23 ~コトリバコ~
ある地域で、土地の権力者から虐げられ、迫害を受けていた村があった。
村人たちは権力者に対抗する為にある寄木細工を作った。
寄木細工の出来はとても美しかった。
権力者へ村人から寄木細工が送られた。
コトリバコのデザインは女子供が好むようなものだったという。
「この箱はコトリバコと申します。」
村長は権力者へ箱を献上する時にそう言った。
権力者はコトリバコの美しさに魅了されて村長を褒め称えた。
権力者の娘もコトリバコを気に入って愛でていた。
しかし、その日から権力者の家族には不幸が続いた。
まず、権力者の娘が急に苦しみだすようになり、血を吐きながら死んで行った。
娘の内蔵はズタズタであったという。
権力者の妻や家にゆかりのある女子供が同じような症状で次々に死んで行った。
しかし不思議な事に不幸に見舞われるのは、みな、コトリバコに接触したものばかりだった。
権力者が途方に暮れていると村長がやってきた。
権力者が村長に事情を話すと村長は驚くべき事を口にする。
「それはコトリバコの呪いでございます。我々への迫害と虐待をやめて箱を捨てれば呪いは解けるでしょう。」
権力者は村長の言う通りにするしかなかった。
村長は自由になったが村でのコトリバコ製造は辞めなかった。
コトリバコは寄木細工に見えるが中には動物の雌の血で満たされたスープの中に間引きされたこどもの指や内蔵などが入れられている呪いの箱であったのだ。
コトリバコは1860年代から13年間製造し続けられたという。
しかし、ある日村に悲劇が襲う。
コトリバコは厳重に管理されていたはずなのだが、ある日子供が勝手にコトリバコを持ち出し、血を吐きながら苦しみ抜いて死んでしまう。
コトリバコの脅威が身内にも及ぶ事を知った村長はコトリバコを封印する事を決意するがコトリバコの呪いは長いもので140年もの間続くので、村人を何組かの班にわけ悪用されないように点在する神社に管理を依頼し、班同士のメンバーは決して他の班のコトリバコと接触しない掟を作った。
もちろん女子供への接触は御法度となった。
しかし、近年神社の倉を整理したときにコトリバコが出てきて、誰かが持って行ってしまったという。
呪いは継続したままだが誰もその寄木細工の正体を知らずに。
コトリバコの行方は誰も知らないままである……




