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「私・・・アークと一緒にいたいです。出来るなら一緒にこの世界を見て回りたい!」
アークの力強い瞳を見ていると不思議と勇気をもらえた気持ちになりました。
一緒にいたいです。
アークと一緒にいたいです。
ファンタジーな世界をもっともっと見て回りたいです。
私は知らず知らずのうちにアークの手をぎゅうっと握り返していました。
わがままを言っても許されるのでしょうか。
甘えてもいいのでしょうか?
「ユーリ。」
うわっ
ちょ
まっ
信じられません。
こんな笑顔あってもいいのでしょうか。
感情ダダ漏れです。
満面の笑みというのをはじめてみました。
本当に嬉しそうに笑っています。
見てるこっちが恥ずかしいです。
「俺と同じ気持ちだなんて嬉しいぞ。一生側にいろよ。」
え?
いや、その、なんか微妙に違いませんか?
あれ?
私一生って言いましたっけ?
あれれ?
「よし。夕飯食べ行くぞ。そうだ、今度からは兄妹じゃなく、夫婦って言うからな。」
え?
いつのまにそんな話になりましたか?
え?
ええ?
アークは、あたふたする私を目を細めて面白そうに見ていました。
「か、からかわないでください。アークはやっぱり悪い大人です!」
私はようやく、からかわれたことに気付き真っ赤になりました。
アークは上機嫌でにやにやして、ほら行くぞ、と言いながら私の手を引っ張りました。
結界!と言いたい気持ちになりましたが、ぐっと我慢して着いて行きました。
おいしいご飯食べる事だけ考える事にしました。
夜、一人で眠れずに窓の外を見ていました。
あれから、結局宿の食堂でご飯を頂きました。
少し薄味で、メインはお肉でしたが、生野菜のサラダもついていて、かなりボリュームのあるおいしい料理でした。
お米はなかったですが、白い丸いパンは食べ放題でバスケットに山盛りでした。
食べ終わると同時にアークは何処かへ行ってしまいました。
部屋から出るな、すぐ戻る、と念押ししながらでしたが。
こちらの世界にきてから、2回目の夜です。
長い長い一日でした。
初めは、ファンタジーな剣と魔法の異世界に来れて、浮かれていました。
アークの話を聞いて、色々と不穏な事が起こっているのを感じました。
私はこの世界でどうすればいいのでしょうか。
何かできることがあるんでしょうか。
アークは私のステータスがでたらめだと言っていました。
見たことも聞いたこともないと言っていました。
私にしか出来ない何かがあるのかもしれないです。




