44
え?
今、片手で投げましたか?
アークどんだけ力持ちなんですか?
「ユーリ、無事か? 何があった?」
アークは素早く私を抱き起すと、上から下まで私を見て確認すると、鋭い視線でエイムズさんに向き直ったかと思ったら、突然、すごく驚いたような顔をしました。
「エ・・エイムズ・・?」
アークは驚きの呟きと共に、すぐさまエイムズさんの側に駆け寄り、大慌てで息と脈を確認しました。
アーク、エイムズさんとお知り合いですか?
はぁぁぁぁぁぁ
もう、どうしましょう。
今、私はアーク、エイムズさんの3人でアークの取った宿屋の部屋の中にいます。
あれから、慌てたアークが私とエイムズさんを急遽連れてきたのです。
宿屋に戻ってすぐ、エイムズさんは目を覚まし、目の前のアークを飛び越え、一瞬で私の目の前に来たときは思わず結界かけちゃうとこでした。
だって、目が怖かったんです。
もう、ギラギラしてて、本当に食べられちゃうんじゃないかと思ったんです。
私が半泣き状態なのをみて、アークが一生懸命とりなしてくれましたが、エイムズさんは全く聞かず、とにかく何を言ってるのか分かりませんでしたが、マシンガンのようにずーっと話していました。
全く話が終わりませんでした。
アークは呆れたように肩をすくめて、部屋の片隅へ行くと、素早く戻り、何かをエイムズさんの目の前に持ってきました。
これは・・・
あれです、あの魔女アディの実験体13のローブです。
エイムズさんは、目の前に出されたそれを初めは鬱陶しそうにしていましたが、ローブの紋章を見つけた途端、ひったくるようにその手に取り、テーブルの上に何かの紙を広げて調べ始めました。
私はなんとかエイムズさんから解放された事にホッとしました。
「ユーリ。大丈夫か? もう動けそうか?」
「はい。まだ少しだるいですが、もう動けます。ありがとう、アーク。」
私は少し手を動かして手を握ったり広げたりしてみました。
あの後、しばらく体が動かなかったのです。
全身疲労状態とでも言いましょうか、腕も上がらなかったし、指も少ししか動けなくて、こんな事は初めてだったので、とても驚きました。
なので、今私はベッドの上で上半身を起こした状態でいます。
「ユーリ。何があったか教えてくれるか?」
「はい。」
私は宝石屋さんで、ラピスラズリ石を投げ飛ばしてしまって、困っていたらエイムズさんに助けてもらったこと、エイムズさんが作った魔道具の 見極めの部屋 にいた事、黒い魔石から何かが向かってきたので、結界とホーリーした事を話しました。
アークは真剣な表情で私の話を聞き、ちらっとエイムズさんへ視線を向けた後、もう一度私を見て口を開きました。




