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月の天使シリス編3 もう一人の使徒

ぶっくま、ありがとうございます!!


えー、

みなさん・・・、

加藤恵子です。

長々と話が進んでまいりまして・・・

こんな長丁場になるなんて・・・。

もう少しでこの章は終わります。

最後にクラス風景の一コマのあと、

次の登場人物の人たちに舞台を譲ります!

それではみなさん、シーユーアゲン!!




 ガヤガヤ、ガヤ・・・。

ゴールデンウィークを目前に控えたこのクラス・・・。

斐山優一は、

相変わらず他の生徒達と積極的に関わろうとはしていないが、

たまに彼に用がある者たちに声をかけられても、

特に不快な態度を見せることもなく応じるようになっていた。

・・・もちろん、高校生にありがちな、

くだらないギャグやノリにはついてゆくはずもない。

 


お昼休み、

午後の授業が始まる手前、

優一は、

既に彼の武勇伝を聞きつけている他の生徒から声をかけられた。

名前は覚えなくてもいいが、飛鳥クンという。

この後も少し、登場するが重要人物ではない。

鮎川クンより背の高い・・・

かといってスポーツマンというには少し微妙な格闘技オタクらしい。


 「な、なぁ、斐山・・・。」

優一は、

そのグレーの髪を一度梳いて、頭をあげる。

 「ん? 何か用か・・・?」

 「あ、いや、鮎川に聞いたんだけど、

 斐山すごく強いんだって?

 ケンカで負けたこととかないのか?」

 「・・・そんなもんを聞いてどうしようってんだ?」


やはり空気は重いようだ・・・、

見かねて隣のエリナがフォローを入れる。

 「でも、こないだ、

 ホント凄かったですよ、優一さん、

 どこかで訓練したとかじゃないんですよね?」

 「・・・ああ、子供の頃、

 武器の使い方を教えてくれたやつがいたが、

 それもほんの数日間だけ・・・、

 で、飛鳥、お前の用は?」

 「あ、や、これ見てくれよ・・・!」

 


彼が手にしていたのは、その手のマニアックな月刊誌・・・、

『月刊格闘技通信』?


 「なんだ、こりゃ?」

 「あ、斐山、

 今まで中学じゃ無敗って聞いてたけど、

 中には格闘技とかやってるヤツだっていたと思うんだ、

 そいつらにも負けたことがないんなら、

 こーいうのはどうかと思って・・・。」

 「空手や中国拳法やってるヤツはいたな、

 勿論、オレの相手にはならなかった・・・、で?」

飛鳥クンは、

そのまま雑誌をペラペラめくって、一件の特集記事を広げて見せた。


 タイトルは、

「新星!! 弱冠15歳!!

山東の白い鷹!北京武術大会5冠果たす!!」

「八極拳・形意拳・少林拳・鷹爪拳など数々の流派をマスター!」

「師はあの伝説の拳法家・『山東の虎』李袞りこん!!」など・・・。


そこには若い少年が、

試合場で活躍する姿をこれでもかこれでもかと、

写している写真が何枚もあった。

飛鳥クンが見せたいのはこれらしい。

 「こいつ、オレらと同世代なんだけど、

 こないだ中国全土から集まる大会に、

 大人の部に参加して堂々優勝しちまったんだよ!

 体格もそんなに大きいわけじゃないし、

 もし、斐山みたいな奴と戦ったらどっちが強いのかなぁっ、

 って思ってさ!」

 


一度、その問いに冷静に考えてみたが、

優一はすぐにバカバカしくなった。

 「バカ言うなよ、

 ・・・試合じゃ勝てっこないさ・・・、

 だが、何でもアリのストリートファイトならどうだろうな?

 ま、こんなものに興味はない、

 別にオレは格闘家を目指してるわけじゃないんだ・・・。」


そして優一は、席を立ってトイレにでも行こうかと思ったが、

その時、ふっとあることに気づいたのである・・・。

 (山東の白い『鷹』!?)


そしてもう一度、

雑誌の写真でなるべく顔が鮮明に映っている物は・・・。

 この顔・・・どこかで・・・?


優一の類まれな能力は、

一度会った人間を忘れることはない。

それに中国人の知り合いなど限られている・・・。

それで思い出せないということは、他人の空似か何かなのだろうか?

そして同時に彼は思い出していた。

鷹・・・その先・・・狼、龍、鬼または巨人・・・、

それは「四人の使徒」を象徴する動物の一つ。

果たしてそれが偶然なのか、

それともこの雑誌の少年が関係者なのか・・・、

この時、優一はこの件を深く記憶することとなる。

そして、

次章の主人公は・・・この中国の少年、

 「山東の白い鷹・・・朱武!!」

 


斐山優一の物語はひとまず終了です。

一応、続きというか、

この後、九頭竜一族から一人の男が優一にちょっかいかけにやってきます。

優一が使徒の一人かどうかについて、その判断は一時的に保留となりますが、


最終的には九頭竜一族との全面戦争となります。


そして優一はエリナと共に、日本を離れ、生まれ故郷の中央アジア奥地の村へ・・・。


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