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第四十一話 ひとまずお終い

 

・・・また、

光景が変わる・・・。

暗闇の中に一人の男の人が佇んでいる。


この人は?

凄く背が高い、金髪の人・・・


あ・・・

わかる・・・

顔や体つきは違っても・・・

この人は・・・


レッスルお爺ちゃんや、

昨日あたし達を助けてくれた大きいお兄さんと同じ「匂い」がする・・・。

誰かに語りかけている・・・。

これは未来の光景だ。

 

 「・・・私の運命を教えようか・・・?

 天空の神々が恐れているのは、

 私の『未来を見通す力』・・・

 そして人間の『心』・・・。

 だが、私の命も残り少ない・・・。

 ああ? 寿命と言う意味ではないぞ。

 

 いずれ人間は進化し・・・

 その父親の力も追い抜くであろう。

 父親とは・・・!?

 そう、

 『人間を創り上げた』私のことだ・・・!


 ギリシア神話を知ってるかね?

 天空を支配していたウラヌスという神は、

 その息子クロノスに、

 そのクロノスは更にその息子、ゼウスに取って代わられる・・・。

 いま、天空を支配しているのは、

 ま、名前なんか人間が勝手につけたものだが・・・、

 ゼウスとしておこうか。

 そのゼウスもやがて、自らが行った血塗られた行為の対価を支払う時がやってくる。


 そして同様に、

 私もその親殺しの連鎖からは逃れられない・・・!

 遠い過去において、

 自らの似姿である人間を造った私は・・・!

 自分の育て上げた愛しい人間達に殺されるのさ・・・

 永久にね・・・。

 生き返ることも復活することもない完全な死・・・。

 それが、

 私の・・・運命・・・。」

 


嘘・・・。

この人は・・・

私たちリーリトの生みの親・・・。

まさか・・・?

今の言葉は・・・

どういうことなの・・・?




あ!

場面がまた・・・。

また綺麗な女の人・・・、

でも最初に見た人とは違う・・・

綺麗な黒髪と、ダークグレーの瞳・・・

どこかの王女様みたいな・・・時々甲冑に身を包んで・・。

? どうしたの? 磔にされてる・・・!?

あ・・・足元に火がつけられた・・・

焼かれる?

火炙りにされてる・・・!?

 


どうして?

この女の人が何をしたの?

魔女? イブ? この人が!?

やめて!

夢の中なのに、

肉が炙られ、焼かれてゆく臭いが津波のように襲ってくる!

女の人の苦悶に喘ぐ形相から目を背けることがでいないっ!

もうやめて!!

その人を殺さないでッ!!


そう、

わかってる、

これはあたしが夢で見ている光景。

あたしが干渉できることなんか何もない。

せめて、

あたしがこれらの一連の光景を見て、

何かの意味を見出せる事を信じたい。

でも、これらは全てあたしのいる時代じゃない。

もしかしたら世界そのものが違うのかもしれない。

あたしがいない世界の光景だというなら、

それは予知夢ではないのではないだろうか?

ではいったい、この夢は・・・誰が何の目的で見せているというのだろう。




・・・男の人が苦しんでる・・・

彫りの深い・・・

髪の毛は白髪が多い・・・。

まだ若そうなのに・・・。

さっきの火炙りにされた女の人のことで苦しんでるの?

 


どうして・・・

自分で・・・

自分で彼女を殺しておいて?

あなたは彼女を売ったんでしょう?

・・・何故かそれがわかる・・・。


アダム?

「後から全てを知る者」エピメテウス?

さっきっから、なに?

何なの!?

頭に誰かの言葉が流れ込んでくる・・・。

声だけじゃなく姿を見せなさいっ!!




あなたは・・・

あなたは誰なのっ!?

 


あれは・・・

あなたは・・・

「人形」メリー・・・

ママ・・・?

違う・・・

ママじゃない・・・。

人形メリーだけど、ママじゃない・・・。

といっても麻里ちゃんでも絵美里ちゃんでもない・・・。

また、誰か別の人が入ったの?

あなたは・・・一体!?



 「私は・・・見届ける者、

 運命の鎖から弾かれてしまった者・・・、

 夢を見ている可愛い子・・・、

 あなたは私と同じ時代にいるのかしら?

 それとも過去の世界にいる子?

 それとも・・・

 遠い未来から、私たちの世界を覗いているの?

 私がヒトの姿をしていた時の事を視れるのね・・・。」

 

ねぇ!

どうしてあなたはその人形に住んでるの?

ママはどこにいったの?


 「ねぇ、遠い世界の可愛い子、

 教えてくれないかしら?

 私が犯したことは罪だったの?

 それとも私は何もできなかったの?

 私は二人の幸せを願ったのかしら?

 それとも二人の破滅を望んだのかしら?

 外から視たあなたなら、・・・それを答えられる?」


知らないよ!!

これだけじゃ何が何だかわからない!

それより答えてよ!

あなたは誰なの!?

ママは・・・!


あ・・・

薄くなってく・・・

消える・・・!?

夢から醒めていく・・・。

ねぇ、あなたは・・・

あなたは誰なのっ!

メリーっ!!

 




・・・

・・・

てな感じで、

ずーっとおかしな夢、見てたのね。

あたしの場合、

ただの夢か、そうでないのかは、

もう経験上わかるんだ。

でも、少なくとも、

うなされながら視たこの光景は、

近い未来に起きる予知夢でないのは確実みたいだし・・・。

とりあえず忘れちゃってもいいのかもしれません。

今は、あの、

リジーボーデンの濁った怨念が、

誰か他の人か、

一度でもその中身を視ちゃったあたしに変な影響を与えないか、

それを心配するだけです。


・・・そう言えば、あの「少年」が、

『覗きすぎると奥底に引きずりこまれる』って言ったのは、

あーいうことだったんだ・・・。

だいじょぶかな・・・。

 

 

あ、あと少年で思い出したけど、

レッスルお爺ちゃんの事は、あとで教えてもらいました。

ご丁寧にテレパシーで頭の中に、

そのやりとりを送ってきました。

・・・でもいきなり頭の中に送ってくるなんて、

これってプライバシーの侵害とか、

個人情報保護法に反しないのかしら?


・・・すいません、じょうだんです・・・。

では、そろそろ、お別れの時間です。

この後、どんな事件が起きるかは(あたしはこりごりです)、

作者さんに任せます。

何かイメージがあるらしいんだけど、

あたしは当分パスです。

では、みなさん、さようなら、

お元気でいてくださいね、ばいばーい!!


      ・・・麻衣。

 



「物語」はひとまずお終いです。


次回はキャッスルオブメリー!

楽屋落ちですよ!!


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