エピローグ
わたしは猫のムンキよ。この北欧風カフェ・午後三時のフィーカの看板猫なんだからね。
みんなからムンちゃんって呼ばれてる。まあ、バイトの岡辺明日香はあんまりムンちゃって呼ばないけどね。猫のムンキって普通に呼ぶわ。あの子は根が真面目なんだろうね。繊細でもある。いつも悩んでるけど、最近は夢が見つかって生き生きと働いてるのはいい事ね。
そんな明日香を店長はだいぶ前からお気に入りだったみたいよ。
わたしと二人っきりの時には、「危なっかしくて見てられない」とか「いい子がバイトに来てくれて良かった」とか言ってるの聞いちゃった!
こうして閉店後は二人でよくフィーカをしてる。前は全然そんな事してなかったのに、突然よ。ちょうど夏前あたりからだったかしら?
時々二人とも顔を赤ながらモジモジ話してたりするのよ。もう、見てるこっちが恥ずかしい。
たぶん、フィーカっていう口実がなければ、何の進展もなかったでしょうよ。全く、二人とも奥手なのもいい加減にしてほしいけど、今日はちょっと邪魔でもしちゃう?
わたしは二人のいるテーブルに近づくき、ミャーミャー鳴いてやったわ。
「わー、ムンちゃん!」
「ムンキ!」
二人とも慌てながら、わたしを見てる。明日香は飲んでるコーヒーにむせているぐらいだけど、まあ、いいか。
うん、コーヒーやシナモンロールのいい匂いも最高ね。今日もこうしてフィーカの時間が過ぎていく。
ゆっくりと流れる時間に、私もほっとするわ。
たまには少し休憩しても、迷子になっても、失敗しても、遠回りしも良いんじゃない?
きっとフィーカの時間があれば大丈夫。




