表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
192/676

第二十七話 対決


良い話。

家にいれる時間帯に、

いま、Vroidで麻衣ちゃん高校生バージョン製作中です。


スカートが短すぎる・・・。

早く衣装も手を入れられる仕様になって欲しい。(スカートの中に手を入れるとかそういう話ではありません)


vワールドβ版を昨日インストールしました。

作ったばっかりの高校生麻衣ちゃん動く!走る!笑う!踊る!

バイオハザードのやり過ぎで、

家の中や街角で、ゾンビでも出てこないかビクビクしてますが。



悪い話。

パーティーキャッスルで麻衣ちゃんを高校生バージョンにする際、

身長と頭身のパラメーターを変えるわけだけど、BLENDERで改造した服アイテムは、身長いじった際に、ケンシロウのようにビリビリ破けてしまいます。

そこでかつて有志によって公開されたツールを通して、任意の身長に合わせたアイテムをインポートしてたのですが、

Windows更新プログラムアップデートのせいでツールが起動しなくなってしまいました。

もう改造できない?

 

絵美里の叫び声が体育館全体に響く・・・。


静かだ。

他には何も聞こえない。

麻衣、絵美里、麻里・・・

三人とも神経を張り巡らせ、

如何なる音や気配をも逃すまいと待ち構える・・・。


・・・しばらく何の変化もないように思われたが、


ガン!

・・・ガンガンッ!!


正面の扉を力強く叩く音が聞こえ始めた・・・。

 そこにいるのね・・・!

絵美里は懐中電灯の光を落とした。

扉が開いた瞬間、

ヤツに向けて光を当て目を眩ませよう。

勝算はある!

不安定要因があるとすれば自分の心の弱さだけ・・・!

・・・だけど・・・。


 ”・・・エミリー、

 わたしがいっしょについてるからね!”

そばには、常に自分を見守ってくれる優しいマリーがいる・・・。

こんなに心強いことはない・・・!

赤い魔法使いバァルに囚われた時、

助けを呼んでも誰も助けに来てくれない絶対の孤独・・・

完全なる絶望・・・、

もう、そんな気持ちになることは決してありえないのだ。

 


幼少の頃、

家族の愛に恵まれなかった絵美里にとって、

共にメリーの人形のカラダの中で、永い時を過ごした麻里は、

もう一人の自分であり、

最大の友人であり、

そして姉であり母でもある・・・。

人格が完全に分裂してからは、

時々意見対立もあるし、口喧嘩(?)もある。

だけど最後には、

いっつも仲直りして温かい紅茶を愉しむのだ。

あの時とは違うんだから!!


 ”マリー! ありがとう! 

 ・・・ホントに・・・今までホントにありがとう!!

 あなたと一緒のカラダに入れて、

 あたしとても良かったっ・・・!”


 ”何、言ってるのエミリー、

 それはこっちも一緒よ!

 ・・・だけど、これで最後みたいな言い方はやめて?”


 ”そう、・・・そうだよね、

 そしてこれからも一緒だよね!!”


そうだ、

・・・やっぱり怖いものなんか何もないのだ!

 「さぁ! 来なさい! 変態男ぉ!! 

 エミリーとマリーは別人だけど・・・、

 二人で一人の無敵のメリーよっ!!」

 

 

 ドッガッァァァン!!

力いっぱい横開きの扉が開かれた!

ヤツが襲ってくる!

案の定、黒いものが飛び掛ってきた。

絵美里はカラダを回り込ませながら、

腕をいっぱいに伸ばしライトを男の顔に当てる。

これでこっちの正確な位置はつかめまい・・・!

あとは待ち構える麻衣の前まで誘導し、

ネットを落とせれば・・・!


だが、その瞬間、

絵美里は意外な姿を目の当たりにする。

襲ってきた男はそのまま地面に崩れ落ちたのだ・・・。

 何もしてないのに!?

しかもライトに照らされたカラダは服を着ている・・・これって・・・、

血まみれになった初老の男の人・・・

警備員の人っ?


 「ンエエエエエエッ!!」

いっぱい食わされた!

ヤツは殺した警備員をたてに、

時間差で襲い掛かってきたのだ!

 


むしろ、懐中電灯を掴んでいる絵美里はヤツの格好の標的!

男の凶悪な右手が絵美里に向かって伸びてくる。

もはや懐中電灯は必要ない。

絵美里は電灯を床に捨て、両手で定規を握りしめる。

 ギリャンッ!

なんとかヤツの攻撃を払う事が出来たが、

反撃に移れるほどの余裕はないっ!

 ・・・でも負けるもんかッ!!


男も、

さっき麻里に鼻を砕かれた事など忘れたかのように、

絵美里のカラダに凶器を突き刺そうと、

笑いながら何度も何度も腕を伸ばしてくる。


 何とか足を止めないと・・・!

絵美里は定規の内側の角で、

どうにかヤツの金属の鉤を引っ掛けることに成功した。

・・・だが力勝負では・・・!?

男は「ンエエエ!」と笑いながら力を込めてくる・・・!

いくらこっちは両手とは言え、非力な女性のカラダである。

・・・いつまでも堪えきれるわけでもない!

 

 「どぉしてっ・・・!?」

絵美里は力いっぱい抵抗して叫ぶ・・・。

 「どおしてメリーさんを狙うのよッ!?」

男はそのまま手の力を抜くことなく、

目を真ん丸く見開いた・・・!

 「ンエエ! どおして?

 決まってるだろう!?

 メリーさんの羊はメリーさんの行く所、

 どこへでもついていくのさぁ!!」

 「そ、それはマザーグースでしょぉッ!?

 ・・・なんであんたが・・・!?」


 「ンヘェ!!」

 「きゃあっ!!」

ついに男のパワーは絵美里を上回った!

後ろの壁際の床に尻餅をついた彼女に、

今度こそはと男は下半身を隆起させる・・・!

よほどこの瞬間を待っていたのだろう、

男は一瞬カラダを硬直させ雄たけびをあげた。

すぐさま男は倒れた絵美里に馬乗りになろうと、

四つんばいで覆いかぶさろうとする。


・・・この位置なら・・・!

タイミングはここしかない!

二階の手すりから麻衣が叫ぶ!!


 「こっちを見なさーい!!」

 


 

 「んえ?」

男は勿論、麻衣の存在に気づいていない。

男が上を見上げた瞬間、

麻衣はネットを広げたまま真下に落下させた。

絵美里は男と刃を交えてる最中、

できる限りにと、カラダを壁の近くに移動していたのだ。

男の方も、

暗がりの為、上から降ってくるものがナンだか分らず、

鉤爪のついた手を振り回しただけで、

モロにネットの網をかぶってしまった。

 「ンエエエエ!?」


そしてそれを確かめると、

床に落ちたネットの端を掴んだ絵美里は、

電光石火の素早さで、男の周囲をグルグルとまきつけてしまう。

 計算どおりよっ!!

男も自分の状況が分ったのか激しく抵抗するが、

勢いあまって床に倒れてしまい、網から抜け出すことが出来ない。

これで勝負は決まったも同然だ!

 


「やったか!?」



と、何かが立ったところで、

明日はまた

二話分更新。

語られない物語その2を予定してます。


日浦良純と緒沢タケルの顛末を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRoid版メリーさん幻夢バージョン
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ