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#71 変貌

「へ、陛下!」

「え……反逆者に拉致されたんじゃ?」


 騎士達が狼狽する。何せ王城にいる騎士達は皆王に剣を捧げた騎士達だからな。剣の主とも言える王から“反逆者”と呼ばれればそれだけで平常心ではいられないだろう。


「私は故あって今、この者達と共におる。これは私の意思だ。そしてそなたらは今、私の前に立ちはだかっている!」


 ざわざわざわ……


 騎士達の間に更なる動揺が広がっていく。


「さあ、お前達は誇り高い我が騎士か! それとも誓いを破った反逆者か!」


 カラン、カラン、カラン……


 騎士達が次々に武器を捨てていく。流石陛下だ! 


(にしてもこの騎士達は誰の命令でここまで来たんだ?)


 差し向けたのはあの魔道士だろうが、あいつに言われて騎士達が動くとは考えにくい。直接命令を下したのは別の奴のはずだ。

 

「陛下に剣を向けるなんてなんてことを……」


「ハイネ騎士団長の言っていたことは間違っていたのか?」


 ん? ハイネ?


 俺が詳しく話を聞こうとした瞬間……


 バリバリバリッ!


 稲妻と共に黒い何かが現れた!


(コイツは!)


 俺が身構えるのと、黒い兜の男が切りかかってくるのは同時だった!


 ブン! ブン! ブン! ズドカーン!


 速く鋭い剣閃に加え、剣から走る雷……中々回避は困難だ。


「ちっ……相変わらずすばしっこい!」


 奴のつく悪態に答える暇さえない……いや、答えたいわけじゃないけど。


(速い上にまともに受けられないから厄介だな……)


 奴の剣の硬さは俺の剣の比じゃない。鍔迫り合いは勿論、まともに正面からぶつかったら俺の剣は真っ二つだ!


(こちらから攻めたいが……正直回避で精一杯だ!)


 かわすかいなすか……どちらかしか出来ないと動きのパターンが制限される。しかも、相手の速さもあって攻めに転じることが出来ないのだ。


(けど、見つけた……)


 ギリギリで回避しながら微かに見えたチャンス、それは……


「くそっ、さっさとくたば──ッ!!!」


 黒い兜の男が叫んだ瞬間、俺は奴の懐に飛び込む。勝負が決まらないとじれてくる。これがコイツの弱点だ!


(焦りは剣を鈍らせる……そして)


 振り下ろしかけた剣を素早く逆手に持ち替えて突き下ろしてくる。そう、急に距離を詰められたらそうするしかない!


(次の攻撃が読みやすくなる!)


 俺を串刺しにしようとする剣は確かに速い。が、どんなに速い剣でもあらかじめ分かっていれば……


 ザンッ!


 俺は全力で剣を振った! 奴の剣が頬をかすめ、そして……


「がっ、があああ!」


俺の剣が黒兜に深々とヒビを入れた! 

 

(き、決まった!)


 真っ二つとはいかなかったが、打撃は頭部に入ったはず! 畳み掛けるチャンスだ!


 ザン! ザン! ザン!



 小手、面、胴……綺麗に全てが入ると、黒兜の男は声も出せずにひっくり返った。鎧には深々とヒビが入り、兜からは僅かに奴の素顔が見えている。


(ん……コイツ、もしかして)


 兜のヒビから見えた顔に俺が何かを思い出したその時……


 ブブブブ……


 ヒビの入った奴の兜と鎧から不気味なオーラが立ち昇る!


”まさかここまで出来る奴だったとはね……びっくりしたよ“


 これは……あの魔道士の声!


”念には念を……とはいえ、まさかこれが役に立つとは思わなかったよ“


 黒兜の男は既に気を失っている。が、奴の体はまるで見えない手で持ち上げられているかのように宙に浮いた!


“だが、これでおしまいだ。さらばだ、奇跡の剣士。そして、愚かな王よ”


 ブブブブブブブブブブブブ……


 不気味なオーラは更に広がり、翼のようになっていく。そして、更に黒兜の男の中にも入っていく……


「がふっ……や、やめろ」


“お前の望みを聞いてやろうと言うんだ。何を躊躇う必要がある?”


「が……があああ……」


 男の目から血の涙が流れ出す。一体何が起こってるんだ!?


”……そうか、そうか。なら、お前に力をやるよ。望みのままに暴れるといい。化け物としてな“


 な、何ぃ!?


 ボゥ!


 不気味なオーラが爆発的には膨れ上がる! 


「あ、あばばばば!」


 オーラは男を飲み込むと次第にその形を変えていく。最初に翼、次に鉤爪のついた手、そして城の柱よりも太く、長い首の先には……


(これじゃまるで……)


 俺達の目の前にはクレアの何倍も大きなドラゴンが立っていた!

 いつも読んで頂きありがとうございます!

次話も頑張って書くのでよろしくお願いします! 

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