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3日目の2 奸計

ちょっと短めですいません。

前日の「遠い日の思い出」を単発であげる予定だったのですが、

字数が少なくて、3日目の1と繋げざるを得なくなって・・・分量のバランスが。


そして次回は更なる惨劇が。



 「あ、あの、あの?」

シェリーが戸惑っていると、

カーリーは優しく微笑んだ。

 「あなたの目的の役に立つかどうかはわかりませんけど、

 私はメリーと呼ばれる二体の人形を知ってますよ。」

 「本当ですか!? 今、どこに!?」

 「居場所までは残念ながら・・・。」

 「お願いします!

 どんな情報でも欲しいんです!

 教えてはいただけないでしょうか!?」

 「あらあら、急に元気になりましたね?

 ただ、私の知っていることはほんのわずか・・・。

 一体は、

 数百年前に、ある魔法使いと妖魔によって創り上げられた呪われた人形だということ・・・。

 私たちの機関より大昔の存在ですからね、

 干渉のしようもありませんわね。

 もう一体は、今は活動してないと思います。

 現代科学と人間の精神エネルギーを応用した人工頭脳によって動くメリー。」

 

 

 「・・・私の姉と、

 動き始めた人形の件と接点はあるのでしょうか・・・?」

 「なんとも言えません。

 ただ、私たちの母体機関である黒十字団のデータには、

 何か手がかりがあるかもしれません。」

 「で、ではそのデータを・・・!」


カーリーは残念そうに首を振った。

 「ごめんなさい、

 それは最重要セキュリティレベルのデータなの・・・。

 黒十字団自体は合法的な団体だけど、

 水面下では非合法活動も行ってるわ。

 ・・・当然、セキュリティレベルの高い部分に属するデータは、

 シャレにならないところから引っ張ってきたデータもあるのです。

 ですので、それを他人のあなたにお見せるわけには・・・

 と言いたいのですが、

 二つの条件を満たしていただければ・・・。」

 「条件ですか? 仰ってください!」

 「まずは、私たちのこの島での試験に合格していただく事、

 もう一つは、私たちと契約・・・、

 私たちのデータを提供する代わりに、

 時々私たちの為に働いて欲しい、

 そういう取引に応じていただく事です・・・。」

 


シェリーは戸惑いつつも、

そのメガネの奥には希望の光を宿らせた。

 「・・・取引・・・ですか?」

 「難しく考えないで下さい。

 ギブアンドティクと申したでしょう?

 条件が合わなければ、

 断っていただいて構いませんのよ。

 こちらとしても、

 あなたがどんな能力を身につけるかによって、

 対応は変わりますので・・・。」

 「わ、判りましたっ、

 その時は是非、よろしくお願いします!」


カーリーはニッコリ笑って話を切り替えた。

 「それでは、本題に入りましょう。

 あなたの今後の方向性ですが・・・。」


面談はその後、20分程度で終了した。

 「シェリーさん、お疲れ様でした。

 では、会場に戻って、

 紅い髪のステラという女性を呼んで来て頂けますか?」

 「はい。ステラさんですね?

 どうもありがとうございました。では失礼いたします!」

 


・・・カーリーの後ろで書類をまとめながら、

ネクタイ姿のネロは、心底から感心たようだ。

 「さすがですね。

 さっきまで、私たちに懐疑的な態度だった彼女が、

 ・・・逆の反応を示すようになりましたよ。

 見事なお手並みです。

 もっとも、彼女は私たちにとって役に立ちますかね?」

 「・・・ネロ、

 まずは素質を見出すのが先決ですよ。

 有益かどうかはその後でしょう?」

 「そうですね、

 ・・・それで、カーリー様は何も仰いませんでしたが、

 あの子が言ってた赤いフードの男と言うのはもしかして・・・。」

 「恐らくはノーフェイスの『赤い魔法使い』のことでしょう?

 確か、三年前に『彼ら』が・・・。」

 「そうです。

 『彼ら』の情報システムはかなり強固なガードになってますので、

 私でも易々とは侵入できませんが・・・

 あの子の姉が三年前に亡くなったのは、

 偶然ではないのでしょうね・・・。」


カーリーは残念そうに首を振る。

 「勿体無いわね、

 あの男も『神』の偉大さを認めさえするのなら、

 私たちの仲間に加えても差し支えなかったのに・・・。

 ・・・もっとも、

 『あのお方』のご意志次第だけど・・・。」

 


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