第二十七話 対決
良い話。
家にいれる時間帯に、
いま、Vroidで麻衣ちゃん高校生バージョン製作中です。
スカートが短すぎる・・・。
早く衣装も手を入れられる仕様になって欲しい。(スカートの中に手を入れるとかそういう話ではありません)
vワールドβ版を昨日インストールしました。
作ったばっかりの高校生麻衣ちゃん動く!走る!笑う!踊る!
バイオハザードのやり過ぎで、
家の中や街角で、ゾンビでも出てこないかビクビクしてますが。
悪い話。
パーティーキャッスルで麻衣ちゃんを高校生バージョンにする際、
身長と頭身のパラメーターを変えるわけだけど、BLENDERで改造した服アイテムは、身長いじった際に、ケンシロウのようにビリビリ破けてしまいます。
そこでかつて有志によって公開されたツールを通して、任意の身長に合わせたアイテムをインポートしてたのですが、
Windows更新プログラムアップデートのせいでツールが起動しなくなってしまいました。
もう改造できない?
絵美里の叫び声が体育館全体に響く・・・。
静かだ。
他には何も聞こえない。
麻衣、絵美里、麻里・・・
三人とも神経を張り巡らせ、
如何なる音や気配をも逃すまいと待ち構える・・・。
・・・しばらく何の変化もないように思われたが、
ガン!
・・・ガンガンッ!!
正面の扉を力強く叩く音が聞こえ始めた・・・。
そこにいるのね・・・!
絵美里は懐中電灯の光を落とした。
扉が開いた瞬間、
ヤツに向けて光を当て目を眩ませよう。
勝算はある!
不安定要因があるとすれば自分の心の弱さだけ・・・!
・・・だけど・・・。
”・・・エミリー、
わたしがいっしょについてるからね!”
そばには、常に自分を見守ってくれる優しいマリーがいる・・・。
こんなに心強いことはない・・・!
赤い魔法使いバァルに囚われた時、
助けを呼んでも誰も助けに来てくれない絶対の孤独・・・
完全なる絶望・・・、
もう、そんな気持ちになることは決してありえないのだ。
幼少の頃、
家族の愛に恵まれなかった絵美里にとって、
共にメリーの人形のカラダの中で、永い時を過ごした麻里は、
もう一人の自分であり、
最大の友人であり、
そして姉であり母でもある・・・。
人格が完全に分裂してからは、
時々意見対立もあるし、口喧嘩(?)もある。
だけど最後には、
いっつも仲直りして温かい紅茶を愉しむのだ。
あの時とは違うんだから!!
”マリー! ありがとう!
・・・ホントに・・・今までホントにありがとう!!
あなたと一緒のカラダに入れて、
あたしとても良かったっ・・・!”
”何、言ってるのエミリー、
それはこっちも一緒よ!
・・・だけど、これで最後みたいな言い方はやめて?”
”そう、・・・そうだよね、
そしてこれからも一緒だよね!!”
そうだ、
・・・やっぱり怖いものなんか何もないのだ!
「さぁ! 来なさい! 変態男ぉ!!
エミリーとマリーは別人だけど・・・、
二人で一人の無敵のメリーよっ!!」
ドッガッァァァン!!
力いっぱい横開きの扉が開かれた!
ヤツが襲ってくる!
案の定、黒いものが飛び掛ってきた。
絵美里はカラダを回り込ませながら、
腕をいっぱいに伸ばしライトを男の顔に当てる。
これでこっちの正確な位置はつかめまい・・・!
あとは待ち構える麻衣の前まで誘導し、
ネットを落とせれば・・・!
だが、その瞬間、
絵美里は意外な姿を目の当たりにする。
襲ってきた男はそのまま地面に崩れ落ちたのだ・・・。
何もしてないのに!?
しかもライトに照らされたカラダは服を着ている・・・これって・・・、
血まみれになった初老の男の人・・・
警備員の人っ?
「ンエエエエエエッ!!」
いっぱい食わされた!
ヤツは殺した警備員をたてに、
時間差で襲い掛かってきたのだ!
むしろ、懐中電灯を掴んでいる絵美里はヤツの格好の標的!
男の凶悪な右手が絵美里に向かって伸びてくる。
もはや懐中電灯は必要ない。
絵美里は電灯を床に捨て、両手で定規を握りしめる。
ギリャンッ!
なんとかヤツの攻撃を払う事が出来たが、
反撃に移れるほどの余裕はないっ!
・・・でも負けるもんかッ!!
男も、
さっき麻里に鼻を砕かれた事など忘れたかのように、
絵美里のカラダに凶器を突き刺そうと、
笑いながら何度も何度も腕を伸ばしてくる。
何とか足を止めないと・・・!
絵美里は定規の内側の角で、
どうにかヤツの金属の鉤を引っ掛けることに成功した。
・・・だが力勝負では・・・!?
男は「ンエエエ!」と笑いながら力を込めてくる・・・!
いくらこっちは両手とは言え、非力な女性のカラダである。
・・・いつまでも堪えきれるわけでもない!
「どぉしてっ・・・!?」
絵美里は力いっぱい抵抗して叫ぶ・・・。
「どおしてメリーさんを狙うのよッ!?」
男はそのまま手の力を抜くことなく、
目を真ん丸く見開いた・・・!
「ンエエ! どおして?
決まってるだろう!?
メリーさんの羊はメリーさんの行く所、
どこへでもついていくのさぁ!!」
「そ、それはマザーグースでしょぉッ!?
・・・なんであんたが・・・!?」
「ンヘェ!!」
「きゃあっ!!」
ついに男のパワーは絵美里を上回った!
後ろの壁際の床に尻餅をついた彼女に、
今度こそはと男は下半身を隆起させる・・・!
よほどこの瞬間を待っていたのだろう、
男は一瞬カラダを硬直させ雄たけびをあげた。
すぐさま男は倒れた絵美里に馬乗りになろうと、
四つんばいで覆いかぶさろうとする。
・・・この位置なら・・・!
タイミングはここしかない!
二階の手すりから麻衣が叫ぶ!!
「こっちを見なさーい!!」
「んえ?」
男は勿論、麻衣の存在に気づいていない。
男が上を見上げた瞬間、
麻衣はネットを広げたまま真下に落下させた。
絵美里は男と刃を交えてる最中、
できる限りにと、カラダを壁の近くに移動していたのだ。
男の方も、
暗がりの為、上から降ってくるものがナンだか分らず、
鉤爪のついた手を振り回しただけで、
モロにネットの網をかぶってしまった。
「ンエエエエ!?」
そしてそれを確かめると、
床に落ちたネットの端を掴んだ絵美里は、
電光石火の素早さで、男の周囲をグルグルとまきつけてしまう。
計算どおりよっ!!
男も自分の状況が分ったのか激しく抵抗するが、
勢いあまって床に倒れてしまい、網から抜け出すことが出来ない。
これで勝負は決まったも同然だ!
「やったか!?」
と、何かが立ったところで、
明日はまた
二話分更新。
語られない物語その2を予定してます。
日浦良純と緒沢タケルの顛末を。