緒沢タケル編6 オリオン神群編序章 その名はミィナ
ページ下部にメリーさん画像載せてみました。
VRoid幻夢バージョンです。
VRoidで作ったメリーさんとパーティーキャッスルで作った洋服や死神の鎌を、
Blenderで合体、Unityで再セットしてます。
画像は VRM LIVE VIEWERで踊ってるメリーさんを撮ったもの。
正確には「手伝う」というより、
全部タケル達がやった言うべきなのだろうが、ここはそういう突っ込みを入れる場でもない。
「ぜんぜん・・・それより気の毒だったな・・・、
もう、家族はいないのか・・・?」
「ん、・・・たった一人になっちゃった・・・、
仲良かった奴らも・・・友達もみんな、さ・・・。」
ぎこちない笑みを浮かべた表情が痛々しい・・・。
いきなり家族を失うつらさは、誰よりもタケル自身よく知っている・・・。
どうすれば彼女の心を和らげてやれるのだろうか・・・、
そんな事を考えていても、解決策などありはしない。
ただいたずらに時間が過ぎていくと・・・、
どうも、彼女は何かを訴えたいような表情も読み取れる。
だがタケルには、それが何かは分からない。
やむなくタケルが一歩踏み出し、
「ん? どうしたんだ?」
と言った直後、
タケルの腰骨に芯まで響く激痛が!!
「 ッイっだぁああああああっ!!」
少女の鋭いミドルキックが炸裂していた!!
「にっぶいヤツだなぁ!!
一人ぼっちになった女の子前にして、
仲間に誘うとか、良かったら一緒に来いとか、
気の利いたセリフ吐けねぇのかよぉッ!!」
まったく警戒していなかったため、タケルの無防備なカラダは悲鳴をあげた!
なんという重い蹴りだ!
「て・・・てぇっめぇっ・・・!!」
そして泣きそうになるタケルに、
満面の笑みを浮かべた少女・・・。
「ははっ、
族長には許可取ってきたからさ、
ダイアナの後釜も必要だろ?
あたしがあんたらについてってやるからさ!」
「ハァッ!?
お、お前夕方の話、聞いてなかったのかよっ!?
オレらはこれから戦いに行くんだぞ!!」
少女はタケルの反論など意にも留めない。
「あー?
だからさ、・・・アタシがパパやママの仇を取りに行って何の問題があるんだ!?
これでも、村で屈指の鞭使いと言われたアタシの腕は役に立つと思うよぉ!」
「鞭使い!?
お前、何もんだよ!?」
「あたしハンターなんだ、
パパは村一番の猟師だけど、
『こっち』の腕はパパも敵わないんだよぉ~♪」
そう言って、
少女は手に持っていた鞭をバチンバチン引っ張ってみせる。
・・・どうやらサドっ気でもあるのだろうか・・・、
敵に回したくはないタイプだ。
しかし、今はそんな事より、
急に降ってわいたこの問題はどうする?
これから殺し合いが始まるんだぞ?
命は保証できないなんて言ったって、
全てを失ったこの子に通じる筈もないし・・・。
そこへマリアがゆっくりとやってきた。
「私は賛成よ、
勿論彼女には、これからどんな危険に近づくのか、十分に覚悟してもらう必要があるけど・・・。
スサは騎士団との戦いで精神的にも疲弊しているわ。
彼女みたいなムードメイカーは必要だと思う。」
どうやらマリアはこの少女の本質を見抜いたようだ。
いや、
タケルだって、この少女の正体は既に理解した。
だって過去に思いあたる人間は何人かいたから・・・。
「なんで・・・オレの周りって・・・
こんな暴力的な奴ばかり・・・!」
美香姉ぇにしろ、今日子にしろ、
どうも勝気な女性ばっかり・・・。
いや、実はマリアさんだって、
物腰が柔らかいだけで、かなりの強硬派だ。
今日、それがよくわかった。
・・・なお、後日、
タケルがこのことで泣き言を吐いたら、
マリアさんは凄く納得のいく説明をしてくれた。
「だってタケルさん、
あなたの体格じゃ、普通の気の弱い女性は近寄ってこれないわ、
あなたに近づく勇気のある女の子は・・・ね?」
じゃあ、するってぇと何かい!?
オレには純情そうで大人しい・・・
思わず守ってあげたくなるような物静かな女の子は、やってこないってことかぁ!?
それはそれで、マジで悲しいことである・・・。
おっと、現実に戻らないと・・・。
タケルが腰を抑えながら周りを見回すと、みんなで自分を見てやがる。
酒田のおっさんに至ってはニヤニヤ笑ってるぞ、このスケベオヤジ!
サルペドンなんか完全にこの問題を無視だ。
またオレに決断しろってかよ・・・。
だが、確かに身寄りのない彼女をここで突き放すわけにもいかない。
手はかかりそうだがここは一つ・・・。
ぶん投げよう!!
「じゃ、じゃあ、マリアさん、
同じ女性と言うことで、
いろいろ、かのじょの世話をお願いできる?
えーっと、そういえばお前の名前って・・・。」
そこで少女は初めて見せる満面の笑みを浮かべた。
・・・ニヒヒッ!
「ミィナ!
あたしの名はミィナ!!
よっろっしっくねー!!」
以前、どこかでいきなり蹴り入れるような女の子いましたね、
その子の両親を知らずに育ったとも。
さて、彼女はどこでそんな荒業覚えたのか・・・。