28 ~ついてきた何か~
とある日のこと。
父親が病気で入院したということで、Aは病院に向かった。
その病院は今まであった古い病棟に、新たに病棟を建て増ししたつくりになっており、父親はその新しいほうの建物にある病室に入院していた。
Aは、その病室に向かうため、エレベータに乗ることにした。
というのも、建物の構造上、その新しい病棟に向かうにはそのエレベータが近道になったのである。
Aは、上へ向かうボタンを押し、エレベータを待った。
やがて、エレベータが自分のいる1階へとやってきた。
扉が開き、Aはエレベータへと乗り込む。
Aが扉を閉めようと閉ボタンを押した。
すると、扉は普通に閉まろうとして・・・・・・そして、開いた。
エレベータには自分しか乗っていないし、誰か乗り込んでくるのかと思って待ってみたものの、誰も乗り込んでくる様子もない。
外に顔を出してみるが、フロアには誰もいない。
「いたずらかな・・・?」
そう思ったAは、再び閉ボタンを押す。
今度は扉が閉じ、目的の階へと向かって上っていった。
幸い、父親の病気は大したことなく、すぐに退院できるとのことだった。
安心したAは、お見舞いを済ませ、帰ろうと再びエレベータに乗り込んだ。
そして、閉ボタンを押した・・・・・・が、扉は閉まりかけたと思ったらすぐに開いた。
Aはすぐに閉ボタンを押しなおしたが、扉は閉まらない。
Aは何気なしに開ボタンのほうを見てみた。
すると、開ボタンのほうが、まるで誰かが指で押さえているかのように奥に沈みこみ、そしてボタンが押されているランプも光っていた。
さすがに何かがおかしいと感じたAは、すぐにそのエレベータから飛び出した。
すると、先ほどまでずっと開いていたエレベータは、まるで何事もなかったのようにその扉を閉ざした。
気味が悪いと思ったAはそのエレベータを使わず、遠回りになるが、階段を降りて病院を後にした。
自宅のあるマンションに帰ってきたAは、自分の部屋のある階に向かうため、マンションのエレベータに乗り込んだ。
閉ボタンをAは押した。が、扉はまたしても閉まらなかった。
気味が悪くなったAは閉ボタンを連打した。
しかし扉は閉まらない。
Aがボタンを押し続けていると、やっと扉が閉まり始めた。
Aがほっとして、扉のほうを見ると・・・・・・
「待ってよ・・・ぼくもエレベータに乗せてよ・・・」
血まみれになった少年が、扉に挟まれてもがいていたのだ・・・・・・




