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男の子が寝ている間に、私は午前中に手に入れたニワトリの肉でから揚げを作りました。
一羽分の鶏肉だけ使ったのですが、大きいニワトリだったので山盛りです。
小皿二つに少量ずつ分けながら、つまみ食いしてました。
調理スキルは最高です!
おいしいものを食べると、幸せを感じます。
「おい。」
いきなり背後から男の子の声が聞こえて、心臓が止まるかと思いました。
咄嗟に振り向いたら、少し困ったような顔をした男の子が立っていました。
「起きて大丈夫ですか? 背中はどうですか?」
初めて使ったヒールで見た目の傷は治っていたけど、実際はどうなのでしょう。
本当に大丈夫かどうか分かりません。
「頭くらくらしませんか? 食べれるようなら、一緒にから揚げ食べましょう。」
あんなに血がでていたのですから、貧血になるのではないでしょうか。
肉を食べるべきです!
から揚げの乗った小皿を男の子に差し出して、無理やり持たせました。
男の子は戸惑いながらも反抗する様子もなく、ただ私の方を見ていました。
私はもう一つの小皿を手に取って食べ始めました。
「やっぱりから揚げはおいしいです。」
私は幸せな気持ちになってぱくぱく食べていました。
男の子はまだ戸惑っているようでしたが、つられたようにから揚げを一つ食べました。
「・・・・・・うまい!」
男の子は、心底驚いたように一言呟いたと思ったら、ものすごい勢いであっとゆう
まにお皿のから揚げを平らげていました。
もちろん、おかわりのから揚げを追加で足してあげました。
「・・・・・・すまなかった。」
追加のから揚げもあっとゆうまに平らげた男の子は、姿勢を正し、まっすぐ私を見て言いました。
心の底から申し訳なさそうにしながら、ただまっすぐ私を見ていました。
私は改めて男の子を見ました。
男の子はサラサラのやわらかそうな綺麗な金髪で、肌の色は透明感のある白、すべすべしてすごくやわらかそうです。
整った眉は、同じく金色で、意思の強さを表すようにきりっとしていました。
彫の深い印象的な瞳は、吸い込まれそうな赤色で、とても綺麗です。
スッと通った鼻筋に、綺麗なピンクの口はギュッと食いしばるようにして唇をかみしめていました。
「追手だと思ったから、やられる前にやるしかないと思った。」
え?
追手?
「・・・そういえば、いきなりナイフ飛んできましたね。死ぬかと思いました。」
うん。いや、本当です。
無敵結界様のおかげでした・・・
今から思うと、手負いの獣だったのです。
むやみに近づいてはダメってことです。
あんなひどい怪我してたら、意識ももうろうとしてたはずです。
「でも、急に近づいた私が悪かったのです。命の危機だったなら仕方ないです。」
「・・・・・お前・・・いや、その・・・。」
「そういえば! 私、優里といいます。あなたの名前教えてもらってもいいですか?」
なんと言っても、初めて出会った人です!
何があっても仲良くしたいです。
この世界のこと色々教えてもらいたいです。
「俺は・・・・アーク。ユーリ、先ほどのこと、本当にすまなかった。」
「アーク、よろしくです。済んだことは忘れます。それよりお友達になってくださいませんか?」




