16
アークは驚いた顔をした後すぐに表情を緩め、こちらこそよろしく、と右手を差し出した。
握手ですか!
握手の習慣ないです。
でも出された手に答えないわけにはいきません。
おずおずと右手をだし、握手をしました。
アークは思ったより大きい手をしていました。
それにとても力強かったです。
「ユーリ、その、いくつか聞いてもいいだろうか。」
無事握手できてほっとしていたら、アークが少し緊張したように聞いてきた。
「もちろんです。何でも聞いてください。私も色々聞きたい事いっぱいあります。」
にっこり笑いながら、何を聞こうかと考えていたら、次のアークの言葉に固まってしまいました。
「ユーリ、まず、このベッドは何だ? から揚げはどうやって作ったのだ? 見たところ道具も何もないように見えるが・・・俺の魔法もナイフもどうなったんだ? 俺の傷はどうやって治した? 変わった格好をしているが、どこから来た?・・・ユーリは何者なんだ?」
・・・・えっと・・・・
どうしましょう。
こうゆうときは・・・・
笑ってごまかします!
私はひたすらニコニコと笑顔でいました。
愛想笑いは得意です!
悲しい時もつらい時もどんなときでも、笑えるのです。
ニコニコと幸せそうに笑うのです。
しばらくそうしていたら、ふぅっと緊張を解いたように、はぁっ~とアークはため息を吐きました。
「・・・・・・・ユーリ。答えたくないならそれでもいいが・・・」
アークは何やらぶつぶつ呟いています。
答えなくても大丈夫そうだと思ったので、次は私の番です。
「えっと、アークはどこから来たんですか? 追手の暗殺者って命狙われてるんですか? 理由はなんですか? こんなに小さいのに命を狙うなんて絶対許せません! あ、アーク
はいくつなんですか?家族はどうしてるんですか?・・・・・」
質問はつきませんでした。
はい。とにかく、聞きまくっちゃいました。
今度は、アークの番でした。
唖然とした後、ハッとしたかと思うと、にーっこりと天使のように微笑んで、後はただただニコニコ
していました。
お互い、知られたくない事いっぱいでした。
詮索はなしにしましょう!
私もにっこりと笑いました。
質問はお互いスルーしましょう。
しばらくただニコニコしているだけの変な雰囲気の二人でした。
では、気を取り直して。
「アーク、近くに町か村があれば、行きたいのですが、教えてくれますか?」
「そうだな。おそらく、ランドークという町が一番近い。俺もそこに用事がある。今から出れば夕方には着くはずだ。」
「結構近くに町があるんですね。楽しみです。あ、でも、アーク体調はどうですか? つらいようなら私がおんぶして行きますよ。これでも体力には自信があります!」
「お・・おんぶ・・・って! いや、まて。俺をいくつだと・・・・あ、いや・・・・・」
アークは顔を赤くしたり青くしたりしながら、何かぶつぶつ呟いています。
なんでしょう?




