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フラア・ネフティス編2 混乱


ツナヒロの言葉に力はない・・・。


たった2~3ヶ月宇宙空間を旅しただけで、

400年の歳月が過ぎ去っている!?

そんな馬鹿な!!


ツナヒロは考えられる全ての可能性を探ってみた。

・・・だが、それに応える明確な回答などあるはずもない。

この村の者たちが、

自分を担いでいるのでなければ・・・、

まさか

あの時の・・・


 あの時・・・レーダーに映っていた光源は?

 自分たちの船を襲った衝撃波・・・、

 宇宙船の大部分の機能と、

 自分たちの意識を失っていたあの時間・・・


あの時に何が起こったのだ・・・、

だがいったい、

どんな現象が起きればこんな・・・

 

その間、

神父と兵士が小声でいろいろ囁き合っている。

時折、ツナヒロの様子を確かめながらのようだが、

そろそろ頃合いと踏んだのだろうか、

神父は咳払いをして、ツナヒロに語りかけた。

 「・・・ツナヒロさん、

 私も・・・兵士たちも・・・もちろんあなた 信じられないですが・・・

 あなたは・・・。」


ツナヒロは拳を思いっきり机に叩きつけた!!

 「嘘だ!! でたらめだ!!

 ここが400年後の世界だと!?

 タチの悪い冗談だ!!

 ・・・さっさとオレ達をアメリカに帰してくれ!!

 仲間が死んだんだ!

 ドナルドの怪我はどうなってる!!

 おい、お前ら! 絶対ここを・・・!」

 

 

激昂するツナヒロを兵士たちが取り囲んだ!

あっという間に机の上に組み伏せられてしまう。

 もうどうにでもしろ!


ツナヒロは、

何か訴えるような視線を神父に向けるが、

神父もどうしてよいやらわからず、うろたえるばかり。

兵士のリーダーらしき男は、

ツナヒロに手枷をつけて拘束させてしまう。

再びツナヒロは牢へ閉じ込められることとなった・・・。


彼はひとり、牢の壁にもたれかけて、

力なくうなだれる・・・。

ドナルドに何て言えばいい・・・、

モートンの亡骸をどこに埋めてやればいいんだ・・・。


考えがまとまらない・・・

いや、その気力すらない・・・。


するとそこへ、

先ほどの神父が水差しを持って再びやってきた。

 「・・・ツナヒロさん。」

 

 

ツナヒロは、

ゆっくり神父と視線をあわせる。

 「さ・・・先ほどは興奮してすみません・・・。」

 「いいえ、あなたの言う、

 本当なら誰でも正気でいられない・・・

 わかります。」

 「神父様、お願いが・・・。」

 「はい?」

 「海岸に仲間の遺体があります。

 細かい宗派は知りませんが、

 彼はクリスチャンです。

 弔っていただけないでしょうか・・・。」


神父は小さく十字を切った・・・。

 「かしこまりました、

 さっそく兵士たちにかけあってみましょう。」

 「ただ・・・

 あの船の扉を開くのはオレしかできません・・・、

 なのでどちらにしてもここを出してもらわないと・・・。」

 「落ち着かれましたか・・・?」

 「ええ、暴れたりはしません、

 第一、ここから逃げ出しても行くところがありませんし・・・。」


それまで聞くと、

神父は再び兵士のところへ行き、彼らと交渉するという。

どうやら、明日の朝一番で、

一度、お偉いさんが承認してくれれば大丈夫なようだ。

・・・なら、今夜はおとなしくこの部屋で過ごした方がいいだろう・・・。

 

興奮した熱も冷めたのか、

周りの空気が冷たくなっていることに気づく。

この辺りも夜は冷え込むらしい。

ぶっきらぼうな兵士たちは、何枚か毛布を持ってきてくれた。

愛想は悪いが細かい気の気配りはしてくれるようだ。

ツナヒロはぎこちなく笑って礼を言うと、

言葉が通じなくても兵士は手をあげて応えてくれる。

純朴そうな兵士だ。

この村の漁民にしても、神父にしても、

落ち着いて考えれば、

自分たちに良くしてくれているのは、十分わかる。


 自分はこのあとどうなるんだろう・・・?

 アメリカに戻ることができなければ、

 自分のルーツの日本にすら行く事もできないのであろうか?

 明日、もう一度、あの本を借りてみようか・・・。

そんな事を考えつつ、

いつしかツナヒロは眠りについた・・・。

 






すいません、キリが悪いので短めです。


次回はドナルドの容体が・・・。


あと、自分で書いててなんですが、

このツナヒロのプロローグはさくっと終らせる予定でしたので、

余計な描写とか無しに、サクサク話を進めています。

書いてるうちに、

これいくらでも話膨らませそうなんだけどと思いつつも、

泣く泣く文章をカットしている状況です。


いつまで経っても主人公が出てこれない・・・。


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