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フラア・ネフティス編1 忍び寄る危機

今朝がたスマホで一時間で271ページも読まれた方が?

嬉しいけど、無理はなさらずに〜!

 

ロゼッタは寝返りを打ちながらニヤニヤ笑う。

 「だーかーら、仕事は仕事、

 プライベートはプライベート!

 わけようぜ?

 あんまり張り詰めていると、

 いつか、プツンと切れちまう。

 何事も適当が一番だよ・・・。」

 「適当すぎるぞ・・・。」


そのままロゼッタは目をつぶってしまった。

ホントに好きにしてくれとでも言うのかっ?

しばらくランディは、

ロゼッタの寝顔を見ていたが、

諦めて自分も毛布の中にもぐりこむ。


・・・ロゼッタの体温と心臓の音が聞こえる・・・。

しばらくためらっていたランディだったが、

誘惑に負けて手を伸ばしていた・・・。

 待ってました!

と、言わんばかりにロゼッタが体の向きを変える。

自然な流れでランディは、

自分の腕をロゼッタの頭の下に差し入れた・・・。

 


 

一方、ロゼッタは、

その柔らかい太ももをランディの足にこすりつける。

 「ウフフ・・・。」

 「ウフフじゃねーだろう・・・、

 こっから先はやんないからな・・・!

 ダメッたらダメ!!」


 「ハイハイ、これだけでも十分だよ・・・。」

 「だったらおかしな動きすんなよ?

 頼むから大人しくこのまま眠ってくれ・・・。」


 「しょーがないなぁ?

  だったら、後で、この・・・

 元気な坊やを慰めてあげよーか?」

ロゼッタの指がランディの下腹部に・・・。


 「アッ! だから、やめろってーの!

 追い出すぞ!!」

 「アッハッハハハ、ゴメンゴメン。」

 「・・・全く・・・。」

 

 

そのまま二人は静かになった。

ロゼッタは目をつぶっている。

ランディ自らの性欲はともかく・・・、

こうやって自分の腕の中に、

女性の安らかな寝顔を見るのは悪くない。


 間違いなく、

 彼女もこうやって自分が守っているんだ・・・。


実際、稼ぎは彼女たちがカラダを張っているから食えているのだが、

その彼女たちにした所で、

男の自分がしきらなければ、

安全に仕事が出来るわけもない。

そんな事はわかりきっている。

もう、お互いがいない生活など考える事もできない。


しばらくそのままでいると、

思い出したかのようにロゼッタが目を開いた。

 「・・・なんだよ?

 ずっと人の寝顔、見てたの?」

 「ん? ああ・・・、

 かわいいな、って思って・・・。」


 「ぷっ、何、いきなり・・・

 アタシの方が年上だよ?」

 「まぁ、そりゃそーだけど、

 かわいく思えたものは仕方ないだろう?」


 「ははっ、

 ・・・はぁ~あ、実はねランディ・・・。」

 「ん?」

 

 「一応、みんなで協定は作ってあるんだぜ?

 ランディに手を出さないって・・・。」

 「はぁ!?

 じゃ、この状況は何!?」


 「あたし、まだ『手』を出してないじゃん。」

 「・・・そんなセリフがとーるのかよ・・・。」


 「んっへっへ・・・! でもさ、

 アンタにははっきり言っときたかったんだ・・・。」


ランディには、

彼女の雰囲気が少し変わったことに気が付いた。

おふざけでロゼッタがここにきたわけではないらしい・・・。


 「あ・・・な、なんだ?」

 「なーんかさ、

 普段やみんなのいる前では言い出しづらくてさ、

 あんただって恥ずかしがり屋だろ?

 アタシは・・・いや、

 アタシ達は、ランディ、

 みんなアンタに感謝してる・・・。

 ありがとう・・・。」

 

 「な、・・・なんだよ、いきなり・・・。」

 「みんなさ、

 ・・・ここに来た経緯や、

 ここで働く決断をした女は、

 考え方や性格は様々だけど、

 今はみんな、胸を張って生きている・・・。

 レィチェルはまだ・・・この仕事が出来ないし、

 正直、彼女が内心、

 私達の事をどう思ってるかわからないけど・・・、

 ここがなけりゃ、

 彼女もローリエも生きていけないことぐらいわかってる・・・。

 アンタがいなけりゃ、

 アタシ達もみんなもっとひどい境遇だったろうさ・・・。」


 「なに、言ってる・・・。

 ロゼッタくらいなら、

 そこいらの領主の妾くらいにはなれるだろう?」

 「だけど、そこには自由がない・・・。

 それにこんな時代だ、

 いつまたイルに全てを奪われるか、

 わかったもんじゃない・・・。

 お金や贅沢な暮らしなんて・・・

 この国じゃ無意味さ・・・。」

 

ランディは、

自らの出自について思いを巡らす。

 「そうかもな・・・

 オレのご先祖さんなんて、

 国に命を懸けて尽くしても、悲惨な末路を辿っちまったようだしな・・・。

 いや、国王も兵隊たちも、よくやってるとは思うんだけどよ・・・。」


 「エア王がいなかったら、

 アルヒズリどころか、この街も存在してないかもね・・・。」

 「そうだな、

 ・・・そうなったら、どうする?

 東のウィグルにでも逃げるか?」


 「それもありだねぇ・・・。

 でも、レィチェルに長旅は無理だね・・・。」

 「・・・そうだよな、

 オレはそれより・・・ローリエ・・・。

 あの子をどうするかが・・・。」


 「みんなで散々話し合ったけど結論はでなかったじゃん?

 アタシ達は元々、

 男を知らなかったわけじゃないし、

 未亡人もいる・・・。

 でも、あんな幼いうちからこの館に住まわせて・・・。

 まだあの子には、

 ここがどういう事をする場所なのか、

 教えていい歳じゃないよ・・・。」

 

 「オレもそう思うけどなぁ、

 だけど実際、

 レイチェルみたいにカラダが弱くコブつきだと・・・、

 どっかの妾や後妻になるのも難しいぜ、

 確かに・・・。」


それがあるから、

レイチェルがこの館の住人にしてほしい、

と頼み込んできた時、

全員が快諾できなかった。

レイチェルが男を取れるカラダでないことに、

口に出して不平を言う者はいなかったが、

大なり小なり他の女性は不公平を感じていた。

だが、ロゼッタ始め殆どの者は、

それ以上に幼いローリエの行く末を案じていたのだ。


 「まぁ、どっちにしても、

 もうちょっと先になってからだね・・・。」

 「ああ、時間が解決するかもしれないしな・・・。

 だけど、この館にいる以上は・・・

 絶対にオレが守ってやる・・・!

 お前達もローリエ達もだ。」

 


 

彼らには・・・

いや、彼らに責任を負わすのは元々酷な事なのかもしれない・・・。

この国の現状は、

力弱き者が安心して暮らすことを許さない状況にあったからだ。

この街クエタはアリヒズリの東南に位置し、

北方からやってくるイルの戦火に遭う事はない。

だが、やはり、

年貢・税金・徴兵・・・様々な負担が民の生活を圧迫している。

未来に希望を持てる人間など、

多いなどと決して言えるものではない・・・。


・・・だが、

戦火に縁のない筈のこの街、クエタにも・・・、

ついに、凶悪な災厄が舞い降りる時がやってきたのである・・・。


その晩、

クエタを見下ろせる小高い丘に、

荒々しい防具や弓矢を装備した騎馬の一団が、

下品な笑い声を上げて、

これから蹂躙されるであろう哀れな街並みを品定めしていたのだ・・・。

 




今になって読み返してみると、


ロゼッタの発言はフラグ立ててしまった事になるのだろうか。

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