表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
613/676

緒沢タケル編15 混沌たるカオス テレキネシス


そしてここは神殿の最下層・・・

タケルとカオスが対峙する地下室・・・。

敵の能力がわからない以上、後手に回るのは愚策だ。

相手の戦う意志さえ確認できれば十分っ!

 「後悔するなよ?

 戦うなら手加減しねーぞっ!?」


だが・・・カオスの余裕の笑みに変化はない。

軽く手を差し出してタケルを招く。

 「どうぞぉ?

 キミの力を見せてよ、タケル君。」


 ・・・舐めやがって!


カオスの位置まではかなりの距離があるが、

いまやタケルの精神力はオリオン神群に一歩も引けを取らないっ!!

 「叫べ、いかづちっ!!」


強烈な電撃が地下室の空間を滑空するっ!

その刃は瞬きする間もなく、

豪華なマントを纏ったカオスという青年のカラダを・・・


 「あああっ!?」


その驚声をあげたのは他ならぬタケルであった。

結果を見れば、

天叢雲剣の目も眩むような雷光が収まった時に、

その地下室に金属物の物体が落下する音が響いただけ・・・。


男は無事だ・・・、

その余裕のある笑みは相変わらず・・・。

 何が起こった?

 ・・・床に転がっているのは2~3本の槍・・・。

 この部屋にあったものか・・・。

 ってことは、

 ヘファイストスやハデスが行ったように金属物を避雷針に?


突然、カオスは高らかに笑い出しやがった。

 「アッハッハッハッハ!

 いつまでそんな弱点だらけの技を使うんだぁ?

 確かにその雷の威力・攻撃速度は避けがたいものがあるなぁ?

 でも、わざわざそんな遠くから振りかぶって放つなんて、

 避けるタイミングを教えてくれるようなもんだぜぇ?」


 「ぐっ!?」


確かにこれまで同じ手で敗れてきた・・・。

だが、今、

この男はどういう手段で槍を宙に放り投げたというのだ!?

何がどうなっているのか、さっぱりわからないっ?

 「お・・・お前の能力は・・・

 い、いったいっ!?」


余りにも馬鹿げた質問だったかもしれない、

敵にわざわざそんな事を教える者などいないだろう。

だが意外にも、

プラチナブロンドを煌かせたカオスは、何の躊躇いも見せずにタケルの質問に答えてくれた。

 「アハハ、わからない?

 そんな驚くなよ、

 別に大した能力じゃない。

 っていうか、オレの能力はオリオン神群と比べても最低最弱の部類だぜ?

 天候や雷を扱うこともできないし、地震だって起こせるもんか、

 アテナのような堅固な精神障壁も作れない、

 気持ち悪い死霊なんか呼び出せるかよ?

 ま、せいぜいアルテミスのように弓矢を操作するぐらいはできるが、

 いっぺんにあんな沢山操れるわけないしなぁ?

 でもな・・・

 キミを殺すだけだったら、そんな大層な力は要らないんだ・・・。

 おっと、いけない、

 『キミは殺すな』と言われているんだっけ・・・。」


 軽そうなヤツとは思ったが、ホントにこいつは口が回る・・・。

 それにしても最低最弱の部類だと?

 それでよく・・・オレに


その瞬間タケルの後頭部に激痛がっ!?

 「グォっ!?」


すぐにタケルの足元にレンガの破片らしきものが砕け落ちた・・・。

周りに誰もいない・・・!

タケルの石頭でダメージはさほどないが・・・、

 でも痛ェェェェッ!!

 ど、どうやって・・・。


そしてタケルは信じられないものを目撃する。

先ほど天叢雲剣の雷撃を受けた槍が、

今、タケルに穂先を向けて宙に浮かんでいるではないか!?


 これは・・・この能力はっ!


 「なっ? 大したことないだろ?

 ただの観念能力・・・テレキネシスってヤツさ!」


タケルが驚く暇も与えず、眼前の槍が独りでに動き出すっ!

 「危ねぇっ!?」

恐ろしいことに、槍はタケルの頭上に浮かんだかと思うと、

獣が襲い掛かるがごとく、その穂先がタケルの顔面に飛び込んでくる!!

剣で受け止めるのは至難の角度だ、

ギリギリでカラダをよじって避ける。

そのまま、槍は冷たい床に突き刺さった・・・。


 「テ・・・テレキネシス・・・っ!?」


カオスは嬉しそうに拍手し始めた。

こいつは遊んでいるつもりなのか?

 「いやぁ、素晴らしい、いい反射神経だ。

 でも判るだろ?

 オレにあるのはこの程度の力さ・・・。

 そして人を殺すには、その程度で十分ってことなんだけどさぁ。」


 ふざけやがって・・・。

 「うぉぉぉおおおっ!!」

床に刺さっている槍を尻目にタケルは猛烈なダッシュでカオスに近づく。

何かを飛ばす能力なら、

接近戦に持ち込めば・・・!

 

カオスはキョトンとした顔つきで、タケルの接近に驚くだけ、

ここでタケルの渾身の一撃を・・・!

だが・・・

タケルの天叢雲剣は、このプラチナブロンドの青年に届くことはない。

 「ああっ!?」


天叢雲剣がカオスの手前20センチ程で止まってしまったのだ。

カオスの身長は175センチ程度か、

彼は巨体のタケルの顔を見上げながら、

ニヤニヤ笑いながら指を左右に振る。

 「あのさぁ・・・、

 自分が上から落ちてきて、なんで無事だったか覚えてないのぉ?

 アテナ程の強度はないけど、オレもサイコバリヤー使えるんだよな、

 まぁでも凄ぇよ、

 オレは自分の手前50センチほどで止めるつもりだったんだけど、

 ここまで押し込まれちまうんだ?

 確かにおっそろしいパワーだよなぁ?」


 

次回もカオス戯れます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRoid版メリーさん幻夢バージョン
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ