表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/25

第二十五章 四大元素の間

あきの

「お姉ちゃん、相談があるんだけど……」

扉を開けた瞬間、あきのは言葉を失った。

姉は――エンビ服を着たヤギ顔の男に抱きつき、頬ずりしている。

「……ノックくらいしなさい」

目を閉じたまま、幸せそうに頬を寄せる。

「で、何の用?」

あきの

「草密邸の件なんだけど」

「まだやってたの、あの件」

あきの

「課長が……君には難しすぎた。姫に任せて、別件をやってくれって」

「アンタの次の仕事は?」

あきの

「この人を探すの。もののけの類かも」

写真を差し出す。

「コイン。この人、どこ?」

宙を舞うコインが写真を覗き込み――

セント

「似た人物が二人いる」

さらりと住所を書き、あきのに渡す。

「次はノックしてね」

あきの

「……何これ。なんで分かっちゃうの?」

「私の癒やしの時間を邪魔しないでちょうだい」

翌日

「また草密邸ね……めんどくさい」

セント

「霊体の処理は終わったよ」

「問題は中ね。ここから先、異空間になってる」

外見はただのビルの螺旋階段。

だが――

セント

「中二階へ行く階段が無い。

 しかも、逆回転の構造だ」

壁には四つの文字。

地・水・空・火。

セント

「四大元素の間……」

「入口が“地”、正面が“水”ね」

セント

「入口に杖。正面に石板――エメラルド・タブレット」

杖を持ち上げる。

「……ヘルメスの杖か」

その瞬間、横に扉が現れ、霧の中から牛が現れた。

「何……?」

手綱を求めるように近づく牛。

セントが握ると、牛は静かに歩き出す。

「地から、水へ――導いている」

石板を読むセント。

次の瞬間――

セントの身体が二つに分離した。

・水分だけのセント

・残りのセント(牛に乗る)

「セント……どうなっちゃうの?」

霧の中からゼウスが現れ、雷を落とす。

水のセントは

水素と酸素の気体となり、火の柱へ。

牛に乗ったセントは――

灰となって崩れた。

「三位一体……みたい」

気体は融合し、

燃え上がるフェニックスへと変化。

燃え尽きると水蒸気となり、

空の柱へ昇る。

再び雷。

光の中から――

完全なセントが現れた。

だが背中から黒い異物が抜け出そうとしている。

セントは剣でそれを斬り裂く。

黒は――

扉へと変わった。

「そうやって、上へ行くのね」

姫も続く。

しかし扉は開かない。

セントは――

扉の下をくぐり、上へ吸い上げられた。

「UFO!? 待って、私も!」

そこは

円形の空間。

まるでUFOのコクピット。

「……何かいる」

セント

「いるな」

「この前の道具(茅の輪)、出して」

・左にロウソク

・右に大きな銀杯

水を注ぐと――

銀の水面に何かが映る。

触れた瞬間、

円形の光が背中に吸い付いた。

セント

「セラフィム……天使の輪」

輪の先の、

イカのような存在に吸い寄せられる。

姫はそれを纏う。

セント

「ケルビム……」

姫はおでこを触り

「死者の額の三角布って、これのことね」

上へ行く道。

下へ落ちる道。

二人は――

落下を選んだ。

「この先は……冥界ね」

鍾乳洞

「出られなくなったかも……」

そこに――

草密家の御曹司。

御曹司

「助けに……来てくれたのですか」

「私たちも出口を探してるの。

 芥川龍之介の“蜘蛛の糸”みたいなのがあれば……」

御曹司

「でも天井に穴がない……」

セントの

天使の輪が壁を這い、

天井へ。

円形の雨が降り、

そこから――

七大天使が覗き込む。

セント

「……前にもあったな」

現れたのは

七色の螺旋階段。

三人は登る。

霧。

光。

そして――

草密家のリビング

すべて消えていた。

四大元素の間も。

御曹司

「ありがとうございます……

 生きて帰れないかと」

「あの世の入口と、繋がっていたのね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ