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君と雨と

作者: 雨とともに

コツコツと窓を叩く雨、

音が鳴っているはずなのに、いつもより静かに聞こえる不思議。

僕は何となく雨が降る外を眺めていた。

すると

「どうしたの?何かあるの?」

後ろの方から尋ねてくる声。

「別に、何もないよ。」

僕がそう答えると、

「なんだ、そんな真剣に見てるから何かあるのかと思ったよ。」

君は面白くなさそうに言う。

「ただ雨が降るこの景色が好きなんだ。」

君は自分の席から立ち上がり、僕の机に手を置いて僕と同じように外を見る。

「ふーん、雨なのに好きなんだ。」

そんな君を横目に見ながら、

「君は晴れの方が好きそうだもんね。」

そう言うと、君は太陽のような笑顔で

「大好きだよ、晴れてるだけで楽しくなるからね。」

と答えた。

確かに君には晴れが似合っている。

その明るい性格に救われている人は何人もいると思う。

僕もそのうちの1人だ。

「やっぱりね。」

僕がそう返す。

君はところで、と続けて

「なんで雨が好きなの?」

とそんなことを聞いてきた。

「雨は癒しであり、寂しさを持ってるんだよ。それが心地良いんだ。」

外を見ながらそう答える。

「よくわかんないや。」

難しそうな顔の君。

「とにかく落ち着くんだよ。」

そんな君を見て少し笑みがこぼれる。

窓から鳴る音が響く。

2人並んで外を眺める。

晴れの日とは別の世界。

少しだけ寂しくなる。

届かない君と一緒にいる時みたいに。

だけどそんな雨が僕は好きだ。

1年ほど前にメモに残していたものです。

気恥ずかしくも懐かしい気持ちになりました。

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