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緒沢タケル編6 オリオン神群編序章 オリオン神群

説明回です。

 

 12ヶ所!?

 じゃあ、ここがその内の一つ!?


勿論サルペドンの説明にはまだ続きがある。

 「そして、じゃあ磁場が狂ってるからどうなんだ?

 という疑問もわくだろう。

 まずは今言ったように、電子機器への異常などもあるが、人体への影響もないとは言えない。

 方向感覚を狂わしたり、

 身心衰弱の人間に良からぬ影響を与えたり・・・

 例えば天叢雲剣の能力を増大させたり・・・とかな。」


 「えっ!?」

タケルは思わず左の腰の剣を見た。

そういえば、今回は意識せずに天叢雲剣が発動してしまった。

 ・・・あんなにも簡単に・・・。

村の惨劇があまりにもむごいために、つい、やり過ごしていたのだが、

落ち着いて考えれば、あんなに容易く能力を発現させたのは初めてである。

一体どういうことなのだろうか?

サルペドンは構わず話を続ける。

 


 「精神力を原動力として発動させるエネルギーというものは、精神状態以外にも様々な要因に影響されるんだ。

 音や匂いや空気でも、気分が高揚したり、逆に陰鬱な気分になることがあるだろう。

 何となくでも私の言っている事が分かるか?

 ただ、電磁場の狂いそのものは人間の意識には感知できない・・・。

 それが厄介なのだがな・・・。

 まぁ、それは余談だ。

 さっきの磁場の話だが、その乱れはどこから来るのか、それも現代の科学では不明だ。

 地球の成り立ちそのものに起因しているのかもしれない。

 それで、その点はこの話と無関係かどうかは置いとくとしても、磁場の乱れとともに、この村にもう一つ存在するのがその洞窟だ。

 洞窟があることによって磁場が乱れているのか、それとも磁場の乱れが洞窟を創り出したのか、それすらもわからないが・・・

 

 だがこっちの話はもう、わかるだろう・・・

 コイツらはそこからやってきた・・・。

 その洞窟の先にある世界から。」

 



全員が全員、

サルペドンの荒唐無稽な話に、しばらく言葉が出ない。

マリアが、静かに家の照明をつけ始めた後、

タケルがようやく、サルペドンの奇妙な表現に気が付いた。 

 「・・・世界・・・て?

  なんだ、そりゃ・・・異次元空間でも広がってるってのか?」


サルペドンは一度ため息をつく・・・。

自分自身、これから語る内容の整理でもつけたいのであろうか?

 「・・・異次元空間か、

 ふむ、・・・ある意味そういった表現が理解しやすいのかもな・・・。

 まぁ、だがそんな大したもんじゃないが・・・、

 私たちが住んでいるこの大地の下に、広大な空間があるらしい・・・。

 地底世界とでも言えばいいのかな・・・。

 この村の西にある洞窟はそこと繋がっている。」

 「地底世界!?」


そしてサルペドンは自らの姿勢を正す。

これから語る内容も大仰なるものになるのだろう。

 


 「・・・言いかえれば・・・、

 我々が伝えてきた、過去の伝説に近いものをこいつらも持っている・・・。

 遠い大昔・・・、この地上に栄えていた王国に悲劇があり、

 彼らはその土地を追われ、西へと逃げ延びた・・・。

 その時、どういう手段によったか・・・

 偶然なのかわからないが、彼らの祖先は地下世界へと続く経路を発見し、

 地上の世界から、

 誰の目にも触れない・・・日の光も当たらない世界へと隠れ住んだんだ。」


そして次のクリシュナの質問は当然のものだ。

 「で・・・ではサルペドン様!

 彼らも、我らスサと同じルーツを持つ者なのですか?」


だが、そこは完全にサルペドンは否定し首を振る。

 「いや、似ているが違う。

 まず決定的に違うのは、彼らの世界観が生成されたのは、スサのそれよりも後代だ。

 といっても、かなり古い時代のものである事は間違いない。

 ・・・そして私は彼らの事を言い伝えで聞かされていた・・・。

 それこそ眉唾ものとしか思っていなかったのだが・・・。」

 


 「それは!?」

 「今から4000年前・・・

 地中海で発達した文化と繁栄を誇っていた者たち・・・、

 ミケーネ文明の末裔たちだ。」


その単語はさすがにタケルでも覚えがあるようだ。

 「ミケーネ文明?

 世界史で習った気がするぞ?」

 「そうだ、その存在自体は間違いなく実在したものだし、

 そこに疑問をはさむ余地がないが、

 歴史では、彼らの街は火災や略奪などが原因で、その文明の担い手は消失したとされている・・・。

 勿論、間接的には、

 その文明の遺産は、周辺の民族によって受け継がれていくわけだが、 

 ある一つの王国・・・文化圏そっくりそのままが、

 略奪の手から逃れるために、

 新天地を求め、地中海世界を捨て、長い旅に出た。

 そして、ついに彼らは安住の地を地底世界に発見したんだ。

 ・・・以来、彼らは地上のどの民族とも触れ合わず、

 独自の文明を築き上げてきた・・・。

 

 そして彼らは、

 自らの祖先が東からやってきたことに由来する『オリオン』という名を名乗るのだ。」

 




ここまで説明されて、

ようやくタケル達は、ある程度理解できたようだ。

 「オリオン・・・ミケーネ文明の子孫・・・

 だから古代ギリシア風の衣装と言語を使ってるのか・・・。」

 「そうだ、

 それとさっきの質問も答えるが、

 我らスサの起源はミケーネ文明より遥かに遠く、

 そこから6000年以上遡るものだ。

 それに、

 スサの礎となった、かつてのアトランティスが滅んだ話と、

 彼らオリオンの神話は全く正反対の物語を伝えている・・・。 

 彼らの世界観は古ギリシア神話の世界に甚だ近いと言えよう。

 ・・・何しろアトランティスを滅ぼした者が、オリオンでは神々の王となっているのだからな。」

 

 「じゃあオレ達スサとは無関係なのか?」

 「そう思って間違いない。

 我らスサのユニフォームに似てるのも気にしなくていい。

 実際、我々の祖先がどんな服装をしていたかなんてわかっちゃいないんだ。

 これは先々代の緒沢家当主がスサを作る時に、たまたまアトランティスのイメージに近いもの、

 という意味で、古代ギリシアの服装を参考にしただけに過ぎないのだからな。」

 


ミケーネ文明の子孫達がどこから地下世界にたどり着いたかは不明です。


少なくともこのウィグルの村の出入り口は当初、発見されていませんでしたし、

使用もされていません。

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