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私の彼女  作者: finalphase
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第2話 運命の席替え!

 私たちのクラスでは、席替えが行われた。くじ引きによるものなので、男女の組み合わせはランダムだ。私は席替えの結果を見て、驚いた。あの星宮南と隣の席だったのだから。初めて私の隣の席に座った彼女は、にこやかに挨拶をした。

「琴葉さん、よろしくね。」

それはこの前教室で見た彼女の姿とはまるで別人だった。彼女は、学校では模範的な優等生を演じているのだろう。その後、彼女にはいろんな分野で助けた貰うことになった。勉強や裁縫も教えてもらったし、グループの中に入ることに馴染めない私に気を遣ってくれたりもした。普段は頼りになる誰にでも気を遣えるキャラなのに、裏の性格、いや、本来の性格というべきか、私に対してきつい印象をも与えたミステリアスな雰囲気を醸し出してる彼女に、私はいつの間にか惹かれていた。だから、私は毎日のようにタイミングが良い時に彼女に話しかけた。ある日、彼女は言った。

「あんた、何であたしに話しかけてくんのよ?これじゃ毎日のようにあんたにきつい態度をとるあたしの性格が悪いみたいじゃない。」

「そんなことないよ。星宮さんは、勉強を教えてくれたり、私をグループに入りやすい雰囲気を作ったりしてくれる、とても優しい人だよ。」

私の言葉に暫く沈黙し、彼女がおもむろに口を開いた。

「いじめられてたからだよ。」

「え?」

「あたしね、小中学校の時酷いいじめにあってたの。その時のあたしは丁度今のあんたみたいな感じで、友だちもいなくて、良いとこもなかった。だから、表面上だけでも自分を変えようと思ったの。周囲から優等生として認識されればいじめられることもないと思ってね。あああ、調子狂うな全く。」

彼女はそう言って前髪をかき上げた。

 星宮南は、琴葉の姿を過去の自分に重ねてりたのだ。琴葉は確かに勉強も運動も苦手だし、友達もいないけれど、誰かが支えてあげないと生きていけ無そうで、何となく放っておけなかったのだ。過去の自分もそう思われていたかもしれない。それに、本人が気づいているかどうかは分からないが、琴葉はクラスの中でも1位2位を争う美少女だった。やはり可愛い子は同性でも魅力を感じる。琴葉と話していると、偽りの自分じゃなくて、本当の自分として素直な気持ちを露わにすることができる。南が琴葉に対してきつめの態度を取っていた理由はこのためなのである。


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