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転生しました。乙女ゲームに

転生しました。乙女ゲームに2

作者: 朱莉

「転生しました。乙女ゲームに」の続編です。


思いついたので・・・・・・


皆様、こんばんわ。翡翠凛音です。

ただいま、【妖狩り】の最中です。学園の裏にある山の中を絶賛捜索中。

今回のターゲットは鬼。力をコントール出来ずに暴走させ、意識がなくなってしまったようです。

【妖狩り】でターゲットにされるのは、暴走した場合と意識がなくなってしまった場合。先祖返りで意識がなく、なおかつ【アウト】と判断された場合には、殺して埋葬することもあります。

そうゆうのは、【上級ハンター】の方々がやることになっているので、高校生の私たちには回って来ることはとてつもなく低い確率でありません。あったとして1%くらいです。きっと。


さて、ここは【乙女ゲームの世界】です。これは、夕方に説明させていただきました。

今は夜です。真っ暗です。妖の血というのは便利で、夜でもバリバリ見えます。

【先祖返り】でなくとも、人とは少し離れた身体能力があるんですよ。【先祖返り】の方々はこれよりも優れた身体能力に【妖】または【悪魔】の力を使うことが出来ます。


「姉さん」


・・・・・・とっ、少々失礼します。


「なーにー」


「いたよ」


指をさして伝えてくるのは、双子の弟のりょうです。攻略対象です。

指をさされた方を見ると、3~400m離れたところにターゲットの姿がありました。

意識がほぼなくなった様子で瞳が血走っています。気持ち悪いですね。ぶっちゃけちゃうと。

今回は先祖返りの暴走などではなく純粋な妖の暴走なので、消滅させれば完了です。簡単に言うと、殺してきてくださいってことです。命を絶てば妖は時間がたつと勝手に消滅しますので。


「気づかれてない様だし、いこうか怜。さっさと終わらせないと。課題終わってないんでしょ?」


「・・・もともとそのつもりだし」


・・・・・・少し、すねてしまったようです。

おもしろいから気にしませんが。


「姉さん、いくよ」


「はーい」


その瞬間、怜の瞳が淡く輝きだしました。私はそれを確認すると、ターゲットに向かって一直線に走り出します。

私たち【翡翠家】は【雪女】の血を受け継ぐ一族。【氷】を扱う能力が怜にはあります。

怜の力でターゲットの足を凍らせ動けなくし、私が両手首を切り落として、その次に小さくけれどそれなりの深さのある傷をたくさん作って、さらに動きにくくしていきます。

ちなみに私の武器は薙刀です。

親友に、段持ってんだったら薙刀使えばいいよ、と言われて、戦闘でも使えるように訓練してもらったんです。

ターゲットに話を戻しましょうか。傷により血が足りなくなり動くに動けなくなったターゲットに、私の倍の速さで駆けてきた怜が心臓に刀で一刺ししました。完全に絶命したようです。これで仕事は終わりになります。

怜は私にとどめを刺すことを許してくれません。はじめて仕事をしたときに吐いたのが原因のようです。もう小さい子供ではありませんのに許してくれないんです。慣れて吐くこともなくなったのに。なんなんでしょうかね、このシスコンをどうにかしていただきたいものです。ん?心配性の間違いではないかって?私にとってはシスコンも心配性も変わりありません!


「早く帰ろう、姉さん。俺、めっちゃ眠い」


「課題やらないとでしょ」


「う・・・・・・」


私はその様子に少し笑ってしまいました。

先ほどまでの緊張が嘘のようです。はいはい、そのような感じはなったく感じられなかったと。そんなことはありませんよ、戦闘中は真剣にやっていました。感じられなかったのは、私の表現力があまり良くないということで許していただきたいです。


「まぁまぁ、帰ろう。明日、起きられなくなっちゃうのは事実だし」


「うん」


では帰ろう、と動き出したその時です。遠くの方から悲鳴が聞こえました。

怜と私は顔を見合わせます。


「今日、何日だっけ?」


「7月16日だよ」


「ってことは・・・・・・」


「イベントだね」


そうです。イベントなんですよ。蛍を追いかけてたら山の中に入ってしまい、そこで妖に殺されそうになったところで攻略対象たちが現れて、妖を能力を使ってパパッと倒したところをヒロインはがっちり目撃してしまい、攻略対象達が先祖返りであることを知るという・・・・・・

そんなイベントです☆

どうせ、怜以外の攻略対象が向かうだろうから問題ないでしょう。正直、関わりたくないんですよ。

そもそも、蛍追いかけて山に入っちゃいました、とかありえないだろって勢いだと思うんですよ。皆さん、どう思われます?周り見えてないとか、事故が起きる確率とか桁違いに上がるじゃないですか。眼科行って治療して来いよってレベルですよ。しかも、なんでこんな時間に外にいるんだよって思いません?


「帰ろうか、姉さん」


「そだね」


「一応、大丈夫だろうし」


「怜よりかは完全に弱いけどね。四人もいればどうにかなるでしょ」


怜はあの四人より数段強いです。何があったか分からないのですが、親友と怜の間で何かが小学校のころにあったらしく、親友が怜に力の使い方を訓練させるようになったので、力の使い方のなってない四人とは違うのです。

親友曰く、力を持て余しすぎて四人は力が引き出せてない、と言っていました。

なら教えてあげればいいのに、と思うのですが、私にメリットがない、と一刀両断されました。

ならば、怜に力の使い方を教えるメリットはなんなのでしょうか?謎だらけです。


「一応、遠くから覗いてみる?なにかあったら俺らにも被害が来るよ」


「それもそうだね。1キロくらい離れたところからちょっと覗いて帰ろうか」


イベント現場の方へ向かって走ります。忍者のように。音を立てずに走る方法も親友に仕込まれました。スパルタで・・・・・・

1キロ手前あたりで止まり、覗きます。普通は見えないのですが、そこは妖の血のおかげでばっちり見えます。

倒し終わって説明をしているところのようです。この状況なら大丈夫でしょう。四人は細かい傷がみられますが。


「大丈夫そうだね、怜」


「帰ろうか」


「うん」


今度こそ帰るために歩き出します。

一瞬、副会長である零治と目が合ったような気がしましたが気のせいでしょう。そう願いたいです。

なぜか殺気を放ち始めた怜を見てみると、零治に向けて睨みつけていました。どうしたのでしょうか?


「怜」


一度足を止めて声をかけると、一変して表情が柔らかくなりました。これなら問題ないでしょう。

私は時間が時間なので走り出します。怜は横に並ぶようにして走ります。目指すは学園です。慣れているので迷うことはもちろんありません。

学園に着きました。そのまま職員室に向かいます。報告をするためです。先祖返りが通う学園なだけあって、職員には数名の上級ハンターの方が在籍しています。暴走とかされたら大変ですからね。

報告が終われば家に帰ることになります。この学園には寮があるので、私たちはそこに住んでいます。全国各地から集まりますからね。先祖返りが。自宅からの登下校も出来るので、家から一時間以内に通うことが出来る人は寮を使う人はいないですね。おかげで無駄に男子寮・女子寮ともに部屋が余ってます。

怜と寮の分かれ道まで一緒に行くと親友が待っていました。仕事は終わったようです。なぜかお腹を抱えて爆笑しています。

親友は私たちを見つけると、笑うのをこらえているせいか震えた声で


「ドwwドンマイwww」


と声をかけてきました。

何の事だか私にはさっぱりわからないのですが、怜は分かったようで顔をしかめています。

怜はそのまま自分の寮へと帰って行ってしまいました。

親友へ視線を向けるとまだ爆笑しています。何がそんなに面白いのでしょう?

まぁ、気にしていたら埒が明かなくなることがあるので気にせず自分の部屋へ戻ろうと思います。

付き合っていただきありがとうございました。それでは。



続けるとしたら、次回は怜視点で書きたいなぁ

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