メリーさんを追う男 第一話 はじまり
とゆーわけで新章です。
いきなり変態さん登場からはじまりますけど展開はガチです。
それは突然の着信だった。
いきなり誰って感じだ。
知らない電話番号の着信なんて無視すれば良かったのだけど、
つい「お客」の可能性もあるかとうっかり出てしまった。
『もしもし? 君メリーさん?
いま、君の町にいるよ。』
「・・・は?」
『もしもし? 君メリーさん?
いま、君の家の近くなんだぁ。』
「ちょっと、あ、あなた誰!?」
『もしもし? 君メリーさん?
ああ、マンションなんだね?
建物の下にいるよ・・・!』
「やめて! 警察を呼ぶわよ!!」
『もしもし?
もう、玄関の前なんだ、
早く君の顔が見たい・・・。』
「お願い、帰って!
わたしはメリーさんじゃないの!」
・・・
だいたいメリーさんて何よ?
お店で源氏名使ってるけど、そんな日本人離れした名前なんて使わないわよ、
他の女の子と勘違いされてるかもだけど、お店の女の子たちの名前だって、もっと普通だ。
・・・キラキラネームを普通と言うかどうかは別にして。
いや、今はそれはどうでもいい!
それよりあれからかなり時間が経ってるけど、
もう電話はかかってこない・・・、
鍵はしまってるし、
玄関の前にいるのかしら?
やっぱり・・・今のうちに警察に!
その女性が携帯をとろうとした瞬間、
またもや携帯がなる・・・。
「・・・もしもし・・・」
『ああ! メリーさん!
いま、君の家の中だ!
さぁ、これからいいことをしよう!!』
バターン!!
風呂場のドアが開いた!!
血走った目の全裸の男が飛び出してくる!!
「キャアアッ!!」
ザクッザクッザクッ・・・!
翌日の夕刊に、事件のことが載る・・・。
『マンションで若い女性、惨殺さる。
ナイフでめった刺しか?
携帯の着信記録、
共通の手口、今月に入って東京で5件目・・・。』
謎の空間に存在するナイトラウンジ
「キャッスル・オブ・メリー」にて
今日子
「ちょっとちょっと聞いたァ?
若い女の子ばっかり狙われるんだってぇ!?」
マザーメリー
「・・・手口が・・・
メリーと一緒なんですってね?」
今日子
「こっわ~・・・、
ねぇ後ろのあなたはどう思うの?」
振り返る今日子・・・
そこにはテーブルで一人、
ブラッディマリーを飲む黒髪の女性・・・、
あざみ
「・・・もしかしたら、
メリーそのものが狙われてるのかしら?」
今日子
「マジ・・・マジマジマジィ!?
やーめぇてよぉ~!?」
あざみ
「私には関係ないと思うけど、
普通の人間に近い生活をしているあなたは気をつけたほうがいいわね?」
今日子
「・・・最悪・・・。
指名されたらどうしよう・・・。」
マザーメリー
「ここなら安全ですけど?」
今日子
「んん~、そうは言っても、
恵まれない男の子達に夢を与えるのがあたしの仕事じゃん?」
・・・いつから!?
うりぃ
「ウチも設定年代違うから、
関係あらへんなぁ?」
マザーメリー
「・・・もし、真正面からぶつかることになるとすると・・・。」
タイミングはバラバラだが、
彼女達の視線は、
もう一つのテーブルでワイングラスを持つ「彼女」に注がれる・・・。
銀色のウェーブヘアーと瞳を持つ人形に。
だが、
「彼女」は無表情に首を振ると・・・、
黙ってグラスを飲み干して、
静かにキャッスルオブメリーを出て行った・・・。
カランカラーン
ドアベルの音が消えるのを待って彼女たちは再び会話を始める。
うりぃ
「そういやぁ・・・、
あざみの姉ちゃんはここにいてだいじょーぶなんか?
ろーずっちゅうお嬢ちゃんに狙われとるんやろ?」
あざみ
「うふふ、ここは非戦闘地域よ、
・・・なにかあっても、ね?」
マザーメリー
「ハイ、
私が皆さんのエネルギーを吸い取りますので、
ローズさんが乱入しても、
強制的に戦闘不能になります。」
今日子
「・・・相変わらず怖っ・・・!」
ドッガァァンッ!!
天井裏から全裸の男が、
泡を吹きながら転げ落ちてきたッ!!
だが男は何事もなかったかのように、
笑いながら起き上がる・・・!
ああああ・・・!!
メリーさんだぁっぁぁ!!
男は異様なまでの、
甲高い渇いた声で叫ぶと、
驚愕のために身動きできなくなったその部屋の住人の上に襲いかかった!
「またもや一人暮らしの女性襲わる、
全身数十箇所滅多刺し!
部屋は血の海と化していた・・・」
この物語は珍しく結末考えずに2chに投稿していました。
途中で、ちゃんと脳内で完成させましたので最後の着地点についてはご安心を。
そして今回は、
いよいよ「人間以外」の存在が、
現実世界に介入してきます。
過去に何度も言及された冥府の王「ヴォーダン」についてもその詳細が。