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緒沢タケル編5 騎士団戦最終章 戦闘終結

前回、コピペミスしたようです。

同じ部分を連続で貼ったみたい・・・ううう、恥ずかしい・・・。

重複部分削除しました。


目の前がどうなっているのか、

ランスロットの目には何も映らない・・・。


どれぐらい・・・、

いったいどれぐらいの時間が過ぎ去ったのか・・・、

ようやく彼の目が回復してくると、

先ほどまでモードレイユがいた場所に、

大きな黒こげの死体が転がっていた・・・。

今もブスブス鼻が曲がりそうな匂いと、

肉を焼き続けている嫌な音が・・・。


傍らを見ると、

緒沢タケルが地面に向かって呻いている・・・。

苦痛に耐えているというよりも、

全ての力を失い放心状態になっている、

という表現が適切なのかもしれない・・・。


 いったい今のは・・・。

 いや、聞いたことがある。

 おとぎ話かと思っていたが間違いない。


・・・これはタケルの右手にある神剣・天叢雲剣の隠された力・・・!

緒沢家歴代当主の間でも、

その力を引き出すことは至難の業と言われた伝説の力・・・。

 それをこの男が!?

 

時間が経つのも忘れて、ランスロットがタケルの顔を見つめていると、

ようやくタケルがこちらの視線に気づいたようだ。

先ほどまでの異様な気配は消えているが、

その顔つきは最初のころとまるで別人である。

その顔は、完全に戦士のものだ・・・。

タケルは体勢もほとんど変えずに、

視線だけをランスロットに向ける。

 「・・・何、見てんだよ・・・。」


 「いや、あんなものを見せられたら誰でも驚くだろう・・・?」

 「へっ、そりゃあそうだな・・・、

 何しろオレが一番驚いている・・・。」

 「初めて、発現させたのか・・・?」

 「ああ、今まで何度か試してみたが、

 ウンともスンとも言いやがらねぇ・・・。

 ようやく今回初めて・・・な。」

それであの威力だと!?

 


混乱しているのは、

どちらかと言うとランスロットの方である。

自軍・敵軍どちらにおいても、想定することすらできなかった事態に出くわしたからだ。

その為か、

先に冷静な発言をしたのはタケルと言うことになる。

 「・・・おい、ランスロット。」

 「なんだ?」

 「なんだじゃねーよ、

 ・・・どうすんだよ、この後?

 まだやるのか?」

 「・・・ああ、そうだな。

 だが、あいにくもう私は戦えそうにない・・・、

 君も同様だと思うが・・・

 今の力を使えば簡単に私を倒せないか?」

 「ふざけんな!

 ・・・てめぇは実力で倒す!

 つか・・・もう撃てねぇよ・・・!」


 「フ・・・フハハ・・・そうか、

 じゃあ、そうだな、こちらも混乱しているし、

 今日は休戦とさせてもらっていいかな・・・?」

 「・・・好きにしろ・・・。」


ランスロットは何とか立ち上がり、

よろめきながら自らのエアバイクのところまで歩く。

どうやら、エアバイクに先ほどの雷撃の影響はなさそうだ・・・。

 

あと数メートル、モードレイユに近い位置にあったら、こちらも巻き込まれていただろう。

通信スイッチをオンにする・・・。

 「・・・もしもし?

 ガラハッド、応答してくれ・・・こちらランスロット・・・。」


その間タケルは考えている・・・。

 こんなところで、

 美香姉ぇの仇を討つことができた・・・。

 やっぱり美香姉ぇの言う通りだ・・・。

 スサの仲間は、誰も美香姉ぇを裏切っちゃいなかった・・・。

 ごめんよ、美香姉ぇ・・・

 みんな疑って悪かった・・・特にサルペドン・・・、

 いや、・・・よくよく考えればやっぱりアイツも酷ぇ、謝るのはやめとこう・・・。

 それに日浦さん・・・、

 死なせたオレが言えることじゃないけれど、

 アンタを悲しませた・・・その張本人はオレが始末つけたよ・・・。

 あっちで美香姉ぇには会えたかい?

 天国なんてあるかどうかわかんないけどさ・・・、

 もし、二人一緒になれるんなら・・・

 うっ・・・



 美香姉ぇ・・・ 



そのうち、

ランスロットの会話が聞こえてきた。

 そういや、オレこの後、助かるんかな?


 「・・・ガラハッドか、

 直ちに全部隊に通達してくれ・・・。

 作戦は終了、カッサンドラ部隊及びアケローン部隊撤収!

 同時にスサのサルペドンにもお前から連絡してほしい。

 ・・・詳しい話は後だ。

 現在、そちらから2時の方向、2300メートル地点で、

 このランスロットと緒沢タケルが行動不能状態に陥っている。

 両者とも直ちに救護を要する。

 ・・・そうだ、休戦だ。

 それからアケローン部隊が戻ったら、

 次官を拘束しておけ。

 ・・・拘束だ。

 アケローン部隊指揮官モードレイユの重大な裏切り行為があったんだ。

 今はそれだけだ、

 すぐに命令を実行しろ・・・!」

 


それだけ言うと、

わざわざ、ランスロットはタケルの近くまで戻ってきた。

タケルは力なく、首を起こす。

 「なんだ?

 オレのことも連絡してくれたの?」

 「休戦なら、条件はフェアでないとな、

 だが、こちらは次の作戦が立ち次第、すぐに行動を起こす。

 別に感謝される筋合いもない・・・。」


 なんだ、コイツ・・・いい奴じゃん・・・

 てか微妙にツンデレ?

と言いつつ、こんな状況で、そんな事に反応する自分にも呆れている。

出血が激しいせいか意識も朦朧としてきた。

  間に合うのかぁ・・・。


だが、そう言う時に限って周りの観察は注意深くできるものだ。

ランスロットの目が微妙に潤んでいることに気づく。

 「・・・なんだ? ランスロット・・・、

 おめー、泣いてんの?」

 


 

しばらく彼は反応しなかったが、

・・・やがて、ポツリポツリと口を開いた・・・。

 「・・・情けないんだ・・・。

 あれだけ高い志を誇り・・・

 自らを罪深き存在と認めつつも・・・、

 それでも、我らは高潔なる意志のもとに行動を起こしたと思っていたのに・・・、

 自分たちの仲間でさえも、あんな・・・。」


 「・・・・・・。」

 「タケル君、どちらが先に迎えに来るかわからんが・・・、

 それまで私の話を聞いてくれないか・・・。」


別に断る理由はない・・・。

これまでタケルは、騎士団側の声は日浦の主張しか聞いたことはない。

ここで本部長、ランスロットの話を聞いてみるのも悪くないだろう。


 「・・・ああ、気を失うまでで良かったら聞いてやるよ・・・。」

ランスロットは静かに笑った・・・。

 

 

 「私の生まれた場所は工業地帯が近くにあってね・・・、

 そのせいか、空気が汚れていた・・・。

 今では健康な体を取り戻すことができたが、

 子供のころは喘息やらアレルギーやらで、

 学校にも満足に行けない事もあった。」

 「・・・へぇ? 想像できねーな・・・。」

 「そうか、

 それで、幸い家は裕福だった。

 別荘もあったしね・・・。

 十分な治療態勢だったと思う、

 その治療の一環で、空気や川の奇麗な田舎で過ごすことも多かったんだ・・・。

 当時は、子ども時代の私と同じぐらい大きい愛犬もいてね、

 一緒に野山を駆けずり回ったよ・・・、

 楽しかった・・・。」

 「犬か、いいな、楽しそうだ・・・。」

 「・・・ところが、ある年・・・、

 そのシーズン初めて別荘に行った時、異変があったんだ・・・。」

 


次回はランスロットの過去回想シーンです。



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