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フラア・ネフティス編2 上陸 

 

取り敢えず、この場でやれる事はやった。

宇宙船の外側で何か変化が起きるまで、しばらく様子を見るしかない。


 「・・・ツナヒロ、

 ここはどの辺りだと思う?」

 「北半球・・・

 着水場所は肉眼でしか判断できないが、

 東南アジア・・・いや、東シナ海か沖縄付近だと思う・・・。

 もっと先に進むべきだったんだろうが、

 肉眼だけで操縦するのだとさすがにな・・・。」

 「沖縄か、

 ・・・だったらステーツの基地があるよな?

 うまくそこにたどり着けたらいいな?」

 「うまくいけばな・・・、

 これが中国領海内だと面倒だぞ・・・?」


当然のことながら、

宇宙船内で経過している時刻と、

地上のこの場所の時刻に相関関係はない。

太陽の高さや照り具合からいって、

今は昼前ぐらいなのだろうか?

二人は、モートンの遺体をベッドまで運び、

落ち着いたところで、残りの宇宙食を食べることにした。

まぁ、食料もまだ余裕あるし、

宇宙空間で漂流することを考えれば、

地球の海の上で流されることなど、

怖くもなんともない。

 

少し落ち着きながら、

船外カメラで辺りを観察していたドナルドが目を細める・・・。

 「おっ!?」

 「・・・どうした、ドナルド?」

 「船だ!」

 「マジか!?

 って、レーダーには何の反応もないぞ?」

 「そりゃそうだろう、小さな漁船だ!」


ツナヒロもモニター画面を注視する。

確かに小さな船だ・・・。

エンジンも積んでないんじゃないか?

 「後ろにもいる・・・

 2~3隻の・・・民間人の漁船だろうな・・・。

 おっと、他にもいるようだ・・・、

 どうする?」

 「どうするってなぁ・・・しかし、

 どっかの国の海軍とか沿岸警備隊とかじゃなくて、

 民間人の船かぁ・・・、

 とりあえず、交渉してみるか・・・。」

 


その小船たちは、

すぐさま、この波に浮かぶ宇宙船の頭部に集まってきた。

船上には、

日に焼けた体つきの男たちが何人も見える。


 「・・・ありゃ、アジア系ですなぁ・・・、

 でも日本人じゃなさそうだ。」

 「ツナヒロ、中国語は?」

 「ニィハオしか知らん・・・

 あと、シェイシェイか。

 ・・・面倒だなぁ・・・。」


ツナヒロは船外ハッチを操作する。

多少、時間がかかるが、

周りの船もフォーチュナーに近付くのにそんなに早く集まれるわけでもないので、

タイミング的にはちょうどいいのだろう。

彼らは、

「様子をうかがっているのか」一定以上の距離には近づいてこない。


良し開いた!

機械的なハッチの開く音とともにツナヒロが顔を出した。

 「は、ハロー? ニィハオ?

 こんちわぁ~♪」


精一杯の笑顔をふりまいて挨拶するツナヒロ。

漁民達は一斉に腰を抜かせてしまったようだ。

ツナヒロに挨拶しかえせた者など誰もいない。

みんな大騒ぎで狼狽しまくっている。


 (そんなに驚かなくてもいいじゃねーかよ・・・、

 て、誰も英語すらしゃべれねーのか?)

彼らが落ち着くのを待ってから、

ツナヒロは必死で意思疎通を図ろうとした。 

身振り手振り、もう何でもいい。

 「あー、電話! 連絡! お偉いさん!

 オレら、あんたらの来た方向!

 港! 戻りたい!」


理想を言えば、ヘリで迎えに来てもらいたいか、

牽引船で引っ張ってって欲しいわけだが、

それを彼らに理解できるのか?

その気になれば、

今、海に浮かんでるロケット頭頂部にも勿論、非常用に推力はある。

再度、エンジン点火して突き進むこともできるのだが、

勢いがありすぎて、

周りの船を巻き込んでしまう恐れもあるので、

ここまで来たらやるべきではない。

しばらく漁船員たちは、

仲間同士で喚き散らしていたが、

数人の若い者たちが魚取り用の網を持ってきた。


・・・まさか、あれで。


そのうち幾艘もの船が、

ためらいながらも協力してくれるようになったようだ。

宇宙船フォーチュナーは網で絡めまくられることとなる。

まぁ、一艘の船じゃかなりつらいことだろう、

これでなんとか陸地には戻れそうだ。

ツナヒロは、

精いっぱいに歓喜の表情を浮かべ謝意を示す。

・・・ようやく陸地だぁ!!

 


この船団が陸地に着いたのは、

陽が落ち始めてからだ。

午後4時かそこいらだろう。

陸地につくと、

ツナヒロとドナルドは飛び跳ねながらその砂浜に降り立った!


 「帰ってきた・・・

 帰ってきたんだなぁ、オレ達!」

ツナヒロは船員たちに、

お礼の意味を込めて、宇宙食のパックを配る。

自分も袋を開けながら、

食いものであることをみんなに理解させた。

船員たちは不思議そうに顔を近づけ、

匂いを確かめながら、口に頬張った。

・・・まぁ、味は大したことはないが、

腹にはたまるし、

他に何もあげれるものもないし・・・。

彼らは、顔をしかめるものや、

頷きながら喜んで食べる者様々だが、

ツナヒロたちのお礼であることは理解できたようだ。

一同に笑顔が生ずる。

そこで今度は次の課題。

彼らに、

英語が喋れる者・役人に相当する者と連絡を取ってほしいと理解させること、

これをどうすればよいのか?

 

とりあえず、

ノートンの亡骸が眠るフォーチュナーのハッチをロックして、

ツナヒロとドナルドは、

彼ら漁民の村へと招かれた・・・。


 「・・・なぁ、ツナヒロ?」

 「ん? なんだ?」

 「英語を喋れるものがいないのはいいとして・・・。」

 「ああ。」

 「これまで、街灯や電気設備を一切見てないぞ?

 ここは本当に東南アジアなのか?

 漁船の人たちの服装などを見ても、

 別に取り立てて貧しいようにも見えない。

 いったいどこなんだ?」

 「それはオレも気になっていた。

 気候自体は温暖だし、秘境にも見えないな・・・。

 周りの植物を見ろよ・・・?

 普通の亜熱帯に属するフェニックスだろ?

 ・・・まさか、どっかの自然回帰派の宗教施設のプライベートビーチとか・・・?」 

 「それならそれで楽しそうだな、

 ノートンのことがなければハメを外して騒ぎたいところだ。」


彼らが10分ほど、防風林の中を歩き続けているうちに、

前方より数人のざわめき声が聞こえてきた。

どうやら、自分たちを迎えにきた村人か?


だが・・・

林のカーブを曲がった時に出くわした一団・・・、

それはツナヒロにもドナルドにも信じがたい者たちが現れたのである。

 「なっ! なんだぁっ!?」


兵士である。

それも軍服を着た兵士などではない。

鎧と槍を装備した、

現代社会では見た事も聞いたこともない装備の兵隊である。

数は5~6人だが、

この現代にあり得ない格好をした兵隊たち、

そしてまた彼らも、宇宙服に身を包んだツナヒロ達を見て、

仰天しつつ槍を構えたのである。

 

次回は、英語話せる人がついに登場。

あ、もちろん、皆様には日本語に訳して表記いたしますよ?


私が英語使えないわけじゃありませんからね?

皆様のためを思っての事ですからねっ!?


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