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フラア・ネフティス編3 ネフティス家の団欒

評価いただきました!!

ありがとうこざいます!!


VRoid Hub でフラア公開中です。

良かったら見に行ってあげてください。

タグ検索なので「メリーさん」で探してみてください。



前もどこかで言ったかもしれませんが、

エジプトの女神の名前と、ネフティス家には何の関係もありません。


フラアの語呂に合いそうな名前探してきただけです。


物語中の、月の天使シリスが、

エジプトのオシリスとかイシスに名前が似てるせいも多少はありますが、

基本的に全くの無関係と思ってください。


・・・しかし父親には野望もあった。

今や、息子のピエリが修行の成果を上げ始めている。

ものによっては彼に任せていいものもある。

そして何と言っても、

成長したフラアが店に立てば、それだけでお客がつくだろう。

自分の娘に自作のアクセサリーを身につけさせ、自分と息子で品物を作る。

販売は母親に任せれば十分だ。

そうすれば、この街で繁盛間違いなし!


・・・まぁ、酔っぱらいながらそんな夢を見ているわけだ。

 


四人の家族は、毎晩、同じテーブルで、

くだらないことで盛り上がったり、

時には子供たちの行儀の悪さを叱りつつも、仲良く暮らしてきた。

どこの一般家庭でもあるように、

奥様連中の井戸端会議では「ウチの息子がねぇ・・・」などと、

ありきたりの悩みもあるが、

他人から見れば十分に温かく幸せそうな家庭だ。

だからこそフラアのような、明るく笑顔の絶えない娘が育つのだろう。


ただ、そういった家庭環境を考慮に入れても、

この街でフラアの注目度は群を抜いていた。

取り立てて何が優れている・・・というわけでもないのだが、

気がつくと集団の真ん中にいるのだ。

ほっといても誰かが寄ってくる。

それだけ彼女には、

何かしら「オーラ」のようなものが漂っていたのかもしれない。

 

 

 「・・・ふわぁあ・・・

 じゃあ、オレは寝るよ・・・

 父さん、母さん、フラア・・・お休みぃ~・・・。」


このウィグルの習慣ではそう珍しくもないが、

年頃の息子がいると、家の広さにもよるが、母屋ではなくハナレで寝かせる家庭が多かった。

年の近い異性の姉妹がいればなおさらである。

元々この家の間取りは、

装身具を売る店の部分が通りに面し、

その奥がダイニング・・・、

二階が各寝室・・・そしてこのネフティス家では、

ハナレに工房を構えており、

その奥にある部屋を、ピエリの寝所として使用していたのである。

これはフラアが15歳を過ぎてからのことだ。

勿論、ピエリには、

朝から晩まで、いつでも修行ができるようにという配慮が、

最もメインの理由である。


 さぁ、ピエリ、一人前になるまで泣き言ぬかすなぁ!

 

こういう慣習は慣習として、

この家庭では、親子のコミュニケーションは良好だ。

一人でハナレに向かう息子に母親も気遣いを見せる。

 「フラア、悪いけど、

 昼間干してた毛布、ピエリのところに持ってってやってくれない?

 どうせ、あの子、酔っぱらって寝ると、

 布団剥いじゃうかもしれないけど・・・。」


勿論、素直なフラアはそれに異を唱えるような事もない。

 「おーけー、お茶の子さいさい、ちゃーめーしーごーとー♪」

とふざけて母親の求めにおちゃらける。


 「なぁに、最後のは?

 日常茶飯事のこと?

 使い方も読みもデタラメねぇ、もう、この子は・・・。」

二人は笑いながらそれぞれの仕事に取り掛かる。

フラアは畳んだ毛布を目と鼻の先の工房に持ってった。

 

 あ~あ、お兄ちゃん、もう寝てるわ・・・。

 

兄の部屋は小汚く散らかっている。

窓からの薄明かりの中で、

だらしなく口を開けて、グースカ寝ている兄のマヌケ面がわかる。

フラアはクスッと笑って、

そっと、毛布をかけてやった。

どうせ祭りが終わった明日からは、

また朝から晩まで働きづめになるのだ。

今日はゆっくり寝かせてやろう。

フラアは静かに兄の部屋を後にした・・・。


・・・とまぁ、

大体、この家の概況を掴んでいただけたであろうか?

毎日、同じような生活を繰り返していたこのネフティス家に、

この戴冠式の日を境に転機が訪れる。


最初は小さな違和感・・・、

それがやがて、だんだん歯車は狂い始め、

ついに大きな過ちが起きてしまうのだ・・・。

それはそう遠くない先のこと・・・。

 




平和・・・?

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