第四話
ヤッホー。
「何か、武装はないのか?」
「.......まだ、登録されてません」
俺の問いに無機質な返答が返ってくる。
戦闘モノには普通、特殊な武器とかあるんじゃなかったか?
「.......仕方ない。あれを使うか」
正直、あまり使いたくないが.......この状況では使うしかないだろう。
俺は天に向けて腕を挙げる。
そして、あれの名を叫ぶ。
「.......我が契約の元に今、現れれよ!聖剣エクスドラグーン!」
「おはよう」
「......おう、おはよう」
登校するとすでに、一葉は席についていた。
一葉の席は俺の隣の席になっていた。
「その..........身体はなんともない?」
「ん.....特にないけど」
「そう......それならいいの」
カバンから荷物を取り出し、授業の準備をする。
そしてホームルームの時間になった。
しかし、担任は現れない。
「.......遅いな」
結局、ホームルーム中には現れなかった。
外に出ていた数人の男子が叫ぶ。
「おい、みんな。他のクラスの奴らがいないぜ」
「なんか変な奴らがきた」
そして、女子の悲鳴が聞こえる。
教室に残っていた生徒が立って逃げようとした時だった。
「残っている奴らは全員席に座れ」
と、教室のドアが開かれ六人の男たちが入ってきた。
全員、覆面をしていて銃をもっている。
そのうちの二人は、大きなカバンを持っていた。
リーダーらしき男が前に出て叫んだ。
「騒ぐな!静かにしていろよ。わかるよな、騒げば容赦なく撃ち殺す。そうだ、静かにしていろよ」
クラスには俺や一葉を含め七人残っていた。
「そうだな......お前以外は出っていいぞ」
「.........俺かよ」
そう、俺だ。
「.........あの」
他のみんなが逃げる中、一葉は留まり言った。
「私も彼と残っていいですか?」
男たちはびっくりしている。
俺もかなり驚いてるし。
「まあ、一人ぐらいいいか」
「そうだな、かなり美人だし」
「おいおい。お前、人質に手は出すなよ」
男たちはなぜか盛り上がっていく。
「小僧、お前の彼女か?」
「いえ、違いますけど.........」
「良かったな。お前のことを思ってくれる人がいて....」
からかってきたリーダー的男が悲しそうに呟く。
「.........俺には.....いや、俺たちには家族がいてな」
「......はあ」
「みんな、子供や妻が病気にかかっちまって......大金が必要になってな。だから銀行襲ったんだが、ヒーローとかのたまっている奴らが追いかけてきて。迷惑だとは思ったんだが、ここに立て篭もることにしたんだ」
「なんで、朝っぱらから........」
どうやら男たちには聞こえなかったようだ。
男たちは全員泣いていた。
病気の子供や妻がいるのは本当なのだろう。
「出て来い、汚らしい銀行強盗ども!お前たちはここで終わりだ!」
突然、窓が割れ、一人の男が入ってくる。
男の名は........
「お前は.........プロヒーローのシュナイガーA!」
「いかにも。私が最強のプロヒーロー、シュナイガーAだ!」
らしい。
最強なのだろうか?
蝶をイメージしたようなマスクと右手にレイピアと呼ばれる剣を持っている。
だが、あまり強そうには見えない。
シュナイガーAは身体の線がかなり細いように見える。
「ということで...........死にたまえ」
「!」
いきなりシュナイガーAは目の前にいた男を一人、突き殺した。
「てんめぇ!」
「撃ち殺せ!」
男たちは持っていた銃でシュナイガーAを撃ち殺そうとする。
しかし、それはできなかった。
なぜなら、シュナイガーAが全員を殺したからだ。
「......さあ、お嬢さん。悪者は消し去りましたよ」
シュナイガーAの手が一葉を触ろうとした時だった。
カチッ
手元から音がする。
見ると一葉の手があの腕時計に触れていた。
「........まだ、そこに汚い男が」
シュナイガーAが俺を見つけレイピアを突き刺そうとした時......
「起動して、エクス!」
「............了解しました」
無機質な声が聞こえたかと思ったら、身体に黒い帯が何本も巻きついていく。
「なんだ、これは!」
シュナイガーAの驚きと共に、それは現れる。
その名も..........
「.......正義を破壊して、エクス!」
面白かったらまた読んでください。