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#23 再会

 そんなこんなで内心冷や汗をかくことばかりだったのだが、移動自体はスムーズに進み、三つ目の砦が見えてきた。


(うっわ……)


 三つ目の砦も遠目でも分かるくらいボロボロだ。これもやっぱりクレアの仕業か……


「……やり過ぎじゃないか?」

「そうじゃろうか?」


 砦はあちこち穴だらけ。何がそうじゃろうかだと突っ込みたくなるが、小首を傾げたクレアは無茶苦茶可愛い……ので結局何も言えなかった。


(ま、とりあえず死人は出てないのかな)


 確かなことは分からないが、とりあえず死体は見ていない。だから良いって訳じゃないが。


(これから一緒に行動するならやり過ぎないように注意してやらないとな……)


 というか一体何でこんな事をしでかしたんだ、クレアは。何か理由があるんだろうとは思うが……


「クレア様、ひょっとしてこの先の砦も全て……」


「うむ。壊してやった。後、クレアで良いぞ。仰々しいのは嫌いじゃからな」


 クレアの屈託ない返事にリアが頭を押さえる。うん、気持ちは分かるよ。


(竜の姿の時とキャラが違わないか……?)


 竜の姿の時はまあまあ仰々しい物言いだったけど……まあいいか。


「気持ちよく壊したね。クレア、あんたはダラク山脈の守護竜じゃなかったのかい?」


 クレアが守護竜? マジで?


「妾への貢ぎ物に手を出す不届き者がいてな。ま、ちょっとカッとなったというか」


 ……ちょっとか?


(しかし、そいつのせいでこの有り様か……)


 えらいことになったな。まあ、俺達にとっては襲われなくなったことだけを考えればプラスだが。


 そうこうしてるうちに俺達は砦にどんどん近づいていく。すると、サラがあることに気がついてた。


「……! 旗が立っている」

 

 見ればあちこち崩れた砦の最上階に旗が掲げられている。


(馬に弓の紋章……見覚えがあるな)


 俺も一応貴族だったから子どもの頃には主だった紋章は覚えさせられたんだが……それ大分前の話だ。どの家のものかまでは……


「あれはカートレット家の紋章! まさか将軍がここに!?」


 リアは流石に一目で分かったらしい……ってカートレット将軍がここに? 


 ドカドカドカ……


 砦の方から馬蹄の音が聞こえてくる。向こうも俺達に気がついたのか?


「リア様──! リア様──!」


 山道を馬で駆け抜けるという非常識な行動を取りながら凄い勢いで迫る騎馬が六騎。いや──


(一騎だけ速いな)


 残りの五騎は何とかついてきているという感じだが……


「リア様! ああ! 本当にリア様だ」


 瞬く間に俺達の元にたどり着くと、転げ落ちるように騎馬から降り、リアの足元に跪いたのはゴツい鎧を来た白髪の男。


(もしかしてこの人がカートレット将軍?)


 遠目にリアの姿を見つけただけで飛んでくるなんて聞いていた以上って気もするが。


「ええ、私です。危ないところをこちらの──」


「ああ、良かった! リア様を害しようとするゲバルド王子の策略を聞いて居ても立っても居られず、ここまで来たかいがありました」


 ゲバルド王子ってのはリアを暗殺しようとしたかもしれない例の第三王子か。


「では、今前線には誰が? 確か蛮族が攻めてきたと聞いたのですが」


「もう鎮圧しました」


「も、もうですか!? 万単位の蛮族な攻めてきたと聞いたのですが」


「大事の前の小事。時間はかけられません。部下が事後処理を行っています」


 ガハハハと笑いながらそう言う将軍だが、言ってることは無茶苦茶だ。一体どのくらいの軍勢で戦ったのかは分からないが、軍は大きくなればなるほど動きが鈍くなるものだ。


(大軍を速やかに動かして戦を終わらせたにしろ、寡兵で戦い勝利したにせよ、凄まじい用兵だな)

 

 まあ、こうして見ただけではにわかには信じられないけど……


「とにかくご無事で何よりです。さ、とにかく砦へ。リア様に居ていただくのに相応しいとは言えませんが、急いで準備させますので」


「将軍、実は今の私には将軍以外にも味方がいるのです」


「味方……」


 リアの言葉で将軍は初めて俺達の存在に気づいたらしい。が……


「何だ、貴様! リア様の前で不敬であろう!」


 あれ? 俺、怒られるの!?


「そこの女も何を……ええい、さっさと離れい!」


 カートレット将軍はさっきまでの様子はどこへやら、怒髪天を衝くの勢いでクレアに怒りだした!


(クレアがベタベタくっついてるのがお気に召さないのか……)


 ま、確かに礼儀に反してないとは言えないな……

いつも読んで頂きありがとうございます!

次話も頑張って書くのでよろしくお願いします! 



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