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「魔道具を見たことありませんか? ユーリはどこからきたのですか?」
・・・
さて、どうしましょうか。
ここは、記憶喪失にしちゃいましょうか。
私が悩んでいると、エイムズさんがものすごく冷ややかな目をして言いました。
「ユーリ。私は好奇心が強く、探求心があり、知識と、自作の魔道具によって、何が何でも必ず真実を突き止めます。秘匿されている事は特に強く知りたいのです。真実を知る為ならたとえどんな事でもしますね。今の私の興味はすべてあなたに向かっていると申し上げておきます。」
あ・・・
これ・・・・
あかん人です。
私は一気に冷や汗が背中を伝うのを感じました。
怖いです。
この人きっと、どこまでも執着して、何が何でも真実を全て知り尽くすまでなんでもする人なのでしょう。
自分で言ってる時点で怖いです。
「と、まぁ、少し牽制させてもらいましたが、嘘偽りに関して、この部屋で話す事はおすすめしませんよ。この部屋は、私の作った魔道具の中で特によくできています。私の質問に、真実のみを答えてくださいね。」
エイムズさんは、そう言うとニッコリ素晴らしい笑顔を見せました。
うん、本当にいい笑顔なんですが、目が怖いです。
獲物を見つけた獣のようなギラギラした目をしてます。
私、なんでエイムズさんにこんなに興味持たれてるのでしょうか。
何かしましたか?
アーク・・・助けてください・・・
私は心の叫びもむなしく、エイムズさんの獲物を見るような瞳にただただ怯え、嘘偽りはダメと言われたので、とにかく無言でいるしかありませんでした。
そんな私を見て、エイムズさんが大きなため息と共に口を開きました。
「ユーリ、あなたのその選択は賢いですね。無言でいる限り、嘘偽りもなく過ごせますからね。先ほどの話の続きにもどりましょう。魔道具を作る材料に魔石が必要なのですが、魔道具を知らないということなので、この部屋の魔道具をお見せします。」
そう言うと、エイムズさんは、どこからか小さい木の箱のようなものを取り出しました。
手のひらサイズです。
「この中に魔石から作った魔道具がありますが、直接手を触れてはいけません。私にのみ反応するように作っていて、今作動中ですので、壊されないように少し反撃するようにしてあります。」
え、何それ怖いです。
私も結界したほうがいいのでしょうか。
「開けますね。これがこの部屋を作る魔道具、見極めの部屋 です。」
エイムズさんが、小さい木箱の蓋をスライドさせて取り除くと、中にはとても綺麗な三角錐がありました。
半透明なガラスのような何かで作られた三角錐の中に、大きな黒い石が見えます。
全体的にキラキラと光っていて、とても綺麗です。
「黒い魔石が見えますか? この魔石はとても貴重で、最近入手したのですが、今まで見た中で最高のものです。濃度も色も大きさも今までで一番ですね。その効果は素晴らしいですよ。さて、あまりこの魔道具の性能を教えるわけにはいきませんが、これで、この部屋を作っているのは分かりますか?」
「・・・部屋を作っているとはどういう事でしょうか?」
「この部屋は、まず扉がありません。私がこの魔道具を発動している限り、この部屋から出ることができないのですよ。解除すれば、この部屋は消えます。そうすると、さっきいた場所に戻ることになります。」




