だいじゅういちわ 明かされた秘密
「な・・・なんや、こいつぅっ!?」
思わず叫んだうりぃでしたが、
彼女は既に知っていました。
この異形の怪物こそ、
自分の対立者であることを。
瓜子姫は天邪鬼に殺される。
「別の物語」のアダムとイブを継ぎし者達が、
遠い先祖の行いをなぞるように、
いま、現在の自分自身にも同じ運命が待ち構えていることを。
「あ・・・あかん!
ここから逃げな・・・!」
そうです、
心の中を全て読んでしまう「あーまーじゃっく」を相手に、
戦うことを選択する事はできません。
しかしどこへ逃げればいいのでしょう?
真っ暗な部屋の中に、
他に出口のようなものがあるかは判りません。
立ち塞がるあーまーじゃっくの脇をする抜けることしか、
ここから逃げる方法などないように思われます。
「お・・・おまえ、我の右横を
と、通ろうと思っているな・・・?」
あーまーじゃっくは、
その長い両手を揺らめかせています。
うりぃがどんな陽動をかけようとて通じそうにありません・・・!
「あ・・・姐さんっ!!」
お腹を日本刀で刺されたいぬは完全回復したようです。
それはそれで凄い能力なのですが、
この場で何ができるでしょう?
「姐さんっ!
ふっ、二手に分かれましょうよ!!」
なるほど、それは有効な手段かもしれません。
しかし、うりぃには判っています。
「あほぅ、
・・・奴の狙いはウチや!
おんどれなんか眼中にあるかぁいっ!!」
「そ・・・そんな・・・。」
そのうち、あーまーじゃっくは、
ゆっくりとうりぃたちに詰め寄りました・・・。
確かにその巨体だけあって、
あーまーじゃっくは動きが鈍そうです。
「お・・・お前、我の動きが
の・・・のろいと思ってるな・・・?」
ここでようやく、
うりぃに突っ込みを入れる余裕ができました。
「ハン、そんとーりやろが、ボケェっ!!
おんどれ、
人の心、読むだけで、
反論する脳みそもないやろがぁっ!!
その真っ黒いどたまの中は、
『つみれ』か『おから』が詰まっとんのやろ!!」
あーまーじゃっくは目を光らせたまま、
動きを止めています。
ところが、そのうち、
何が起きたのか、
彼の目の光が鈍く瞬き始めたのです・・・。
「お、おま、つみれって、
な、なんて酷いことを・・・
わ・・・我に向かって、
・・・お、鬼、悪魔っ・・・!」
つみれ、美味しいんですけどね、
どうやらあーまーじゃっくは、
ナイーブな心の持ち主だったようです。
次はどんな設定が明らかになるでしょう?
それよりうりぃが呆れています。
「・・・オマエ、ヘコんどるんか?
そんなでかい図体して情けないなぁ?
とはゆーものの、
どないしたらええか、ウチもようわからん・・・。
さすがに作者も2年以上、
ほったらかしにしといただけのことはあるなぁ。」
なお、あーまーじゃっく登場から今回上げた話を作るまで、
2年以上のブランクがあったことはあなたと私の秘密です。
絶対ですよ?
絶対と言えば・・・今のこの状況、
・・・絶体絶命ってやつでしょうか?
いいえ、このグダグダな局面を打開するものが、
すぐ彼女達のそばまでやってきていたのです・・・!
>「別の物語」のアダムとイブを継ぎし者達が
これは気にしなくていいです。
彼らの登場は「メリー編」の外のお話になるでしょうから。
まぁ世界観と舞台設定は一緒ですけども。
ていうか、
瓜子姫と天邪鬼ももしかしたら・・・いえ、何でもありません。
そして次回!
いよいよ奴が登場します!!