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#7 〈するするするりん!〉

 すみません! ジャンル別日間二位が嬉し過ぎて前倒しで更新してしまいました! 


 表紙にいれたらまた緊急更新してしまうかも! 「ストックなくしてやるぜ〜」という方は是非応援をよろしくお願いします!


※勿論「頑張れ〜」の意味の応援も大歓迎です!

(シデン視点)


(そろそろか……)


 夜遅くなるまで兵士達が忙しそうにガチャガチャと動いていたが、夜もふけると流石に静かになってきた。


“行くか”

“うん”

“ええ”


 二人も頃合いだと思っていたらしく、応えはスムーズだ。


「じゃあ、これで」


 サラが取り出したのは〈するするするりん!〉。見た目はただの輪っかだが、これをつけるとどんな壁でも通り道が出来るという優れものだ。


(名前以外はな……)


 お気づきかもしれないが、この直球すぎるネーミングはサラだ。サラは家事万端で、才色兼備のパーフェクト美少女だが、ネーミングセンスだけは……な。


 あ、ちなみにサラの便利グッズや荷物は全部小さなリュックに入っている。これも便利グッズの一つだ。


「凄い……一瞬で。まるで伝説の魔道具みたい」


 リアの言った魔道具とは魔法の力を封じた道具のことだ。これがあれば魔法を学んでいない人でも魔法を使うことが出来るという優れものなのだが、伝説によればある大賢者がその製造と使用を禁止。今は遺跡などで稀に見つかる程度になっているのだが……


(まさか独学で魔道具を作れるようになったといっても信じてくれるかな……)


 勿論エリザベス婆ちゃんの知識やサポートあってのものではあるが。


(いつか話さなきゃいけないが、今はその時じゃないな)


 とりあえず今はこの要塞を突破しないと!


「見取り図みたいなものがあると良いんだけど」


 皆が食糧貯蔵庫から出た後、〈するするするりん!〉を片付けながらサラがそう言う。が、まあそれは無理だろう。そんなものが分かるところにあれば、俺達みたいな侵入者がやりやすくなるだけだ。


(ま、サラもそんなことは分かってるだろうけど)


 見取り図がなければ自力で調べるか、誰かに聞くかしかない。さて、どうするか……


(……! 誰かくる!)


 夜更けでも巡回の兵士はいる。が、それとは明らかに違う感じだ。


(とりあえず身を隠して様子を見るか)


 俺は二人に声をかけた。


(ハイネ視点)


 イテテ……


 昼間の稽古でしこたま打たれたから体中が痛い。


(くそ、遠慮なく打ち込んで来やがって……)


 結果は惜敗。くそ、新兵ってあんなに強いのかよ……


(だが、所詮はまやかし。あいつの同族って訳だ)


 騎士団長の俺と新兵、どちらが強いかは明白。なら、この結果はまやかしのせいだ。考えなくても分かる自明の理だ。


(あのシデンとか言う奴と同じように辺境送りにしてやる)


 それにしてもイテテ……怪我をしてないアピールのために治療を断ったから打ち身が痛てぇな。


(どっかに薬草くらいあるだろう)


 そう思って誰もいない時間帯を見計らい、見取り図を片手に出てきたんだが……ここは食糧貯蔵庫か?


(しまった……道を間違えたか)


 暗がりだから見取り図を見間違えたか。まあ、それがなくてもこのくそややこしい道は迷うけどな。


(視察前に頭に入れとくとか絶対無理だろ)


 だから、要塞の見取り図を用意させたのだ。まあ、要塞の責任者には渋られたが、そこは権力の勝利だ。


(ついでに何か摘まむものでも探すか)


 何かないか……ん?


(人の気配……誰かいるのか?)


 くそっ……薬草を探してるところを見られるのは不味いな。


「誰かいるのか?」


 ……返事はない。気のせいか


(だが、一応もう一度確認しておくか)


 次はもっと出てきやすくなるような……そうだ、同じことを考えていると思わせよう。


「小腹が空いてな。もし、君もそうなら咎めるつもりはない。寝る前に一杯やろうじゃないか」


 くくく……とか言って大人しく出てきたところで許してはやらんが。


 ガタ……


 立ち上がる上がる音と共に人影が現れる。暗くて顔は見えないが……やはりいたか。


(不意打ちで昏倒させてやる)


 俺は騎士団長だから、当然帯剣している。俺の寛大な申し出に油断しきってるだろうから簡単さ。


「やっと出てきたか。ほら、一杯やろうぜ」


 とか言いながら右手は柄を握りしめる。この暗がりだ。見えるわけがない。


(こいつはスパイだったとかでっち上げればついでに俺の功績になるな)


 我ながら冴えた考え! 流石俺だ!


(真剣だが、まあ最悪死んでもいいしな)


 いや、死んだほうが言い訳もし易いし、都合がいいな。


「ほら、早くこっちへ」


 よし、間合いだ!


 その瞬間、俺は意識を失った。

サラ「私の便利グッズ、どれもお気に入りだけどやっぱり名前が一番の自慢だよね!」


シデン「……確かに他にはない名前だもんだ」


サラ「流石シデン! 分かってる〜!」  


 という会話があったとか無かったとか……


 ポイントやブクマがまだの方は是非ポチッとしてやって下さい! これからも更新頑張ります!

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