1 ~祟る山~
この日本の何処かに、”地蔵山”という山があるらしい。
この”地蔵山”という名前はあくまでも俗称であり、地図などにはつまらない名前で掲載されている山だそうだ。
この地蔵山、実は祟られた山らしく、昔の大富豪が自分の富と名誉を讃えるために、黄金の地蔵を埋めたと言われている。
掘り起こした何人もの人が死んでいるのだとか。
この噂を知る人はその村でも本当にごく少数で、その山が地蔵山だと知らずに暮らしている人が多いらしい。
ある成金親父が、金の地蔵を掘り起こすために、山ごと崩して探したそうだ。
残念ながらそこに黄金の地蔵の気配は一切無く、貪欲な成金親父はその跡地にマンションを建てると言いだし、村人の反対を押し切り、工事は始まった。
工事現場に成金親父が訪れたある日、成金親父がコンクリートに埋まってしまった。
助けようと何人もの人が集まったが、成金親父の声はしない。
そのコンクリートをたたき割り、中から成金親父を救出しましたが、残念ながら成金親父は即死。
死因は窒息死であった。
その成金親父の体には、沢山のコンクリートがこびり付き、まるで地蔵のような風貌だったそうだ。