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#49 安全装置

(……これか)


 カートレット将軍に話を聞いた後、俺はとりあえず現場を見せて欲しいと頼んだ。そして、この件の専門家を呼んでもらうことにした。


「痛ッ! 貴様、俺を誰だと思ってる!」


「アンタ、自分の立場分かってる? 普通なら殺されても文句は言えないよ?」


 小突きながら連れてこられたことに文句をつけるプラシドにヘンリエッタさんは涼しい顔でそう告げる。が……


「くっくっく、ならやってみろよ。俺を殺せば手がかりはゼロになるんだぞ!」


「なら、さっさとその手がかりとやらで何とかしてみなよ。このままじゃあんたも焼き死ぬことになるんだろ?」


 カートレット将軍によれば、俺達は魔導砲が作り出した結界に閉じ込められてしまったらしい。しかも厄介なことに魔導砲はあと数時間で自爆するというおまけつきらしいのだ。


(結界は元々俺達が後退した時に発動させるための機能みたいだけど……)


 だが、この状況で魔導砲が自爆って一体誰がそんなことを? 


「残念だな! これは俺が直接操作したわけじゃなく、魔道具に予め設定されていた安全装置! つまり、俺でさえどうにもできん!」


「あんた、馬鹿なのかい? 自分も死ぬような機能の何が安全装置だい!」


「我らの名誉を守るための安全装置だ。栄光あるベルナール家に敗北はない!」


 つまり、たとえ負けても敵もろとも消えれば負けではないと。もう無茶苦茶だな……


「シデン、これが魔導砲?」

「ああ。見てくれるか?」


 俺が呼んでもらったもう一人の専門家、それはサラだ。サラの作る便利グッズは魔道具と似た部分もあるし、何か分かるかもと思って来てもらったのだ。


「お前はベルナール家の面汚し! 汚らしい手で我が家の高度な技術に触れるな!」


「捕虜になった挙句ピーチクパーチク言ってるあんたこそが面汚しだよ!」


 うーん、煩い。プラシドを連れてきて貰ったのは失敗だったな。


「……なるほど。凄い技術だ。勉強になる」


「何か分かりそうか?」


「全体像はまだ分からないけど、部分的には何とか」


 サラの目はいつになく真剣だ。サラが便利グッズ──つまり魔道具の発明をしてきたと言ってもそれは全て独学によるもの。ヴェルナール家が長年かけて研究してきたものとは違って当たり前だ。


「フンッ! 貴様のような出来損ないに魔道具の作用機序は欠片も分かるまい。自爆を止めることすら……」


 ブン……


 その時、魔導砲から何かが動きを止めたような音がした。


「これで自爆は止められたよ。後は結界だね」


「バ、馬鹿な! あり得ん……自爆を止めるには魔導砲の魔術回路を完璧に理解しなくてはいけないはずだ……」


 だが、サラはプラシドの言葉は全く耳に入らないくらい集中しているようだ。俺にはちんぷんかんな小さな部品やコードを丁寧に見て分析している……


「ふ、ふん! だが、結界の解除は不可能だ! 魔道具による結界の生成はヴェルナール家の秘伝技術。我が家に伝承されている技術全てを理解していなくては出来ない!」


「なるほど……まずはこうかな?」


「何だと!?」


 サラが淀みなく魔導砲を操作するのを見て、プラシドの顔が青くなる。が、次の瞬間、何かを思い出したように


「くっくっく……だが、結界の解除には生成時に定められたコードが必要だ!」


 コード!? 鍵のようやものか?


「さらにコードは自動的に暗号化さる! 例え魔道具の専門家でもヴェルナール家で学んだもので無ければ解除はおろか理解さえ出来ん!」


 それが本当ならこの場で何とか出来るのはプラシドだけってことになるな。


(けど、サラなら……)


 俺がそんなことを考えていると、サラが俺の肩をトントンと叩いた。


「シデン、暗号を解いて解除するのと電源落とすのとどっちが良いかな」


「えっと……どうでしょうか、将軍?」


 俺がそう尋ねると、後ろにいた将軍は唸り声を上げた。


「結界が解けるならどっちでも構わんが……」


「じゃあ、暗号を解く方で。そっちの方が安全そうだし」


「そうだね。また誤作動しても止められると思うし」


 そう言うとサラは小さなボタンのようなものを何度か触った。


「馬鹿め! 操作を間違えば即自爆する事に気が付かなかったな! やはりお前は出来損ないだ!」


 シュン……


 その瞬間、何かが消えるような音がした。


「結界が……消えた……だと……馬鹿な」


 プラシドがうわ言のように呟き、力なく座り込む。が、今や誰も彼のことは気にしていなかった。


「でかしたぞ、サラ嬢!」 

「やったね、サラ!」


 カートレット将軍とヘンリエッタさんがサラを褒め称える。そして、その輪はどんどん広がっていく!


「流石だな、サラ!」


 今まで見たこともない魔道具の仕組みをこんなに簡単に理解出来るなんて……やっぱりサラは凄いな!


「シデンが信じてくれてたおかげだよ」


 サラはそう言うと俺に片目をつぶってみせる。何気ないその仕草に俺の心臓がドキッと大きく脈打った。


(……まあ、俺も何かの役に立てたのかな?)


 不意に訪れた動悸から意識を逸らすために俺はそんなことを考えた。


「今回シデン何にもしてなくない?」と首を傾げた方へ


 ええ、おっしゃる通りです(笑) でも、サラにとってはシデンが一緒にいてくれるだけで力になるんだと思います。若干のチョロイン属性があるんだと思います(……若干?)


 応援大感謝! 読んで頂いている皆様への感謝をパワーに変えて次話も爆速執筆中ッ! 


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