表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
202/676

第三十七話 歌

ぶっくま、増えてる!!

応援ありがとうございます!


3Dアバター作成

vroid studio

vワールド

凄すぎる・・・。


まだ女子校生しか作れないのが痛いけども。

そのうち公開しますね。

 

 「ま、麻衣!

 具合はどうなんだっ? ・・・

 できればパパがついていてあげたいんだけど・・・!」


翌日、昼前に父親の伊藤が帰ってきたが、

麻衣は熱を出して寝込んでいた。

顔が真っ赤だが、

大騒ぎするほどでもない。

今はつらいけど、

一日寝ればたぶん、楽になるだろう・・・


 「・・・うー、いーよー、

 ・・・麻里ちゃんたちいるし、

 だいじょぶー・・・」

 「そ、そうか、本来ならこのまま休みなんけど、

 ロンドンで同時多発テロが起きたんで、

 部外者のオレまで刈りだれることになっちゃったんだ・・・。」

 「あたしなら、へーき、

 だから、会社・・・行ってぇ、」


 そう言われると余計ここに残りたくなる。

 会社、さぼっちゃおうか?

 どうせ、非常勤だ。

 麻衣もそろそろ、思春期のせいか、

 リーリトの性質のせいか、

 最近そっけない態度の方が多い。

 ・・・ここらで父親の愛を再確認させないと・・・。

 

そこへ麻里が、

濡れた手ぬぐいを取替えにやってきた。

 「パパさん?

 看病は女性同士のほうがいいわ。

 携帯ももらったんだし、

 何かあったら病院に連れてくし、

 パパさんにも連絡するわよ?」

 「そ、そうか、しかしだな・・・。」


手ぬぐいを取り替えた後、

麻里は落ち着かない伊藤の眼前ににじりよった。

 「あたしたち、・・・って、

 麻衣ちゃんやパパさんの・・・なぁーに?」

麻里はいたずらっぽく伊藤に詰め寄る。

伊藤は一瞬戸惑いながらハッとする。

 「エエッ?

 ・・・そりゃお前たちは

 ・・・いや、おれ達は・・・家族だ!」

その言葉に、

体の中で会話を聞いていた絵美里は、

伊藤に抱きつきたくなったが、

さすがにそれは百合子に悪い、

麻里は絵美里を制止する。

 ”でもあたしも気持ちは一緒よ、エミリー。”

麻里は伊藤の腕だけ掴んで、

嬉しそうに微笑んだ。

 「なら、あたし達に任せて?

 いってらっしゃい、あたし達のパパ!」


もう、ここまで言われたら何も言えない。

布団の中で麻衣も満足げな様子だし・・・。

 「わかった!

 任せるぞ、麻里、絵美里!

 麻衣はゆっくり眠るんだ!

 じゃあ行って来ます!」

 

 

そして伊藤は家を出た。

昨晩・・・、

麻衣たちがとんでもない目に遭ったことなど知りもせず・・・、

近くに最愛の百合子が現われた事にも気付かないまま。

もう、

・・・彼ら家族が再会することはないのだろうか・・・。


昨晩、スティーブが麻衣たちを運んだ後、

取り残された「死神の鎌」は、

すでに百合子が回収していた。

すぐにまた、

「これ」を使うときが来る気がして・・・。

すでに百合子は、

娘・麻衣からこぼれ出たリジー・ボーデンの怨念を感じ取っていた。

 

怨念と言っても、

麻衣がヤギ声の男に対して使った「取り憑く」という表現は正確ではない。

「取り憑く」或いは「憑依」なら、

麻衣に容易く看破できたはずなのだ。


リジー・ボーデンの放つ怨念は、

同調し易い他人の精神に感染し、

またその人間の歪んだ愛情欲求を暴走させてしまうだけで、怨念自体に意志も人格もない。


つまり、今回の原因となった怨念は、

その性質上、

レディ メリーのボディを動かす種類の念ではないということだ。


もっとも、

相手が肉体を持った人間でないのなら、

人形を動かすのに、

多大なエネルギーを使うまでもないのだが・・・。


いや、この話は、

悪霊リジー・ボーデンと対峙する事になるとしたら・・・、

と仮定した場合の話だ。


もし、その時が来るとしたら、

このアラベスク文様の「死神の鎌」で、

彼女の怨念を切り裂く事ができるのだろうか・・・。

今は・・・いや、まだいい、

今は事の成り行きを、

ただ、見守ろう・・・。

 




再び、伊藤宅、

麻衣は熱のために意識が朦朧としていて、

眠っているのか起きているのかよくわからない状態だった・・・。


麻里も、

ずっとそばにいても仕方ないので、

廊下や部屋の掃除をしている。

時々、麻衣の部屋を開けて、

様子を何度も窺いながら・・・。


麻里は今、

麻衣の部屋の扉を、廊下側からきれいに拭いていた。

その時、彼女の耳に、

誰か女の子の声が聞こえてきたような気がした・・・。


 あら? 誰か何か歌ってる?

 麻衣ちゃんかな?




  ・・・いとーまいちゃん、

  包丁手にして、まりちゃんを

  42回とめったざし

  自分の犯した過ちに

  我に返ったまいちゃんは

  愛しいパパを

  なんと43回めったづき

 


麻里の耳には、

その歌のセリフはよく聞き取れなかった、

麻衣の部屋の扉を開ける・・・。

 「・・・麻衣ちゃん?

 いま、何かしゃべってた?」

 「んん・・・?

 んーん、何も・・・言ってないよ、

 麻里ちゃん・・・。」

 「・・・そう?

 何かして欲しいことがあったら言ってね?」

 「んー、今は眠るよ・・・。」

 「そうね、それがいいわ、

 ゆっくり眠ってね・・・、おやすみ。」

 「んー・・・。」


そしてこの人たちは・・・。

 



 

 「ハァーイ、ちょっとお時間、よろしいデスかぁ?

 あなたハァ神を信じマスかぁ?」

・・・スティーブは今日も布教活動に余念がない。

神に仕える宣教師として、

真面目にナンパ・・・いや、女性中心に声をかけている。

・・・どうも「少年」のお墨付きをもらったらしい。

お墨付きと言うか、

「少年」にとってはどうでもいい事なので、スティーブが何を懺悔しようが知ったこっちゃない。

「私は肉の罪を犯しマシたぁ」と言われても、

適当に「いいんじゃない?」

と答えていただけなんだけど・・・。


・・・ただこういう場合はスティーブも慌てる・・・。

 「・・・げ。」と、口を横一文字に開いて、デリヘルメリー今日子登場。

 「あ、メ、メメメメリーさん!」

 「・・・おー、朝から頑張ってるねェ、スティーブ、

 ・・・でも、随分ケバいねーちゃんに声かけてねーか?」

 「そそそそ、そんな事はありまセン! 

 ただ、あの人から怪しげなオーラを感じて!!」

 「あー、あたしも感じるわ、

 ありゃー、あたしの同業者だよ、

 ・・・そぉかー、そういうことかぁ?」

 


 「待って下サイ! 違いマス!

 誤解なんデスっ!!」

 「いいって、いいって、おまえも男だもんな?

 しょせん男なんてそんなもんだもんよ・・・?」

 「そんな! 私はメリーさん一筋デス! 本当! 信じてくだサァ~い!!」

 「そっかー?

 じゃあ、今晩指名、よろしくな!!」

 「・・・え、あ、あ、あ、あの、

 今月はもう・・・懐が・・・

 ちょっと寂シイ、かなー、なんて・・・」

 「あー、そう?

 あたしに対する愛はそんなもんか、

 その分じゃ神様への信仰心もどーだかなぁー?」

 「待ってッ、行かないデッ、

 メリーさんっあ、あ、ああ~!

 メリーさぁんッ!!」


そして近くのビルの屋上では、

「少年」がヒマそうにあくびをして、

その様子を眺めていた・・・。

別に彼は、

メリーさんがどうなろうと、

自分たちを崇める者がどうなろうと、

リーリトの事なども本当はどうでもいいのだ。

彼は、人間達が「互いに殺しあう」様子を観察しているだけなのだから。


そしてさらにまた・・・

海を越えたイギリスでは・・・。

 





???

「優一さん、見つけたーーーっ!

どこいってたんですかぁぁぁぁぁ?」


優一と呼ばれた少年

「ん?

ああ、エリナか。

何やってんだ、こんな朝っぱらから一人で?」


エリナと呼ばれた少女

「何やってんだじゃないですよ~?

優一さんを探してたんじゃないですか~!

急に家からいなくなって心配したんですよぉ~?

電話も出てくれないし~!!」


優一

「家からいなくなった? オレが?」


エリナ

「そうですよぉ、優一さん、命狙われてるかもしれないんですから、

黙っていなくなるのやめてくださーい!」


優一

「(また意識がなくなっていたのか・・・)

わかったわかった、さぁ、帰るぞ。」


挿絵(By みてみん)


優一

(ところでここは何処だ?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRoid版メリーさん幻夢バージョン
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ