だいじゅうよんわ 収拾不可能
・・・うりぃ&いぬ
「え っ」
「え っ」
うりぃもいぬも、
「それは凄い」の「それはすg」辺りまで、
頭の中で反応しかけましたが、
すぐにそれが何を意味するのか気づくことができました。
しかし、キジはお構いなしです。
「ふふふ!
おいは、この鋭いクチバシを相手のカラダにぶっ刺し!!
なんと、その相手からじゅるじゅるじゅると、
血液を吸い取ることができるんですどー!!」
キジは着地すると同時に、
またもや翼を広げ、
クエーッと一鳴き、ポーズをとりました。
・・・いえ、
確かにブラックで呪われた能力には間違いなさそうですが・・・。
鳥のくせに吸血鬼とは、
なんと恐ろしい能力なのでしょう。
確かに暗黒の力・・・、
呪われた能力・・・と言って差し支えないんでしょうけど・・・。
「・・・おい、キジィ。」
「はい、姐さま!」
「吸血雉、
・・・確かにウチの下僕としてふさわしいかもしれん・・・、
そこはええ・・・!
けどな?
前、見てみぃ?
そこにおるんは鉄の塊やぞ?
おまえのクチバシは鉄にぶっ刺さるんか?」
さらにはいぬも、とどめの一言を。
「しかも・・・あの鎧の下、
血液、通ってないですよ?
ヒトの匂いしませんから。」
・・・また沈黙が流れました。
キジさんは、
2、3回ほど、クィッ、クィッ、
と頭を傾けた後、
ようやく理解できたのか、
クチバシを限界まで広げて固まってしまいました。
「しまったぁぁぁっ」
とでも言いたいのでしょうか。
・・・さて、
ここまでずっとほったらかしにされてたあーまーじゃっく、
再びようやく動き始めました。
アニメや特撮ヒーローもので、
主人公側が変身するのを、
攻撃せずに待っててくれるくらい、
律儀な性格なようですが、
もう自分の番だと確信したようです。
まずは、お決まりの読心術で行きましょう。
「お・・・お前ら、
これ、
もっとグダグダになっちゃったじゃないか、
と、思ったろう?」
まったくその通りですね、
うりぃには反論する気力すらありません。
そして、ようやく我に返ったキジさんが・・・。
「あ・・・姐さま! 逃げましょうど!!」
「キジィ! お・・・お前、
何しにでてきたんじゃぁっ!
このボケェっ!!
また羽根という羽根、
全部引っこ抜かれたいんかぁっ!!」
「姐さん、この際、キジ鍋に・・・。」
「い・・・いぬさんまで、酷いですど!!」
その時、うりぃが閃きました。
確かに勝ち目がないのなら・・・。
「・・・ゴホン、あ、
あー、あまんじゃく?
おんどれ、腹、へっとらんか?
おい、いぬぅ、
おんどれ、キジおさえとけ。」
キジさん、
「ケェーッ!」と鳴き声をあげますが、
ワン力・・・いえ、
腕力はいぬさんのほうが強いようです。
大丈夫ですよ、キジさん、
このアイデアもボツになりますから。
「わ・・・我は食事を取らない、
で・・・でも、どうせならキジ刺しが・・・。」
あれ? そっち?
クエーッ!?
果たして物語は進展するのでしょうか・・・?