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第2話

 

 「あ?

 なんじゃい、お姉ちゃん、

 この電話、誰に聞いたんじゃ? 

 ・・・お?」


 ツーッ、ツーッ、ツーッ・・・

通話はすぐに切れてしまったようだ。

 「先輩、何すか?」

真二の問いに、男は不機嫌そうに携帯を閉じる。

 「分らん、

 『お客さん』かものぉ、

 ワシんとこには直接かけんことになっとるんじゃが。」

彼らの世界では分業は徹底されている。

警察に捕まるリスクを最小限に抑えるためだ。

だが、彼らはまだ気づいていなかった・・・、

警察や同業の犯罪者より、もっと恐ろしいものに見つかったことを・・・。


その後、兄貴分の男は事務所のガレージから車を出し、

いつもと同じように自宅に愛車を走らせた。

走行中、

何の気なしにカーラジオをつけた時、男は奇妙なノイズに気づく。


 『・・・道路状況です・・・

 国道○号線では、事故処理のため・・・ジジ・・・

 キュィ~ン・・・』


 「ん? 変じゃのう、

 このあたりの電波は入りがええはずじゃが・・・」

その時、男は耳を疑った・・・。

ラジオのスピーカーから、聞き覚えのある声が流れたからだ。


 『・・・もしもし、わたし・・・メリー 』


反射的に男はブレーキを踏む。

後ろの車が肝を冷やしたようだが知ったことではない。

むしろ飯の種だ。

残念ながら車は無事だ、

だがそんなことはどうでもいい。

ラジオは、いつの間にか元の放送に戻っている。

携帯は鳴ってない、

着信の形跡もないようだ・・・。


 なんじゃ・・・?


待ち伏せや闇討ちなど、彼らの世界では珍しくも何ともないが、

今起きてる不可思議は、暴力的な匂いを何も感じさせていなかった。

それゆえ、まだこの男は落ち着いていたのだが、

自分のマンションに着いた時、男の心に恐怖と言うものが芽生え始めた・・・。


それは、自宅の電話に、一件の録音メッセージが残されていたから・・・


 あの女の声で・・・


 『わ た し メ リ -

 いま・・・あなたのお仕事場にいるの・・・ 』

 

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