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プロローグ
勇者はこれまでの苦労を思い出しながら魔王を睨む。
ボロボロの鎧と剣。
勇者は勝ち誇った笑みを浮かべる。
「遂に追いつめた。この一撃で決める」
「.......そんなもので私は倒れんぞ!」
「魔王め、これで最後だ!究極必殺、超次元爆裂切り!」
勇者は渾身の力で聖剣、エクスドラグーンを魔王に振るった。
刃は高熱で真っ赤に染まっている。
聖剣は魔王の肩に吸い込まれるようにして刃をたて.......凄まじい爆風が二人を襲った。
この技は自身の命を魔力に変え敵を葬る、という最後の手段であった。
そしてこの戦いの後、勇者と魔王を見た者は誰もいなかったという。