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#12 降伏

 応援ありがとうございます!

「大したもんだよ、あんた。けど、この距離じゃ剣は届かないだろ」


 サラとリアとは大体五十メートルくらいはなれている。まあ、確かに一瞬で移動するのは無理かも知れない……


(加えて、あの人がリア達に剣を振り下ろす方が早い……か)


 まあ、サラなら便利グッズで対抗できそうだが、あまり人目に触れる場所で使うもんではない。


「悪いことは言わない。ちょっと通行料を貰うだけさ。大人しくするなら手荒は真似はしないと約束する」


 盗賊の“ちょっと”とか“手荒は真似はしない”は信用ならないってのが普通だけど……


(本気……かな)


 良く分からないが、信用しても良いんじゃないかと思う。我ながら馬鹿な考えな気もするが……


(金はないが、魔物の素材とかなら……)


 頭の片隅にそんな思考がよぎったその時、俺の目にあるものが映った!


「……! 大人しくしろと言ったはずだよ!」


 俺が放つ殺気に気づいたのだろう。サラとリアに剣を突きつけている女性の声の警戒度が上がった。


「仲間の命より金! 見損な──」


 バシュッ!


 俺の剣が女性の剣を飛ばし、彼女の傍にあった幹に突き刺さる。だが、俺の位置は変わらない。


(よし! 狙い通り!)


 つまり、剣を投げたのだ。これなら距離が離れていても一瞬で事を為せる。


「なっ……まさか狙って? いやまさか」


 女性は絶技を見たかのようなリアクションだ……いや、剣を投げただけだから。


(あ、この局面で剣を投げるのがおかしいか)


 うーん、まあでも……


「降伏する。連れには手荒な真似はしないでくれ」


「え……ああ」


 女性は豆鉄砲でも食らったような顔で頷いた。あれ、そんなに意外かな?


「それにしても凄い剣……ってこいつは!」


 あ、気づいたみたいだな。幹に刺さった俺の剣。その下には小さな蜘蛛が突き刺さっている。その蜘蛛は実は……


「レッドタランチュラ! まさかこんなやつが近くにいたなんて!」


 オズワルド王国ではあまり見かけない魔物だが、このレッドタランチュラは猛毒を持つ魔物として有名だ。その毒は大の男でも一噛みされただけで三日三晩は寝込むほど。勿論、死んでしまうこともある。


「あ、あんたまさかこいつを狙って剣を!?」


 女性はさっき以上の衝撃を受けてるようだが……何でだ? レッドタランチュラが危険だってことはかなり有名だと思うんだが。


「……命に関わるからな」


 困惑する俺は何とか言葉を絞り出す。すると、女性は突然大声で笑い出した!


「アッハッハッハ! アンタ、脅してる相手の命を心配してたって言うのかい!?」


 え、あ、いや……


「しかも、剣を投げてこんな小さな蜘蛛を突き刺すとか人間技じゃないよ! 面白い、面白いよ、アンタ!」


 ウケてる……何で?


(それに人間技じゃないだなんて……ちょっと大げさだな)


 多分剣を投げる技は珍しいんだろうな。まあ、普通そんなことは考えないだろうし、俺だって滅多に使わない。


「悪かった。詫びと言っちゃあなんだが、私達紅蠍団のアジトに案内してやるよ」


 えっ……


「野郎共! お客様だ! 寝てる奴らは叩き起こしな!」


「「「はい、お頭!」」」


 オイオイ、妙なことになって来たぞ……



 そんなこんなで紅蠍団の“客”としてアジトに連れて行かれた俺達は部屋を与えられ、宴の用意が出来るまで寛ぐように言われたのたが……


(俺達は先に行きたいだけなんだけどな……)


 だが、俺の話は全く聞いてもらえない。それは“お頭”と呼ばれた女性──名はヘンリエッタというらしい──だけでなく、俺が倒した奴らでさえ同じだった。


“一体何をしたんだ? 教えてくれ!”


“スゲェな! どうやったらそんなに早くうごけるんだ!?”


 てな具合でもみくちゃにされ、なし崩しでここに連れてこられたって訳だ。


「流石シデン! あっという間に味方が出来たね!」


 味方……うん、味方かもな。


(しかし、言うことを聞いてくれない味方ってどうなの?)


 まあ、敵よりマシかもしれないが。


「それにしてもここはいかにも盗賊のアジトって感じですね」


 リアが辺りを見回してそう言うが、彼女の指摘はあまり正しくない。確かに広くはないし、新しい建物でもない。が、造りはしっかりしてるし、何より清潔だ。


(盗賊の隠れ家って言うよりは緊急時に使う商人の隠れ家って感じだ)


 まあ、王女であるリアにとってはどちらも同じかも知れないが。


「まあ、とりあえず話を聞いてみようよ。何だか聞いていたのと様子が違うし」


「すみません……」


 項垂れるリアにサラは慌てて手を振った。


「リアのせいじゃないよ! 私達だって外の情報はほとんどないんだから」


 サラの言う“外”とは俺達が暮らしていた辺境以外の場所って意味だ。俺達はずっと辺境暮らしだったから、とにかく世の中の常識といえば俺が十年前に聞いた情報かエリザベス婆ちゃんから聞いた話しかないのだ。


「それに早くこの人達を出してあげないと」


 そう言うとサラは荷物から要塞に囚われていた人達が閉じ込められている石を取り出した。確かにこっちも何とかしなくちゃいけないな。

 次話もシデンとサラが大活躍! よろしくお願いします!


※筆者からのお願い

 厚かましくはありますが、筆者のモチベに直結するポイントやブクマ等もお願い出来れば大変大変大変嬉しいです。


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