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24 ~コインロッカー・ベイビー~
ある女性が、不本意な妊娠をしてしまった。
だが、相手が誰なのかわからない上に、そんなに子どもを欲しがってもいなかった女性は、産んだその赤ん坊を駅のコインロッカーの中に放置してしまった。
それから5年ほどの間は、自分の犯してしまった罪から、そのコインロッカーの近くへと近づくことはなかったが、ある日、どうしてもその近くを通らないといけない事情ができてしまった。
女性がその近くを通ろうとすると、コインロッカーの近くで男の子がわんわんと泣いているのを見つけた。
どうやら、親とはぐれてしまったようで、周りには男の子のほかに誰もおらず、男の子は1人で泣いていた。
なんだか可哀想に感じた女性は、男の子に話しかけた。
「ねぇ、ボクどうしたの?」
しかし、男の子は何も答えない。
「大丈夫? 怪我とかしてない?」
だがやはり、男の子は答えを返さない。
そして女性は聞いた。
「ねぇ、お母さんは?」
すると、男の子が口を開き、答えを返した。
「お母さんは…………おまえだっ!!」




