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第四十話 「麻衣からみなさんへ!」

ここから先のお話は、

各主要キャラの予告編と思っていただければ。

 

 みなさん・・・

 みなさん、はじめまして! 麻衣です!

・・・あ、はじめましてじゃないのかな?

ま、いっか・・・。

物語はこれで終わりです。

長い間、読んでいただいてありがとうございました。

一まず、あたしたちもお休みいたします。


え?

この後また、何か事件が起きるんじゃないかって?

何かやな予感がする?

うーん、今のところ、

あたしの予知夢にはひっかかってこないなぁ・・・、

でも・・・、

昨日、ずーっと夢でうなされてたんだけど、

あれは予知夢だったのかなぁ・・・

過去に起きた出来事を透視したのか、

不思議な夢を見たんです。

 

遠い・・・遠い世界の出来事・・・、

すごく綺麗な女の人が出てきて、

どことなく・・・

お人形さん、メリーに似ていたわ・・・。

そばには、

これまた古めかしい衣装に身を包んだ長身の髭を生やした男の人・・・。

渋めのナイスミドル!


二人は恋人同士なのか、

ちょっとロマンチックな雰囲気だった・・・。

あたしが見た景色は、目に映るものをそのまま受け入れるだけしかできないから、

そこにどんな事情や背景があるのかは全くわからない。

でも、二人は何かから逃げていた。

何か、大きなものに逆らおうとしていた・・・そんなイメージ。

そして二人は目的を達したのか、それとも達せなかったのか、

それすらあたしには分からない。

分かったことは、二人が永遠に閉ざされた暗い森に閉じ込められてしまったこと。

それでも二人は手を取り合ったままだった。


本当に・・・あなた達はそれで良かったの?

誰かがその呪いを解いてくれる日が来ると・・・そんな望みがでもあるとでも言うの?


まるで映画のワンシーンでも見てるような気がした。

そう、まさにそんな感覚。


二人の物語はきっとそこで終わり。

あたしがそれを見たという事は、何かあたしにも関係があるということなのかしら?

今見ていた景色が暗くなっていく。




しばらくすると再び場面が明るくなっていった。

これまでとは全く別の・・・時代、世界?

あれ・・・この人・・・あいつだ!



そう、あいつが出てきたの!

「少年」!

今、考えてみると変なの。

アイツのことは、

あたしの能力じゃ「視れない」はずなのに・・・。

これはもしかしたら、

誰か他の人が視た映像が・・・

あたしの夢に流れ込んできただけなのかも・・・。

あ、それで、

あたしの夢にでてきた少年は、

あたし達が現実で会った彼とは、少し様子が違ってて、

・・・なんか、どっかの偉い人みたいな服装・・・

白い法衣みたいなのを纏ってた・・・。


まわりは戦争してた・・・。

今みたいな機関銃とかじゃなくて、

古い時代の?

槍とか弓とか・・・、

あ、でも大砲がある・・・。

いつの時代なんだろ?

 

それで、

「そこ」は戦場を見渡せる小高い丘、

草むらには「少年」と・・・誰だろう、

腰に剣を差した白人の将校みたいな人がいる・・・、

どこかで会ったかな?

いや、誰かに似てる・・・?

外人さんの知り合いなんて・・・

マーゴお姉さんに似てるのかしら?

二人は言い合い・・・っていうか、

一方的に将校の人が興奮してる・・・。

「母さん」?

「母さん」て聞こえたような・・・。

この人の母親のことで揉めているのだろうか?

将校の人は怒鳴ったり・・・

悲しそうな顔になったり・・・。


相変わらず少年は冷静だけど、

あたしたちに会ったときみたいに、

嫌味っぽい態度は見せない・・・。

すごく静かだ・・・。


 あ!

将校の人が短剣を抜いて!

そのまま「少年」に向かってゆく!

危ないっ!


・・・えっ?

・・・刺された・・・。

少年が刺された!?

 


どうして!?

あの人の力なら簡単に避けられただろうに・・・。


・・・一番戸惑ってるのは、

刺した人だ・・・。

あの将校みたいな人も、

こんな簡単に「少年」を刺せるなんて考えなかったんだろう。


でも、まだ・・・

驚いたまま動けないでいる将校の人に向かって、「少年」はゆっくりと近づく。

お腹を刺されたダメージは本物なのか、足取りはすごく重い。


将校の人にとても大事なことを伝える必要があった?

いったい何を・・・

「少年」が何か将校の人の耳元に語りかけている・・・。

なにか、とんでもないことを話したの?

途端に将校の人は、大声を叫びながらその場から逃げ出したわ・・・。


泣きながら、

全てを放り出すかのように・・・、

まるで父親に叱られた子供みたいに・・・。


あ!

急に・・・

その時、空から強烈な光が降り注いだ。


・・・消えた・・・

将校の人は、光に包まれた瞬間、

地上から消えた・・・蒸発しちゃった・・・。


「少年」は!?

・・・お腹から血を出してうずくまってる・・・。

 

ほんとに刺されていたっていうの!?

ん? 声・・・

聞こえる、少年の声・・・。


 「○○○○(人の名前? さっきの人?)、

 ・・・人間とは 弱い生き物だな、

 私が人間だった時の・・・

 私の心が・・・○○(女の人の名前?)の

 ・・・お前の心の弱さが、

 こんな戦争を起こしたようなものだ・・・。

 何故、『アイツ』は・・・

 『人間』に・・・『こんなもの』を・・・

 『心』を与えたのだろうな・・・?

 天使である私に すら・・・影響を・・・。」



・・・薄くなる・・・。

「少年」の姿がどんどん透けていって。

あ・・・、

消えた。

いなくなっちゃった・・・、

まさか・・・死ん・・・じゃった、の・・・?

 

天使が?



・・・あ、世界がまた暗く・・・。




私の物語にはメリーさんを除いて3人の主人公がいます。

一人目が緒沢タケル。

二人目が「少年」です。


今回、麻衣ちゃんが見た夢は、

「少年」が主人公となる世界で、

彼のエピローグに相当する場面です。


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