神様誕生!
「……ここ、どこだ?」
「あ、やっと起きましたね」
ぼんやりする視界の先にいたのは、一人の美少女だった。
「……誰?」
「天使のリリアです。今日から『神様』になるあなたをサポートするためにやってきました」
「……はい? 神様?」
寝起きの頭に、突拍子もない単語が飛び込んでくる。
「そうです! あなたは根源神様から直々にパワーを授かった、期待のニューフェイスなんですよ。おめでとうございます! さぁさぁ、さっそく神様デビューしちゃいましょう!」
「いや、急にそんなこと言われても……」
「大丈夫ですよ、心配ご無用! 分からないことがあれば、このリリアになーんでも聞いてくださいね♪」
自信満々に胸を張るリリアに、俺はおずおずと尋ねてみた。
「……じゃあ、とりあえず聞くけど。神様って、具体的に何をすればいいんだ?」
「基本的には自由ですよ。例えば、気に入った美女をさらって奥さんにしちゃったり、人々にデタラメな教えを信じ込ませたり、言うことを聞かない奴に呪いをかけたり……とかですね!」
「……えぇ、何その悪役みたいなラインナップ」
思わず引いてしまう俺に、リリアは不思議そうに小首をかしげた。
「あら、力とか、性愛とか、嫉妬以外に興味がおありで?」
「……もっとこう、あるだろ。人助けとか、誇れるような仕事がさ」
「ふふっ。皆さん最初はそう仰るんですけどね。その高い志のまま、だいたい奈落まで堕ちていくのがセットですから」
「……今、怖いこと言わなかったか?」
リリアは俺の不安を無視して、パンッと景気よく手を叩いた。
「ま、ちょうどいい『物件』がありますから。まずはそこへ行ってみましょう!」
「物件……?」
「では、飛びますよー!」
「えっ、ちょ、待っ——!?」
有無を言わさぬ勢いで、俺たちの体は光の中に飲み込まれた。




