・ゼウス様がやって来られるようですぞ!?」


 どこに!?

タケルたちが一斉にサルペドンの反対側のほうを振り向くも、

向こう側には誰もいない。

 ・・・せいぜい二羽の鷲が向こうの空から・・・


 えっ!?

 こっちに向かってくるっ!?

 


それはあっという間にやってきたっ!

 ケーッ!!

二羽の鷲は、すり鉢状のくぼ地に沿って飛行していたかと思ったら、

そのまま急上昇し、タケルたちの頭上に鋭い爪を立てかねないような勢いで過ぎ去っていく。

いきなりだったので、誰も応戦する体勢すら取れなかった。

次に来たら天叢雲剣を浴びせてやろうか?

そう身構えていたが、もう二羽の鷲は襲ってこない・・・。

くぼ地に戻って、またもや上空を旋回していたかと思うと、

すぐにタケルたちとは反対側のほうへ戻って・・・


 あ!?

 人がいる!!


二羽の鷲が向かう先には、一人の巨大な男が立っている。

遠目にはなるが、対面するサルペドンと比べあまりにもでかい・・・!

サルペドンの身長は180を超えていたはず・・・。

ならばその人物は2メートルは・・・。

この距離と角度で正確な大きさはわからないが、

恐らくタケルと同じぐらいの体格を有している人物・・・。

いや、その肉のつき方はタケル以上だ。

頭部に月桂樹の冠を飾り、幾重にも編まれた豪奢なマント・・・、

純金で加工された鎖帷子のような物も着込んでいるのか?


その男が右腕を差し出し左肘をあげると、

それぞれに、先ほどの鷲がブワササササとけたたましい音を立てて着地した。


 あいつが・・・

 あの男が、オリオン神群最高権力者! 

 神々の王ゼウス!!



ついに、最後の戦いが始まる時がやってきた。

サルペドンはサングラスを取り、

懐かしくも因縁の相手に、そのたった一つの眼光を鋭く叩きつけている。

対するゼウスは、

「何か用か?」とでも言いそうな程の上から目線で、

かつての同胞に涼やかな視線を返していたのである・・・。


 






いよいよ最後の戦いです。


大体一年半毎日更新し続けて150万字くらいで終わりでしょうかね。


それで、ここらでバラすかな。

この物語はもうすぐ終わりですが、

異世界スピンオフ的な物語を書き溜め続けていました。

ざっと現在30万字くらいまで溜まってるかな。

今の作品は現世界の話なので、ジャンルをローファンタジーにしてますが、

異世界編はハイファンタジーに登録します。


ある程度ストーリーは頭の中にあるのですが、完結するかどうかはやってみないと分かりません。


登場人物は、

こっちの世界から何人か出ます。

名前しか登場しなかった人も出ます。


斐山優一くんや加藤さん、

百合子ママや、フラアちゃんのその後が、

もしかしたら明らかになるかもしれません。

直接登場することはありませんが。


主人公はこっちの世界から、皆さんに馴染みやすい人を選んでいます。

ではまた。

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