#67 メッセージ
”リア、これをお前が読んでいる頃には私は既に身動き一つ取れなくなっているだろう“
紙切れに書かれていたのはリアへのメッセージだ!
“恐らくお前は私の命が危ないだとか言われてここまで来てくれたのだろう。が、これは罠だ”
やはり……!
”私のことは気にせずにすぐに王都を出なさい。奴らの狙いはリア、お前だ”
っ!!!
“心配せずとも私は当面命の心配はない。どうやら奴らはまだ私に死んでもらっては困るようだからな。おそらくゲパルトも王都やこの国をまとめるだけの力がないのだろう“
ゲパルト……確かリアの命を狙った第三王子の名前だな!
“物言わぬ傀儡としての利用価値があるうちは私は大丈夫だ。お前は城を出てカートレット将軍を頼るのだ。そしてこの国を──”
メッセージはここで終わっていた。
「お父様……」
リアは一瞬紙切れを強く握ったが、慣れた手つきで火をつけて燃やした。これがもしリアを害しようとする奴らに見られれば王の命も危うくなるからだ。
(本当は手元に持っておきたいだろうに……)
もしかしたら、父親からの最後の手紙かも知れないんだからな……
(いや、そうさせてはいけない!)
例えどんな理由があってもこんなにお互いを想い合う親子を引き離したりしては行けない。
「やはり、か。確かに王の言葉には一理あるが……」
「ああ、このまま王を放っておくわけにはいかないな」
だが、どうしたら……
(魔道士の言っていることが嘘だと証明出来れば良いんだけどな……)
具体的には王の症状が病気じゃないとか、魔道士の特効薬は実は効かないとかだ。
(……そう言えば王の症状って何処かで見たことがあるような)
あれは確か……
「なら、王様を治してあの魔道士の嘘を暴くのが一番だね」
「父を……治せるのですか!?」
リアが驚いた声を上げると、サラは頷いた。
「いくつか確かめないといけないことはあるけど、多分大丈夫。だって、あれは……」
サラの意味ありげな視線で俺はようやく思い出した。あの症状、あれはあの魔物の……
*
(謎の魔道士視点)
(くくく……これでアイゼリア王女は終わりだ!)
治療に血が必要などというのは真っ赤な嘘だ。王の病気は俺が仕込んだ毒のせい。解毒薬があればすぐに治るんだからな!
(が、そんなことは分かるまい。何せあの方に教わるまで俺でも知らなかったんだからな!)
正体不明の難病……それに自分の血が必要となれば俺に従わざるを得まい!
(心配せずともすぐには死なせませんよ、王女。俺は矢面には立ちませんからね)
俺が王を治療したせいでアイゼリア王女が死ねば俺の不手際だと非難される。だから王の回復までは動けない程度には生かしてやる。そして、ほとぼりが冷めた頃に死んで頂く。
(その頃にはあの馬鹿王子を祭り上げる準備は出来ているはず。ああ、ここまで長かった……)
まさかここまで長くかかるとは思わなかった。計画にアクシデントはつきものとは言え、一体何でここまで修正を余儀なくされたのか……
(非常識な速さで遠征から帰って来たまでは良いとして……将軍はどうやってダラク山脈の要塞を突破してきたんだ?)
しかも、不落の名を欲しいままにしてきたバンラック要塞まで……
(高台からの砲撃やヴェルナール家の誇る魔導砲の攻略なんか物の数にも入らない行軍スピードだ。幾ら将軍でも不可能だろ、こんなの!)
情報を得ようにもあのハイネとか言う馬鹿騎士団長は”妖術だ“とか訳の分からないことを言うばかり。本当に役に立たない男だ。
(……まあいい。奇跡は何度も起こらない)
良くわからないが……何かあったんだろう。奇跡だとか偶然だとか言うしかないようなことが。
(それに今度ばかりは奇跡じゃどーにもならない。あの毒は俺とあの方にしか解毒できないんだからな)
フフフ……
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