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ハロルドさんはどうでしょうか?
ハロルドさんは、とてもとても難しい顔をしながら真剣にエイムズさんを見ていました。
理解してるっぽいです。
エイムズさんは、そんな周りの反応などお構いなしに話し続けます。
「あの妙な魔石は、ユーリと同じ世界か、それ以外の違う世界から来た何者かによって作られたのではないかと思うのです! そして、その魔石で作られたであろう魔物が黒ローブを纏っていたのではないかと。ここで関連してくるのが、アークを襲った黒ローブの魔物の名前です。魔女アディの実験体とありました。魔女です。古い文献に確か魔女の話が・・・魔女は魔物を作ると書いてありました。その時はまさかと思いましたが、昨日、アークの話を聞いて、思ったのです。魔女が、魔石から魔物を作っていると! 今までの定説、魔物が魔石を作るのではなく、魔石から魔物を作っていた! もしこの仮説が証明されれば・・・すごい発見です!」
えっと・・・
もう何が何だか本当についていけません。
エイムズさんは、感極まって、ついに立ち上がって天を見つめ、こぶしを握り締めてふるふるしています。
私は、エイムズさんの勢いにただただ唖然としていたので、ハロルドさんが私に鋭い視線を向けているなど全く気が付きませんでした。
アークは顔を引きつらせながら、エイムズさんを見ていたようです。
結局、エイムズさんの話ってどうゆう事ですか?
誰か、分かり易くまとめて、教えてくださいませんか?
私の心の叫びもむなしく、エイムズさんはまだ続けるようです。
「次に、ユーリにだけ見える青い血の話。これも、妙な魔石から作られた魔物ではないかと思われます。ユーリのホーリーで消えてしまう魔物は同じ魔石から作られ、さらに血も青いのではないかと。これはまだ全く証明されていませんが、可能性として考えました。オーラを何とかして作れるであろう魔石、その魔石で作られた魔物、さらに、魔石を作ったオーラの持ち主との関係性、すべての答えはユーリにあると思います。と言うわけで、ユーリ、これからも実験につきあってもらいますよ。」
あれ?
ごめんなさい、全く聞いてませんでした。
エイムズさん、どうしてそんないい笑顔でこっち向いてるんですか?
しかも、いつの間にかすぐ目の前にいます。
え?
あれ?
いや、ちょっ
ちょっと
なんですか、そのギラギラした目は・・・・
またですか?
またなんかやらされるんでしょうか?
昨日の実験再開ですか?
あれ、もう嫌です!
同じことを何回も何回もやるんですよ!
「・・・父さん、昨日お願いした・・・」
その時、横でアークがこそっとハロルドさんに何かを呟いていました。
ハロルドさんは、ハッとしたように、そうでした と小さく呟くと、奥の方へ行ってしまいました。




