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私は、アークの側までこわごわ近づいて行きました。
「ユーリ。一人にしてすまない・・・。」
アークは私に背を向けたままそう言うと、すっくと立ち上がりました。
アークの側には、黒く焼け焦げたような跡と、青黒い何かが広がっていました。
少し離れた場所にも、黒く焦げたような跡と、茶黒い何かが見えました。
「ユーリ、これ、何色に見える?」
アークは青黒い場所を指さし、私をじっと見つめて言いました。
「青黒いです。」
私が見たまま答えると、アークはまた少し考え込んでしまいました。
「こっちはどうだ?」
今度は少し離れた場所を指さしました。
「茶黒いです。」
「そうか・・・」
アークはそれきり何も言わなくなり、何度か注意深く周りを見渡していました。
「・・・待たせたな。行こう。」
真剣な表情をしたアークを見ると、何も聞けなくなりました。
私は黙ってアークに着いて行くしかありませんでした。
着きました!
都市イスラです!
結局あれから、アークは表面上はいつも通りに振舞っていましたが、何かをずっと考え込んでいるようでした。
私がいるからか、途中村の宿屋で一泊し、一日歩いて、今やっと到着したのです。
大きいです!
ランドークの町の何倍もあります。
イスラも綺麗な石造りの街並みで、きちんと区画整理されていました。
「まずは、冒険者ギルドへ行く。親父がいればいいが・・・」
アークの言葉を聞き流しながら、私は広がる色んな店に目を奪われていました。
道中の暗い気持ちを払拭するように、私は何もかも忘れたくて浮かれていました。
見たこともないような品物が並ぶ中、色とりどりの綺麗な宝石が並んでいる店がありました。
私は吸い込まれるように並んだ宝石の一つを手に取りました。
紫色に輝くその宝石は、私の手の中で淡く光ったのです。
「アツッ・・・・」
急激に熱を持ち、思わず声をあげ、私はその宝石を放り投げてしまいました。
あ。
投げちゃいました。
売り物なのに・・・
「おいおい、嬢ちゃん、今、ラピスラズリ石、放り投げたよな?」
店番のおじさんが、慌てたように飛んできて、鋭い目つきで私に問いかけました。




