第二十四話 語られない物語 1
今回は短い挿入話と、
その一時間後にも本体のお話をアップします。
14時更新で読まれた方はその後にまた読みに来て頂いてもよろしいかと。
騎士団極東支部支部長・日浦義純の元に、
緒沢美香の死亡の報告が舞い込んできたのは、まだ蒸し暑い残暑の頃であった。
彼はあらゆる角度から、
その死亡がただの事故なのか、
何者かによる意図的なものなのか必死で調べたが、
いかなる証拠も見出す事ができなかった・・・。
・・・そのうち日浦は、
あるとんでもない考えに陥る事となる。
きっと、彼も冷静さを欠いていたのかもしれない・・・。
それは、彼女の死が、
美香が総代を務める秘密結社「スサ」の、
内部分裂による暗殺ではなかったのかと・・・。
順列から行けば、
美香亡き後、総代を継ぐのは世間知らずと言われた弟ただ一人。
もし、彼らの内部の権力者が、
その弟をいいように操れば、
スサの財力・権力はその者の思いのままとなるであろう。
それが事実なら、
日浦個人にとっても、騎士団全体にとっても好ましい事態ではない。
そしてさらに日浦は、
彼以外では決して思いもつかないような行動に出たのだ。
「美香の弟・・・
彼を騎士団にスカウトする・・・!」
ある日、日浦はその弟に近づいた・・・。
美香の死の疑惑を問いかけるため・・・、
世界を守る騎士団の役割を伝えるため・・・、
そして弟がどんな人間に育ったのか調べるために・・・。
東京府中市にある製薬工場・・・
そこは、外資系企業によってカモフラージュされた生物兵器秘密実験施設・・・。
日浦はそこへ、
その弟・・・タケルを連れて侵入した。
この世界がいかに汚れているのか、
彼に知らしめるために・・・!
ネタバレ
私の物語の本来の主人公は
この弟くんの方です。
一応、メリーさんの物語はパラレルワールド扱いですが、
こちらの世界でも似たような出来事が起きています。
そして更に言うと、
この府中市にあるという秘密製薬工場は、
この物語でかなり存在感のある「少年」の物語と間接的に関わっています。
まあ、今の段階では何の繋がりもありませんが。