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突然、アークはスッと表情が真剣になり、姿勢をただし、射るように私を見ました。
「俺のことも話そう。少し長くなるがいいか?」
アークはそう言うと、ぽつりぽつりと話してくれました。
この世界は、海の上にドーナツ型に大陸があるそうです。
ドーナツ型の大陸は大きく4つに分かれていて、アークは私が具現化した紙におおまかに地図を描いてくれました。
ドーナツ型は、大陸続きなわけではなく、大きさもまばらではありましたが、おおまかに上下左右に分かれ、それぞれに大陸名がありました。
この世界自体に名前はないそうです。
星という概念もないそうで、海の向こうへ行った者はいないそうです。
上下左右の大陸を東西南北として、北にセルバ、南にオロス、西にアルス、そして今いる大陸で、東にイスラと言うそうです。
なんと、龍族や魔族、エルフ、ドワーフ、獣人、妖精など、さまざまな種族がいるそうです。
会えるのが楽しみです!
悪魔や天使、魔王、勇者はいないそうです。
話せない知能の低い動物や一部の植物達を総称で魔物と呼んでいるようです。
なので、ニワトリも魔物です!
変な感じしますが、異世界だから違うのは当たり前なのかもしれません。
冒険者ギルドもあるそうで、聞いたときは嬉しさのあまり飛び上がってしまいました。
アークのびっくりした顔面白かったです。
冒険者になれるなんて楽しそうでわくわくします!
アークによると、おおむね世界は平和だそうです。
イスラは、なんと、いわゆる資本主義だそうです。
王様とか貴族はいないとのことです。
議会があり、選ばれた議員による議決をもって理を決めているようで、感覚は日本と同じです。
今いるイスラは、そのままイスラ国として知られているそうです。
様々な種族が生活していて、丁度いいバランスだそうです。
もちろん、奴隷制度もないそうです。
よかったです。
北のセルバは、広大な森が広がっていて、未開の地だそうです。
強い魔物が多く生息していて、魔の森とも呼ばれているけど、その多くは謎らしいです。
南のオロスは、雲の上までそびえ立つ高い山々に囲まれていて、内陸へ入った人はいないそうです。
こちらも未開の地で、三百年に一度、オロスから龍が飛んで来ると言われているけど、実際に見た人はいなくて、伝説になっているそうです。
西のアルスは、どうやら魔族が好んで住む環境にあるらしく、イスラから最も離れていることもあって、あまり知られていないようです。
たまに変わった魔族が気まぐれに訪れたりするそうですが、問題を起こすわけではなくてただ単に観光していくようです。
魔族と言っても恐ろしいわけではないようで、ただ違う場所に住む種族としてあるようです。
怖くないないようなので、機会があればぜひ会ってみたいです!
世界はおおむね平和だという言葉に納得していると、アークは声を落としてここからが俺の話になる、と続けたのです。
「数年前から少しずつ世界が変わっていった。
初めは小さな変化だったのだろう。
気付いた時には、どこまで広がっているのか把握できず、すべてが後手に回っていた。
今でも何が起こっているのか、全く分かっていない。
俺の父は都市イスラのギルドマスターだ。
元ランクSS冒険者でいろんなことを教わった。
幸いにして、俺は赤の妖精と契約できたので、魔法剣士をしていた。
去年あたりからギルドの護衛依頼が、徐々に増えた。




