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#6 〈小さくな〜る〉

 ジャンル別日間8位! 応援大感謝ッ!

 今日は断続的に更新しますが、基本的に毎日朝七時に更新したいと思います! 勿論緊急更新もあるかもなので読み逃し防止のためにもブクマをオススメします!

 

(シデン視点)


(ふぅ……何とか侵入出来たな)


 サラのお陰で怪しまれずに要塞内に近づけた俺達はたまたま中に入る手続きをしていた商人の馬車に紛れ込むことに成功したのだ。


“サラ、これも便利グッズの力なの?”

“そう、名付けて〈小さくな~る〉”


 小さくなったサラとリアを連れて俺は麻袋に紛れている。もち、〈みえないもん!〉を被って透明になっている。


“便利でしょ?”


“うん。確かに便利なんだけど、便利過ぎて……”


 確かにそうだよな。あの辺境の外での生活も知っている俺や婆ちゃんはサラの便利グッズの力がどれだけ非常識なものか分かってる。それだけにリアの反応が気になるのだが……


(いや、便利グッズの力自体にどう思うかよりも……)


 ん?


(馬車が止まった!)


 それに誰か近づいてくる。


(どこか隠れられそうな場所は……あ!)


 辺りを見回すと、食糧貯蔵庫が! この荷物の中身は食糧か!


(丁度いいな) 

 

 俺はそっと馬車を抜け出し、やってきた男達が荷物を食糧貯蔵庫に入れるのに紛れてい中に入った。


 バタン、ガチャ!


 ドアが閉まり、鍵がかけられる。よし、これでひとまずは安心か。


(じゃあ、サラ達を元のサイズに……)


 二人をポケットから出し、効果を解除する液体をかける。すると、見る見る間に下の二人が……


(あ、服が濡れてちょっと透けてる)


 き、気づかないフリだ!


「ありがとう、シデン。後は夜を待ちましょ」


「ああ」


 俺達の計画では夜に騒ぎを起こし、そのドタバタに紛れて脱出する予定だ。何だかあまりに出たとこ勝負の計画だが、サラの便利グッズがあれば大丈夫だ。


「それにしても豪華な食材。賓客でも迎えるのかしら」


 リアは周りにある食材を見ながらそう呟く。リアから見ても豪華な食材……それってかなり凄いんじゃ


「辺境との境にくる偉い人……想像つかないな。私達が言うのも何だけど、この先には何もないよ」


 サラの言う通りだ。一体誰が来ているというんだ……?


(ハイネ視点)

 

(くそ……何だってこんな場所に騎士団長の俺が来なきゃならないんだ!)


 顔には関心したふうな表情を浮かべながら、要塞の騎士や要塞長から説明を受ける。が、内心は罵詈雑言の嵐だ。


(表向きは査察だから仕方ないが……つまらん!)


 大体こんな田舎で何もない場所なんて興味ないんだよ。俺のいるべき場所はもっと華やかな場所。そう、王都のような……


「ウォルポール騎士団長、どうかされました?」


 はっ……しまった。話を聞いてないことがバレた!


「いや、結構なことだと思ってな」

「……? はぁ」


 ぐっ、しまった。間違えた。


(くそっ、俺はいつも一番じゃなきゃいけないのに……)


 俺は凄い。俺は特別。だからこそ、常に最高で一番じゃなきゃいけない。


(そんな最高で一番な俺は王国最強騎士団の一つの頂点まで登りつめた。が……)


 まだまだ足りない。まだまだ……


(練武場……もうこんな場所まで来ていたのか)


 ひょっとしてさっきは“手合わせを……”みたいな話だったのか?


「で、ウォルポール騎士団長。如何ですかな? 新兵達にご指導頂けますかな?」


 やはりそうか……やっぱり俺は天才だ!


(新兵相手に稽古……良いかもしれんな)


 剣なんて大分握ってないが、まあ新兵相手なら余裕だな。


「勿論だ……さっきも答えたがな」

「失礼しました。では」


 深々と頭を下げる要塞長に案内されながら練武場の中心へと移動する。すると、周りの視線が砂糖菓子に群がる蟻のように集まってきた。


「あの鎧の意匠……まさか」

「銀翼騎士団……しかも団長」


 くぅ……気持ちいいぃぃ!


(注目されるってなんて気持ち良いんだ!)


 オラ! 泣いて感謝しろよ、ゴミ共! この特別な俺がお前らと同じ高さの地面をあるてやってんだからな!


(……受けて良かった、稽古の相手)


 渡された剣の感触には違和感しかない。元々剣も騎士の嗜みだと父に言われて嫌々やっていただけなのだ。


(ま、でも一番だったけどな)


 嫌々やっても一番。やはり俺は特別だ。


(そういや昔一人だけ変な奴がいたな)


 相手をする新兵は粗末な練習着を来た新兵。つまり、貧乏人。その癖構えに隙がない。アイツにそっくりだ。


(確か男爵家の癖に腕は中々……名前はシデンとか言ったか)

 

 腕といったが、剣の腕じゃない。まやかしの技だ。そうでもなきゃ俺をこてんぱんにするんて出来るはずがない。


(ま、俺は見抜いて罪人にしてやったがな)


 罪はでっち上げ……だが、まやかしを使って俺に恥をかかせたことは万死に値する罪。なら、濡れ衣だろうが、何だろうが関係ない。


「では構えて……」


 合図の声がする。いよいよか


(こいつのせいで余計なことを思い出した……気分が悪い)


 仕方ない。この未熟者をボコボコにして溜飲を下げるとするか……

 繰り返しですが、次話は明日の朝7時に投稿します! 次話もよろしくお願いします!


 ……あと、厚かましくはありますが、筆者のモチベに直結するポイントやブクマ等もお願い出来れば大変大変大変嬉しいです。


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― 新着の感想 ―
「小さくなーる」wwサラ、いいですね。
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